Vibes を吸ってみた

バイブス(旧:バイブ) の喫煙感想

 かなり謎多きシガレットブランドであるバイブスのシガレット。紙巻「バイブス(旧:バイブ)」を吸ってみた。


銘柄概要

 それなりに国内販売歴も長いバイブスという煙草は、アークローヤルやフロイドで御馴染みの日辰貿易が国内代理を務めるブランドですね。真っ黒なシガレットに甘い甘味料が塗付されたフィルターチップといった特徴の他に、トロピカルフルーツミックスというフレーバーが特徴となっているシガレットなのです。

 ちなみに、バイブスはオランダのブランドであるようです。オランダでブラックデビルと似たような黒いシガレットや特徴的なフレーバーなどから、一見するとHeupink & Bloemen Tabak B.V.のブランドのようにも思えますが、その実は異なるようです。

 このバイブスは、オランダの西部は北ホラント州ウェイデメレンのコンテンフフに拠点を置く製造会社である「J.N.T.C. Trompenburg BV」による煙草らしいのです。そのJ.N.T.C.というのは「Johannes Nieboer Tobacco Company」の略記だそうで、どうやら国内流通しているものだと、同様に日辰貿易が取り扱っているジブやバージニアスプリングなども同社によるブランドのようですね。

 ただし、恐らくはTrompenburg Holldingsとしてホールディングス化されていて、煙草や喫煙具の他にも児童向け製菓などといった様々な事業を展開しているようなのです。時代か国柄か企業の都合かは分からないものの、こと煙草に関しては情報も少なめのようです。

 また、あまり詳細は分からないのですが、このバイブスに限っては商標を「Vibes Tobacco Company」という会社が所有しているそうです。OEMは行っていないそうなので、やはり自前の製造と販売が分社化されている感じでしょうか。

 まぁ、何はともあれ、ちょっと変わったオランダのトロピカルフルーツミックスなフレーバーの真っ黒なシガレットという認識で十二分なのでしょう。先の通りで、かなり地味な存在ながら国内販売の歴も長いという点から、中々に人気の高さも窺えますしね。

 分かりやすく「FLAVOURED CIGARETTES」と表記されたパッケージは、夜の街のネオン管をイメージさせるようなデザインのパッケージです。どこかカラオケ映像のような雰囲気を持ち合わせているように思えます。ぱっと見で少し変わった煙草だと分かるような見てくれには、何だかワクワクしてしまうのではないでしょうか。

 ちなみに、さり気なく「EXPERIENCE THESE CITY VIBES」と表記されていますが、どうやら国外には「COUNTRY VIBES」と表記されているバリエーションも存在するようです。そちらは打って変わり、ネオンイメージの部分が長閑な風景に差し替えられているようですね。

 日本国内だとバイブスは長らく単品でラインナップが完結するブランドとなっていますが、そちらのバリエーションも気になってしまいます。Special Sparklingと謳うCity Vibesなバイブスに対して、Country Vibesなバイブス(カントリー・バイブス)の方はSweet Sparklingと謳っているようなので、味・香りにも何かしらの違いはあるのかと。

 ちなみに、EXPERIENCE THESE CITY VIBESは「この街のバイブを感じる」と訳すと、何だか下ネタみたいですね。ざっくりと「大都会の雰囲気を味わう」といったような意味でしょう。

 そういえば、いつぞやからか、さり気なく銘柄名が「バイブ」から「バイブス」へ変更されています。国内での旧製品名は「バイブ」ですが、現在は「バイブス」となっていて、これは名称変更のみのため味・香りといった内容に変更は無いとのことです。

 そして、そのVibes:バイブスという言葉ですが、この煙草に限っては「City Vibes」と表現されていることから察するに、いわゆる「雰囲気」というような意味なのかと思います。そもそもが米国のスラングなので「~な感じ」の方がマッチするかとは思いますが、意味はさて置き、その場その時の気分や雰囲気で使用するような言葉なのだと思います。

 それこそ、ここ最近になって日本人も使い始めたような印象が強い言葉です。言葉の認知度が高まったことにより、この煙草も何となく名称変更されたのかも知れませんね。

 まぁ、あまり日本人の使うバイブスという言葉は、私的には何となく好きではないのです。わりと多くの日本人が口にするライブやフェスという言葉などと同様に、何だか訛り言葉のように思えるイントネーションの付け方も、ちょっとだけ受け入れ難し。

 日本人はVibesを「By ブス」と発音するようです。フェスはケツではなくチェスですし、ライブは乱歩であって散歩ではないと思います。語尾が上がる方が場の雰囲気も盛り上がるのは分かりますが、それこそ何だかBad Vibeです。

 パッケージサイドには、20 CLASS A CIGARETTESという表記とともに、VIBES TOBACCO COMPANY THE NETHERLANDSと記されています。INFO VIBES@JNTC.NLとも記されていますが、それらしい情報はインターネットなどには掲載されていないので、あくまでメーカーに問い合わせろということなのかも知れません。

