Black Devil Pink Rose を吸ってみた

ブラックデビル・ピンクローズ の喫煙感想

 ブラックデビルというブランドの中でも一際に異彩を放つローズフレーバー。紙巻「ブラックデビル・ピンクローズ」を吸ってみた。


銘柄概要

 この煙草は、オランダ発の色々と風変わりなキャラクターが特徴的である「ブラックデビル」というブランドのシガレットなのです。同ブランドでは比較的メジャーなココナッツミルクフレーバーやチョコレートフレーバーのシガレットと共に、初期からラインナップされていますね。しかしながら、パッケージやらフレーバーやらが災いしてか、個性的な印象のブラックデビル・ファミリーの中でも群を抜いて手に取りづらい銘柄だったりするのではないでしょうか。

 ちなみに、日本人の感覚だと多くは連想も困難かも知れませんが、この成りで「ローズフレーバー」というセレブリティーなイメージのフレーバーを採用している銘柄です。もはやね、バラって全く以て高貴なものではないのではと思ってしまうほど。

 そんなバラの香りの煙草というのは、同ブランドのココナッツミルクフレーバーと並び馴染みも浅そうフレーバーですが、同じようにローズフレーバーを採用した銘柄にはエヴァ・ローズなどがあり、全く以て類の無いフレーバーというわけではない感じなのです。アクセントとしてバラの香りが使われていると思われる煙草も含めれば、意外をポピュラーかも知れません。

 ふと思ったのですが、欧州の喫煙者って変なフレーバーのシガレットが好きなんですかね。

 また、ブラックデビルは元よりTar10mgにて展開されていたブランドなのですが、今ではTar8mgなどへ仕様を変更して展開されています。当記事にて扱うのは「旧仕様のTar10mg」ということで、現行のTar8mgの感想ではありませんので御留意を。

 そもそもの存在感がイロモノであるブラックデビルですが、このピンクローズは頭抜けて際どいイロモノ感を放っていますね。しかも、この色で女性感が全く無いとな。ピンクローズって貴婦人のイメージカラーではないのですか。

 真っ黒なシガレットのイメージが強いブラックデビルですが、このピンクローズはパッケージに倣ったショッキングピンクのシガレットとなっているのです。これがまたピンクローズと冠しながら中々にゲスいピンクで、一際に個性を放っていますね。これを人前で手に持ち喫するとなると。相当なMPかTPが必要かと思われます。

 ちなみに、他のブラックデビルと同様にプレーンフィルター仕様で、気になるフィルターチップの甘いシロップですが、このピンクローズには採用されていません。

 余談ですが、画像は古いパッケージデザインで、いつの間にかパッケージデザインが変わっていたようですね。現行のパッケージはロゴマークの主張が激しいデザインですが、以前のパッケージは悪魔印が中々にクドい感じのデザインだった様子。それでも、ローズ感を全く感じさせないキャラクターは相変わらずといったところなのです。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、実直にバラでありながらバラのイメージ要素は全く感じさせない、全ての要素において力任せに全力投球な印象のガッツ溢れる仕上がりとなっているのです。

 まず、ブラックデビルということもあり気になるシガレットの香りなのですが、これが中々に良いと思ってしまいました。あまり他に類の少ないローズフレーバーのシガレットですが、このシガレットの香りはローズフレーバーらしい薔薇の香りを含みながら、ブラックデビルらしい甘い香りとして昇華している独特な香りです。野暮ったい印象は相変わらずなのでローズらしいエレガンスなイメージとは程遠いものの、一癖ある甘酸っぱい香りは非常に心地の良いものとなっています。この手のフレーバーシガレットにありがちな「一昔前の芳香剤」のように気持ちの悪さを覚える香りではなく、食欲を刺激するようなスイート感の強い香りであることも好印象。すごく誇大で嘘臭い香りでありながら、決して嫌な気分にはならない、何とも妙と言った香りなのです。

 この香りは、私的にピースと同じくらい火を点けなくても楽しめる煙草です。まるでバラとチェリーとマシュマロな感じ。おぅ、とても女性的ではないか。

 ワクワクの喫味の方は、意外にもローズフレーバーに偏ったものではありません。どことなくベリー系のチョコレートのような風味に思える味わいに、強めな薔薇の香りがアクセントとして付け加えられているような喫味となっています。ベースにはブラックデビル・チョコレートのような香ばしい甘味の味わいを感じますね。ローズフレーバーも決して弱いわけではないのですが、それを立てるような加減が他の要素に施されていないような仕上がりなので、ブラックデビルらしい甘味や煙草感も非常に強く、中々にローズらしからぬ濃厚な味わいとなっているのです。

 これはアンプのイコライザーをフルテン・ザ・オールバンドしたみたいな感じ。ソロだから、それでもいっか、みたいな。非常に飽和感のある喫味ですね。

 また、それでいて喫味が破綻はしていない様は、意外にもスムースな吸い心地による恩恵なのでしょう。この高タールでプレーンフィルターな製品とは思えない吸いやすさを覚える質感も、他のブラックデビルと同じくイメージに反するフレンドリーな特徴ですね。質感においては、多くの日本人の嗜好性にマッチしていると思われます。

 まぁ、フレーバーが特徴的なので万人向けでないことは明らかですし、フレーバーどころか見た目が見た目なだけに取っ付きにくい雰囲気の煙草ではありますが、その実は意外にもハイクオリティーな煙草なのです。エヴァ・ローズと比べると、こうも違うか同じバラでと非常に面白かったり。

 喫煙後の余韻も、この煙草の独特な甘酸っぱさを含むローズフレーバーが強めに残りながら、ほんのりとブラックデビル・チョコレートと通ずる香ばしい甘味も半歩くらい下がって残るので、中々に煙草としての充足感も高く好印象。

 総じて、色々と主張の強い個性的な要素が曲者な煙草なのですが、その実は意外にも良き煙草なのでした。

 ただ、フレーバーに負けじとベーステイストの主張も強い煙草なので、フレーバー全力傾倒な味わいを好まない中間派には程好いかも知れませんが、この手のフレーバーシガレットを好む方々って、あまり煙草らしさを好まずにフレーバー感に最大の重きを置くような方も多いと思うので、その点は出で立ちのわりに不憫な煙草なのかも。純粋にローズフレーバーにスポットして楽しみたいのであれば、薔薇の香りをエレガンスなものとして捉えて非常に高い再現度にてローズフレーバーを成している「エヴァ・ローズ」の方が確実に向いていますね。このブラックデビル・ピンクローズは、ローズフレーバーをベースにプラスアルファといった仕上がりですし、そのプラスアルファがローズフレーバーを食う勢いで盛り込まれているので、一口にローズフレーバーとは言えませんから。

 何はともあれ、ファミリーそのものが「イメージのわりに良質でフレンドリーな煙草たち」というダークホースのような存在であるにも関わらず、その中でも抜群のダークホース特性を有する煙草なのでした。味わいだけなら、ものすごく個性的ですし、まとまりも良くと、意外とブラックデビルの中で最も好きかも知れません。何というのかな、甘酸っぱさが非常に良い煙草。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar10mg Nicotine0.8mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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