Lucky Strike FK を吸ってみた

ラッキーストライクジェー・ピー・エス・FK の喫煙感想

 アメリカンな煙草の代表格。紙巻「ラッキーストライク」を吸ってみた。


銘柄概要

 マールボロと並び、洋モクとして非常に有名なラッキーストライク。そのラッキーストライクのソフトパック版なのです。

 アメリカにおけるゴールドラッシュ時代のスラングが元ネタとなっているラッキーストライクは、ブランドそのものこそ100年以上の歴史を持つ非常に古株な銘柄です。しかしながら、その知名度のわりには日本において今一つ奮いきっていないブランドのようにも思えますよね。

 ちなみに、現在の取り扱いはケントなどを擁するブリティッシュアメリカンタバコとなっています。当初は噛み煙草やパイプ煙草などから始まったというラッキーストライクは、世界大戦中に両切りシガレットが配給品として充てられていたりなど、中々に歴史を感じさせるエピソードがてんこ盛りのブランドなのです。

 とにかく、ラッキーストライクを語れば、必ずと言って良いほどに「アメリカ・戦争」という時代背景が見えてくる、何とも趣のある銘柄です。その点はゴロワーズなどといたったフランスの有名銘柄と似ていて、そのアメリカ版とでも言ったところでしょう。

 ただし、これも時代でしょうか。ラッキーストライクにクールにケントなど、極一部を除いて現在のブリティッシュアメリカンタバコの製品は韓国製となっています。供給効率を鑑みれば当然の流れでもありますが、このメーカーの煙草はアメリカへの憧憬的ロマンを覚えさせやすい銘柄ばかりということもありますよね。物の良し悪しとは別に少し複雑な気持ちは否めないという方も多いのではないでしょうか。

 彼はアメリカ代表であることを多く語っていますね。さり気なくブルズアイのロゴに記されている「IT'S TOASTED」は、ラッキーストライクの味わいにおける個性をアピールしています。

 そして、そこそこのバリエーションを展開するラッキーストライクですが、ソフトパック製品ではデザインの下地に淡いストライプが入っていますね。現行のボックスパッケージには無い、ソフトパックのみの個性となっているのです。

 ソフトパックならではの封緘紙も、中々に良い味を出しているのです。この濁ったようなブルーカラーが、何とも言えないマッチングで素敵ですね。全身で野暮ったさを打ち出しているあたりが、非常にラッキーストライクらしいと思います。

 また、このソフトパックのラッキーストライクは題の通りに「ラッキーストライク・FK」という製品名となっています。その「FK」というのは「Filter King Size Cigarettes:フィルター付きキングサイズシガレット」の略記であり、この製品が発売した当時はフィルターの付いていない両切りの「ラッキーストライク」が日本でもラインナップされていたために区別する必要があったのですね。

 もはや、今となっては馴染みも浅くなってしまった両切りのラッキーストライクですが、それは意外や2003年までは日本でも販売が続いていたそうです。あと数年、早く生まれていれば楽しめたのになぁ。

 特に空気穴を施さないコルク柄のフィルターチップと、かすれ気味のインクで巻紙にスタンプを一発。それは最早「あの人、絶対に古株よね」と、そう言わんばかりのシガレットデザインなのです。

 ただし、しっかりとフィルターにはチャコールを使用しています。こればかりは現代的ニーズが優先ですね。

 また、以前は100'sもラインナップされていたそうですが、そちらは人気を得られなかったのか既に廃止となっています。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、私的には非常に落ち着く味わいのたばこなのです。

 とりあえず、シガレットの香りは非常に穏やかなものですね。ほんのりと煙草葉の青臭さも感じられる、アメリカンブレンドながら香料の存在感は大したこともない香りとなっています。

 それこそ、他社競合となるマールボロなどの方がシガレットの香りが強いと思えるところでしょう。これもBATの製品らしいというのか、あまりシガレットの香りを楽しむという向きではないかも知れませんね。

 喫味の方も、多くの銘柄と比べれば非常に穏やかと思える味わいとなっています。それと言うのも、高めのタール数値のわりには喫煙時の香りが控えめとなっているからです。

 何と言うのかな、どちらかと言うと喫煙時よりも喫煙後の余韻の方が心地の良い香りを体感することが出来ます。ほんのりと煙草らしい王道とも思える香ばしさが、ふわっと残りますから。

 また、喫煙時は意外にもキック感のようなものが感じられますね。全体的には非常に軽快な質感の吸い心地なのですが、からっと乾いたような質感が独特と思えるパンチの煙草ではないでしょうか。やや淡白な全体像と相まって、中々に個性的なバランスの仕上がりなのです。

 さらには、あっという間に燃え進む燃焼の速さも印象的です。ぼさっとしていると、特に風が吹く屋外では口を付けずとも異様な速さで燃え進みます。これが先ほどの軽快な吸い心地と相まって、かなり一服を迅速な印象にしているのですね。

 総じて、It's Toastedという文句は、確かに乾いたような軽い質感と素朴な味わいにて再現されているのかなとは思います。しかしながら、全体的には分かりやすい面白味こそありません。本当に素朴を地で行くような味わいが、ほっこりとさせてくれるような優しい煙草なのです。

 ヤニ臭くもあり、酸味や苦味もあり、素朴ながら甘味もあり、そして質感は軽快と、かなり古典的なシガレットと思える味わいが良い感じなのですよね。

 私的には、初めて喫した煙草がラッキーストライクとカールトンということもあり、この煙草は非常に落ち着くものです。それは好きな嫌いの範疇ではなく、正に「しっくりくる」と言ったところでしょう。

 ただし、現在の煙草の中では、かなり淡白な味わいの煙草だなと思うことも、また事実なのです。そこがまた「つまらなさ」でもあり、同時に「奥深さ」でもある素敵な煙草ですね。

 私としては「馴染み深さ」が素敵な煙草なのでした。

 ただ、まぁ、価格と燃える速さにより、コストパフォーマンスは非常に悪いと思われます。

 今の煙草市場では、それこそ没個性が個性として輝くような煙草なのですかね。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar11mg Nicotine1.0mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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