Kool Mixx 5 Box を吸ってみた

クール・ミックス・5・ボックス の喫煙感想

 スカイミントなるフレーバーをウリとするクールのミックスはTar5mg。紙巻「クール・ミックス・5・ボックス」を吸ってみた。


銘柄概要

 どうやら、このミックスシリーズはタールバリエーションでTar8mgとTar5mgが同時に展開されているものの、その人気には中々の差があるようで、あまりTar8mgの方は取り揃えられていないケースも多いようですね。このTar5mgは、よく見かけますけれど、そこにTar8mgは並んでいなかったりも、しばしば。

 今回は、そんな人気の方のTar5mgです。

 ちなみに、先にカプセル搭載メンソールシガレットとしてデビューしているクールのブーストは「カプセルでメンソール感をブースとする」という、その名の通りな特徴をウリとするメンソールシガレットでした。ですが、このミックスシリーズは「カプセルによりメンソールのキャラクターを変えること」が特徴となっているのです。

 カプセルを潰すと「スカイミントフレーバー」と謳われている、いわゆる「スペアミント」のメンソール感を付加する仕様なのですね。あまり馴染みも浅く、いまいちピンと来ない方も多いかも知れませんが、その「スペアミント」というのは比べて穏やかな清涼感と独特の甘味が特徴となっているミントです。このミックスシリーズは、スペアミント系メンソールシガレットの先駆けと言っても過言ではないでしょう。

 似たようなところだと、ラークの「ミントスプラッシュ」や、マールボロの「アイスブラスト」なんかが、他社より後発で発売されていたりします。数も少ないフレーバーながら、それなりに定着化したフレーバーであることは察することが出来る感じかな。フレーバー系メンソールとは言っても、近年のようなフレーバーとは異なり、あくまでメンソールの範疇を飛び出していないため、そこそこに取っ付きは良い部類かと。

 「COOL」ではなく「KOOL」である本ブランドですが、この煙草のパッケージ背面では「100% KRUSH」と、ここでもCはKに差し替えられていたりします。この手の表示までチェックする喫煙者も少ないとは思いますが、細かい演出ですね。1933年からブランドが続いているということで、非常に古株なのです。

 ちなみに「COOL」ではなく「KOOL」とするブランドネームについては諸説あり、今となっては特にメーカーも何とは言っていないようですが、私的には形容詞である「COOL」を使用することが許されない中でのユーモアという謂れが最も信憑性も高いように思いますね。

 ほぼフィルターの中央に配置されたカプセルは、きちんとマーカーが配されているため、潰す際にも困りません。フィルターチップのデザインとしては、非常にスッキリとしたシンプルなデザインとなっていますが、下手に洒落っ気を狙っていないため受け入れやすいデザインであると思われます。このくらいが、ちょうど良いかも。

 仕様としては、空気穴はカプセルよりも奥に小さなものが1列で配されていますが、指の下に隠れやすいポジションなので要注意です。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、意外にも「穏やか」といった印象が随所に散りばめられているような味わいの煙草となっているのです。

 まず、シガレットの香りですが、シガレット本体からは特にスペアミントの香りがするわけではなく、極々普通な青臭さに目立つメンソールシガレットらしい香りがします。カプセルを潰してみると、そこでようやく「歯みがき粉」のような甘味を含め清涼感が感じられるため、スカイミントなるフレーバーはカプセルに依存するように仕上げられているのかも知れません。

 カプセルを潰して喫する喫味の方は、Tar8mgのミックスと比べると謳い文句の「スカイミント」なるカプセルフレーバーは控え目に感じられるものの、やはりスペアミントの爽やかでありながら甘味を感じるメンソールテイストが特徴的となっていますね。全体的に清涼感も程好く穏やかな印象といった程度に落とし込まれていて、比較的スカイミントフレーバーも穏やかということも相まり、Tar5mgのメンソールシガレットにしてはボディも肉厚な印象だったりします。

 Tar8mgと比べれば、それはライト化により空気量も増しているためにパンチには欠いていますが、決して「スカスカ」といった印象は無く中々に吸い応えも高め。強メンソールによる「刺激的な清涼感」で吸い応えを演出している最近の新手なメンソールシガレットとは異なり、全体的に何が突出して引っ込むようなピーキー感も無く、バランス良く全ての要素が呈される様は、親しみやすく飽きの来ない味わいとなっているのです。

 メンソールシガレットであり、さらにはフレーバーカプセル搭載であるにも関わらず、意外にも「煙草感」を強く感じさせてくれる喫味は予想と裏腹ながら良い感じですね。控え目ながら確かに感じられる「歯みがき粉」のようなスカイミントフレーバーも、程好くキャラクターを付加していて楽しみやすいですし。

 総じて、Tar8mgのミックスもバランスの良い全体像で個性がありながら吸いやすい煙草でしたが、そこから「パワー感」を抑えて、より穏やかな味わいに落とし込んだような煙草です。長いこと持続的に愛飲するなら、このTar5mgの方が分が良いかも知れませんね。

 たまにとスペアミント感の溢れるメンソールテイストを楽しみたいのであれば、やや物足りなさは否めないので、Tar8mgを選べば良いのではないかと。中々に、タールバリエーションながら住み分けのハッキリとした、選び甲斐のあるバリエーションなのでした。

 ちなみに、カプセルを潰さないと、そのまんまカプセルフレーバーを差し引いたようなスタンダードなメンソールテイストとなります。この場合はスペアミント感は全く無いので、どうやらカプセルのみにスペアミント要素が盛り込まれているようですね。かなりローファイなメンソール感が、何気に良い感じです。

 ボディもTar5mgメンソールシガレットにしては比較的しっかりとしていて、ほんのりとした王道的メンソールシガレットらしい甘味に、青臭さと苦味の微量な指し色が素敵な何とも素朴なメンソールシガレットなのです。やや酸味は感じられますが、特に気に障るということもない程度ですし、これが意外とツボだったりなんだり。カプセルを潰さない吸い方も、アリかも知れません。

 比べると、カプセルを潰しても潰さなくても、どことなく「セピアカラー」みたいな情緒を感じさせてくれる、良きメンソールシガレットなのでした。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar5mg Nicotine0.4mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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