Che Black を吸ってみた

チェ・ブラック の喫煙感想

 チェ・ゲバラをモチーフにブラックと冠する無添加煙草。紙巻「チェ・ブラック」を吸ってみた。


銘柄概要

 この島国でも有名な「チェ・ゲバラ」を大胆に配するパッケージが印象的な、そのまんまな名称である「チェ」という煙草。そんな「チェ」のラインナップにおいて、Tar7mgの「チェ・レッド」の高タール版となるTar9mgの煙草が、この「チェ・ブラック」となります。何かモノを言いたげ「ブラック」と冠されてはいるものの、特にブラックは云々という文句も見当たらないため、カラーネームでバリエーション表現されたような単なるタールバリエーションなのかと思いきや、すっとこどっこい「なるほどブラック」は後述。

 ちなみに、このチェはアメリカンスピリットなんかと同じく「無添加煙草」というジャンルにカテゴリーされるブランドで、その名の通り香料や添加物を使用しない「ナチュラルな煙草葉」を用いた煙草なのです。

 また、他に特記することとして、チェ・ゲバラの縁の地としても知られる「キューバ」の煙草葉を使用した煙草である、という特徴があったりします。キューバは本格葉巻を中心とした煙草とも縁の深い土地であるだけあり、中々のバリューとして機能しているファクターだったり。

 あと、チェはバリエーションごとのレシピに特長を持たせているという一面もあり、キューバリーフを一部に使用することは共通の仕様であるものの、このブラックではコクを深めるために「ダーク・ファイアド」と「ダーク・エアキュアド」をブレンドしているのだそうな。この特性から察するに、コクや深味というよりも、よりスパイシーでキック感のあるアタリの強い喫味へ傾倒しているのかなとか思えてきますね。レッドは「メリーランドリーフ」を用いて味わいをマイルド方向へ補正しているようですが、このブラックでは、よりパンチのあるパワフルな喫味へ「強化」しているのでしょう。

 ということで、ダークリーフをブレンドに用いているから「なるほどブラックか!」と一人で勝手に納得していたりします。

 パッケージの地の色が黒色であるため、チェ・ゲバラの肖像は白色で抜かれて赤色で縁取りされていますね。パッケージサイドには、もはや無添加煙草では当たり前なのでしょうか、製品特性がシガレットのイラストとともに説明されています。

 もう一つの「名物」であるボックスの仕掛けは、開口部を「しかけ絵本」のようにすることでボックスを開口してもチェ・ゲバラの肖像が脳天チョンパになることを回避するというもの。実在した偉人ということもあり、心遣いの一面なのでしょうね。

 シガレットデザインはレッドと同じようにコルク柄のチップが用いられていて、配された「che」のサインはパッケージカラーに合わせて黒字となっています。空気穴はチェらしく不整列に配された細かい穴となっていて、やはり量はレッドよりも少ない印象かな。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、少しだけチェ・レッドとは趣の異なりを感じさせてくれるような煙草に仕上げられているのです。

 まず、ブレンドに個性を持たせているということで差異も気になるシガレットの香りですが、あまりレッドやブランコと変わりは無いように思えます。それこそレッドやブランコと同じように「スパイス&フルーツ」な甘辛ソース感の強い食欲を刺激する感じの香りで、これこそ一貫して使用されているキューバリーフによるものだったりするのでしょうか。

 喫味の方は、レッドと比べると少しボディにタール感と重みが増して迫力が付加されてはいるものの、その迫力に埋もれるような感じで少しだけ華は控えられたような喫味となっています。味わいとしては華を控えた分だけ穏やかさを覚える一方で、質感としては中々のパンチを呈してくるテイストとなっているのです。順当にタールバリエーションと捉えても良さそうな程度の違いではあるため「レッドでは少しボディに不足を覚える方のために、このブラックを用意しました」みたいなキャラクターなのですが、やはり吸い比べると単なるタールバリエーションとも言い切り難い個性を感じると思います。

 そこまで重くはないのですけれどね、中々にキツイ感じ。

 なにはともあれ、他の無添加煙草ブランドの銘柄よりも香りや味わいに分かりやすい華と甘味を多分に感じられるため、親しみやすさと同時に非常に優秀な印象を覚える無添加煙草なのです。燃焼速度は並みですが、やはり他の無添加煙草ブランドより楽しみ甲斐のある味わいにおいて、これ以上の喫煙時間は不要と思える感じに不足は無し。やや迫力の増したボディにタール感こそ程好く強めに感じられるものの、苦味に酸味といった嫌に思える要素は全く無く、味わい甲斐がありながら吸いやすいという中々の出来栄えです。

 総じて、ブレンド云々は気にするほどの変化でもなく「レッドの高タール版」と扱える仕上がりの煙草であるため、そのレッドでは少し量感的に物足りないと言ったような方は、こちらのブラックを喫してみることが良い感じ。

 私的には、レッドの方が程好く軽快で華のある喫味が好みなのですけれどね。今までの「無添加煙草」というカテゴリーでは、それこそアメリカンスピリットが独壇場と言わんばかりに首位を物にしていたわけですが、この「チェ」の方が味わいにおいて嗜好品らしい楽しみ甲斐は勝っていると私的には思えて他ならず、正に取って代わり台頭し得るポテンシャルは十二分に有しているように思えます。

 というか、アメリカンスピリットは楽しむにも非常にストイックな姿勢が必要な上に、その先に用意されている御褒美や達成感が手間に対し価値も小さすぎるため、嗜好すら偏執しなければいけないという極上スパルタ煙草。このチェくらいに分かりやすい方が良いのですよ、絶対に。

 たとえ無添加でも確かな味わい甲斐のある煙草は成せると、そう教えてくれた「チェ」は、このようにブラックだろうが何だろうが、とっても好印象な煙草なのでした。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar9mg Nicotine0.9mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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