Ark Royal を吸ってみた

アークローヤル(アークロイヤル) の喫煙感想

 パイプ系バニラフレーバーという少し変わったバニラフレーバーのシガレット。紙巻「アークローヤル(アークロイヤル)」を吸ってみた。


銘柄概要

 アークローヤルは個性的なフレーバーシガレットを揃えるラインナップで有名な、ウルグアイの大手メーカーであるモンテパスによるブランドです。その親玉シガレットとも言える煙草が、このアークローヤルなのです。

 ちなみに、それなりに煙草では一般的なフレーバーであるバニラフレーバーですが、この煙草は「パイプ系バニラフレーバー」となっています。多くのシガレットにおけるバニラフレーバーとは少し趣の異なるバニラフレーバーということですね。

 もとは余ったパイプ銘柄の煙草葉を使用した銘柄だったというのですが、これは定かではないエピソードです。しかしながら、特異な他に無いキャラクターから信憑性は高そうですね。

 そのためか、シガレットにおいてライト志向へ偏る昨今では、やや取っ付きの悪さを漂わせるTar18mgというハイタール仕様となっています。イギリス海軍の航空母艦と同じ名に恥じぬ、中々の重厚さを漂わせているのです。

 また、その同名のイギリス海軍の航空母艦と混同して「アークロイヤル」と誤植されがちなブランドですが、日本での代理店によるカナ正式名称は「アークローヤル」として登録されています。どちらでも問題は無いのですが、愛煙家としては少し気を付けたいところですね。

 というか、Royalはカタカナにすると少し煩わしい単語です。ローヤル・ロイヤル・ロイアル・ロワイヤル・ロワイアルと、どれも日本において正解といえば正解ですから。それでいて固有名詞に多用されている単語なので、それらは明確に区別されているわけですから。

 これも偏に(ひとえ-)、植民地化の歴史も無く母国語で学習と生活が充実する日本ならではの奥ゆかしい情緒でしょうか。

 アークローヤルでは御馴染みの「パイプをくわえた水兵おじさん」はデザインされていません。その代わりにアークローヤルという名を冠するだけあり、錨のイラストがデザインされたパッケージはポップアートのようで素敵な印象なのです。

 そして、パッケージの要所ではパイプ煙草を踏襲した味わいであることがアピールされていますね。このパッケージではパイプフレーバーと謳われるのみですが、世間的にはパイプ系バニラフレーバーとして周知されているようです。

 アークローヤルのラインナップが軒並みボックス化されていく中で、この元祖アークローヤルはソフトパック仕様を変えずに今に至っていますね。私的には、この煙草の場合はキャラクター性を鑑みるとソフトパックが良いように思うのです。

 このデザイン、とっても良い感じですよね。

 先の通り、Tar18mgと中々の高タール銘柄となっています。

 しかしながら、その表示はパッケージサイドの汎用表示のみに留まっているので、知らずに買うと後悔する方もいそうです。あからさまなタールクラスの表示や表現は好きではないので、この方が好みですけれどね。

 バーコード側の文言によると、アメリカ産の煙草葉を使用していることが分かります。

 ところで、この表示で気が付いたのですが、製造者のモンテパスって「モンテ・パス」なのですね。どうでも良いことですけれど。

 封を切れば、期待を裏切らない特殊様相なシガレットです。

 ちなみに、巻紙が茶色であるために一見するとリトルシガーのように見えますが、燃焼調整用の筋目がありますので、色味の他は一般的な巻紙と大差も無さそうです。画像では分かりにくいと思いますが、実物は「ただ茶色い巻紙」といったような感じですしね。

 また、その他の仕様としては、空気穴の無いコルク調のフィルターチップにプレーンフィルターという組み合わせです。この手の煙草に期待する方も多いかと思いますが、フィルターチップに甘味が塗布されているタイプではありませんので、あしからず。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、かなり日本人の嗜好性とは異なる洋モクらしい煙草となっているのです。

