Italian Anice を吸ってみた

Italian Anice

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 見た目からしてソレでしかないであろうイタリアの伝統的な地煙草。

 「イタリアン・アニス」を吸ってみた。

 何とも素敵な異国情緒の溢れるパッケージで「Anice」と大きく謳われているように、この煙草は地中海地方原産の薬用または香辛料植物である「アニス」をフレーバーとして使用した煙草なのです。日本人には聞き馴染みすら薄いと思われる植物ですが、確かに欧州の方では食用に薬用に嗜好品やらでチラホラと見かける植物名ですね。

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Italian Anice この煙草を製造する「MANIFATTURA ITALIANA TABACCO」というメーカーは、公式サイトによると1759年にイタリアのキアラヴァッレ区に創業したという中々に歴史あるメーカーなのだそうな。専売制解除による外国銘柄の流入やM&A企業に負けず、地産地消で頑張っている地煙草メーカーですね。

 また、このイタリアン・アニスを含む同社の「Vintage Blends」なるシリーズは、そのキアラヴァッレの同社工場に古くから保管されていたレシピの再現とのこと。

Italian Anice フリップサイドにはイタリア国土のシルエットを配した「MANIFATTURA ITALIANA TABACCO」というメーカーのロゴマークがデザインされているのです。

 全く関係の無い話ですが、長靴に見えると言われるイタリアの国土、私には「マンドラゴラ」にしか見えません。

 一貫して「Made in Italy」という点に重きを置くメーカーの理念が如実に反映されているのはパッケージデザインもですが、その実は使用されている煙草葉までもがイタリア産とのことで、ものすごく愛国心に溢れる煙草のように思えてきます。

Italian Anice 中包装紙に記された「TIRARE」という伊語は、英語で言うところの「PULL」と同じような意味なのです。取り立てて気にすることもないだろう中包装紙の「引け」というメッセージも、言葉こそイタリアンなために新鮮味が増しているような気がしますね。ただ、字引が無いと意味も分からないこと山の如しですが。

Italian Anice 白色のフィルターチップは太めのシルバーラインで装飾されています。この煙草が属する「Vintage Blends」というシリーズのロゴで仕上げられたチップデザインですね。混みいったパッケージデザインのわりには、中身のシガレットは至ってシンプルな印象となっているのです。やや拍子抜けかな。

 また、洋モクらしいというのか機能的にもシンプルなプレーンフィルター仕様となっていて、空気穴はタール数値の割りには多めな印象の極小が4列という配置です。何より巻紙のシミが特徴的であり目立ちますね。

喫煙の感想・味・香り

 この煙草は、他に類の無い非常に珍しい味わいの煙草となっているのです。

 まず、既にカートン包装の時点で漏れ漂う香りからインパクトは大きく、開封を進めてシガレットに近づくほど特徴的な香りは強さを増していきます。

そんな特徴的なシガレットの香りは、他に似たような製品は無いだろうと思えるほどに独特なもの。よく分からない色々な要素は含まれていますが、とにかく非常に癖のある甘い香りが印象的となっているのです。それは一口に「甘い」と言っても、他の多くの甘い香りが特徴的な煙草とは全く異なり、それらのような「スイート感」と言うには程遠い、正に独特の香りとなっていますね。しかも、そんじょそこらのフレーバーシガレットなんかよりも、遥かに強烈な量感で香り付けされていることが容易に察せます。

 あと、ふと思いました。この香りは、何だか「サルミアッキ」の風味を彷彿させる香りに思えます。フィンランドのゲロマズな郷土菓子です。このイタリアン・アニスのシガレットが放つ一癖どころではない強烈な甘さの香りの奥には、まるで隠れる気も無いようにサルミアッキの「しょっぱさ」と言うのか「タイヤ」と言うのか、あの独特の風味をイメージさせる香りが紛れ込んでいるのです。癖のあるものに癖のあるものを添えるような、強烈な合わせ技ですね。

 で、とりあえず火を点けずに喫してみたのですが、これもまた未体験領域に驚きで、なんと「味」がするのです。当たり前だろとか思っちゃった方のために補足しますが、あくまで煙草は「香り」を楽しむものであり、その香りが「嗅覚」を通すことにより「味わい」として感じることが出来るものなのですね。お料理なんかでも言われますが、人が「味」として感じるものの大部分は「嗅覚」から、つまりは「香り」から構成されているということです。

 そのために、香りが主要素である煙草も便宜的都合で一概に「味」と表現されてしまいますが、本質として煙草の「味わい」が示すものは「香り」なのです。意外と「舌」というのは、甘いや苦いに辛いといった概要的要素に特化しているだけで、味の奥ゆかしさを感じるために大した機能はしていないということですね。鼻をつまむと、途端に味が分かりにくくなりますもんね。クサヤもクサクナイヤになりますもんね。詰まるところ、煙草において味覚として感じるような「味わい」というのは、ほとんど無いはずなのです。

 だけど、この煙草は「味」がするのです。それも、舌で感じる「味覚」なのです。すっごい不思議体験ですよ。爽やかながらガッツリと甘い「味」が、確かに舌で味覚として感じられるのです。はっきり言って、言葉の通りに「味わえる」ため、火を点けなくても十二分に楽しめます。

 ですが、そうも言ってられないので火を点けて喫してみるのですが、やはりスゴい風変わりな味わいですね。媒体が空気から煙に変わり、それにともない質感が煙らしいものに変わったという程度なのです。味わいの基幹は火を点けずに喫したときの「味」が色濃く反映されている感じとでも言いましょうか。いわゆる「スイート」な感じではないのですが、非常に独特な甘さに際立つ味わいとなっているのです。

 しかも、Tar5mgというスーパーライトな仕様によるのか非常に軽快なボディ感のライトな吸い心地となっていて、それにより更に独特の風味が際立っています。これがまた、恐ろしいくらいにステレオタイプ的な「煙草らしさ」が皆無であり、何にも似付かない正しく「イタリアン・アニス」以外の何者でもない様は、非常に新鮮な喫煙経験を与えてくれますよ。

 この味わいは何なんだろうな。もちろんメンソールシガレットではないですし、かと言ってフレーバーシガレットと言うにも違和感がありますし・・・。

 そもそも、煙草か?ほんと、そんな感じ。

 他に似たようなものも無く、煙草らしい何にも当てはまらず、これが言葉では何とも伝え難い味わいなのですが、強いて例えるなら「アニス」という特徴的な要素による「イェニ・ラク」らしさを感じる味わいと言いたいかな。アニスを使ったトルコの「ラク」という地酒の銘柄です。甘さ要素が猛烈なのに妙に爽やかな感じの香気が似ているのですが、もはや煙草の範疇では例えられませんね。一杯のイェニ・ラクに一粒のサルミアッキを隠し味として加えたような。

 絶対に伝わらないですよね。重々に承知しております。

 総じて、煙草は曖昧の塊であるにも関わらず、このイタリアン・アニスは一度でも喫すれば忘れることも無いくらいハッキリと記憶に残る味わいであります。その後は吸わずとも脳内で味わいをイメージすることが出来るくらいに強烈で分かりやすい喫味の煙草なのです。イタリアンって料理にしても何にしても、わりと日本人が親しみやすいものだとは思ってましたが、この煙草だけは例外。

 すっごく素敵な嗜好品なのです。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar5mg Nicotine0.4mg
Strictly No Taking. Don’t smoke until you are 20 years old.lol


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