 まず、シガレットの香りなのですが、かなり強烈に芳醇な甘い香りを漂わせます。これはバニラフレーバーというよりも、レーズンやブランデーのような華々しい印象の香りとなっていますね。

 何と言うのか、バニラフレーバーということで想像するキャスターの香りとは全く異なり、どちらかと言うとピースの香りが近いかも知れません。そのピースの香りにアルコール感を足したような香りとでも言ったところでしょうか。

 ラムやブランデーを添加しているレーズン入りのケーキのような香りなのです。

 また、喫味の方ですが、こちらはTar18mgということやパイプを踏襲した仕上がりということもあり、中々にパワフルな吸い応えと味わいを呈するものとなっています。とても広がりのあるボディということもあり、あまりタール数値の大きい銘柄に慣れていない方はフレーバーや煙草の味わいを感じることなく辛いだけの煙草となる可能性が非常に高い印象です。

 そして、パイプ系バニラというフレーバー感も、かなり吸い応えの高い仕上がりということもあり特別に分かりやすい印象は薄いでしょう。何と言うのか、バニラだ煙草の味わいだと言うよりも、この煙草は「芳醇」という味わいの表現が向いているように思えるのです。

 目立つようにフレーバーを際立たせているというよりは、内包されるものとして甘い香りを楽しめるといったところですね。やはりTar18mgということで、煙草らしい味わいも中々なものですから。

 ただし、しっかりとクールスモーキングを心掛けないと、それも過度なくらい心掛けないとパワフルさばかりが目立ってしまいます。ライト煙草のような感覚で喫してしまうと心地の良いという範疇からは逸脱してしまい、それこそ喫することが辛いだけの煙草となってしまうので要注意ですね。

 しかしながら、ゆっくり丁寧に深く吸い込むように喫すると、何とも芳醇な甘い香りと煙草らしい味わいが楽しめます。多くのバニラフレーバーシガレットとは異なり、きちんと煙草らしい味わいがベースとなって甘い香りとマッチングしているところも印象的ですね。

 逆説的には、多くのフレーバーシガレットと比べると体感するフレーバー感は控えめと思うかも知れません。あくまでパワフルな煙草の味わいに芳醇な甘い香りが付与されているようなバランスとなっていますからね。シガレットの香りは非常にフレーバー感の強い香りですが、いざ火を点けて喫してみると煙草感が第一となるような感じなのです。

 喫煙後の感覚も、どちらかと言うと葉巻のような感覚ですから。

 ちなみに、紫煙の香りは非常に甘い香りです。キャスターやブラックデビルなどとは異なり、どこか硬質間のある大人な甘い香りといったような印象ですね。

 総じて、かなり気難しいシガレットという印象です。ある意味ではシガレットの最大の特長を欠いているとも言えるところで、万人に薦められるかと言えば否でしょう。なりはシガレットでもパイプ系と謳うだけあり、やや日本人のスムース&マイルドを好む嗜好性とは異なる重厚で硬質な煙の質感も、やはり向き不向きが別れやすいところに思えます。

 ただし、しっかりと丁寧な煙草の喫し方を知っている方にとっては楽しみ甲斐のある煙草となるはずです。その反面で、どんな煙草でもTar1mgのシガレットを喫する時のような喫し方しか出来ない方だと、この煙草の良さは分かりづらいと思えるところなのです。

 超私的な感想としては、フレーバー系と謳われるものはフレーバー感へパラメーターを振り切ってほしいと思う嗜好性なので、あまり好き好むところではない煙草です。フレーバーを脇役とするか主役とするかで好みは大きく分かれる煙草ではないでしょうか。

 ただ、目を瞑り丁寧に喫すると、何とも心地の良い煙草なのですよね。

 ほんと、濃厚で芳醇。

 この煙草は、慣れない方が良いかも知れません。恐々と神経を尖らせて喫するくらいの方が味わいを感じやすく、より良いような気さえするからなのです。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar18mg Nicotine1.2mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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