 また、製造はMADE IN E.U.(MADE IN THE E.U.)となっていますが、きっとEU加盟国の何処かで作られているのでしょう。この表記に関しては加盟国の間でも何やかんやの賛否があったらしいのですが、今では特に珍しくもない表示となりましたね。

 まぁ、感覚的に言うのなら最近よく話題になったMADE IN PRC (=MADE IN CHINA)と似たような感じですよね。はぐらかすことにより得をする人がいるというのは、ある意味で表示の常なのです。

 ちなみに、反対側にはタール数値や問い合わせ先が記されています。電話番号は代理店である日辰貿易の煙草専用窓口のようです。よくよく考えたら日辰貿易は化成品やケミカル系を主に扱う貿易商社なので、煙草に関しては窓口が別となっているのですね。

 中包装紙は一般的な銀紙で、やや引っこ抜きにくい印象が独特のチープ感を覚えさせてくれるのです。巻紙からフィルターチップまで真っ黒なシガレットは、ゴールドの意匠と相まってブラックデビルとキャラクターが非常に似通っていますね。

 巻紙にスタンプされているvibesのロゴマークは、かすれているので、これまたチープな印象に拍車をかけているような気もします。

 空気穴は独特な感じとなっていて、プレーンフィルターという仕様となっています。

 何となくブラックデビル・ココナッツミルクのシガレットと比較してみましたが、ほんと、そっくりですね。

 オランダという国では、こういうのはスタンダードなのでしょうか。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、やはり見た目の印象とともにブラックデビルのようなキャラクターの煙草と思えたのです。

 まず、シガレットの香りなのですが、かなりブラックデビルのココナッツミルクと似通った香りとなっていますね。とっても甘い香りのシガレットとなっています。

 気になるブラックデビル・ココナッツミルクとの違いですが、それと比べるとココナッツミルクのようなオイリーな印象はありません。それと引き換えというような感じに、確かにトロピカルフルーツと謳うようにフルーツの酸のようなニュアンスを感じさせる香りとなっていますね。

 あと、このバイブスのシガレットはブラックデビル・ココナッツミルクとは異なり、どこかサルミアッキを彷彿させる香りも感じられます。あのゴム製品っぽい香りというか、カー用品店のタイヤコーナーを思わせん独特の香りですね。

 しかしながら、おおむねはブラックデビル・ココナッツミルクと大きな印象の違いもないだろう香りであることは間違いもありません。

 そして喫味の方ですが、こちらも非常にブラックデビル・ココナッツミルクと似通った味わいとなっています。とても甘い香りが特徴のシガレットと言って間違いはないでしょう。

 ただし、当たり前ですが、厳密にはブラックデビルのココナッツミルクとは異なる味わいとなっているのです。実のところ、ブラックデビルのココナッツミルクは甘い香りが非常に特徴的ではありますが、いざ喫してみると味わいにおける甘さは控えめなのですね。味わいそのものは意外と巻紙による酸が目立つ、グレードの低いシガレットらしい味わいとなっています。

 一方でバイブスは、甘い香りと同様に喫する味わいも甘さに溢れるものとなっているのです。この点で言えば、ブラックデビルでもココナッツミルクよりもチョコレートの方に似ていると言えるかも知れませんね。シガレットの香りと同様に少しだけバナナチップとも思える甘いフルーツのようなニュアンスを含みますが、おおむねブラックデビルを思わせるだろう甘さが味わいの特徴となっています。

 さらには、妙に巻紙によると思われる酸味が主張してくる点も非常にブラックデビルと似ています。ブラックデビルよりもスムースな印象を覚える気もしますが、どこかブラックデビルよりも派手ながら上手に仕上げられているシガレットといったところでしょうか。

 ざっくりと比較するのなら、ブラックデビル・ココナッツミルクよりも香りはオイリー感が控えめな代わりに少しだけフルーティー感があり、味・香りともに一体感のある甘さがバイブスの特徴といったところでしょうか。

 あと、フィルターチップの甘味はブラックデビル・ココナッツミルクには施されていない仕様なので単純比較は出来ませんが、それこそブラックデビル・チョコレートなどのチップの甘味と比べると非常に甘さの強い甘味となっていますね。舐めると、がっつりチャイナマーブルのように甘いのです。

 ただ、この強い甘味も、思いのほか持続性は低いといった印象です。持続性はブラックデビルで使用されている甘味の方が高いように思えますし、最後まで甘味を感じるのはブラックデビルの甘味ですね。バイブスの甘味は喫煙を終える頃には唇への残留も少ない印象で、良く言うのならガッツリ甘く後には引かないといった感じでしょう。

 紫煙の香りは、ブラックデビルと比べると甘さに一辺倒にならず香ばしさも感じさせるところですが、まぁ、この手の背比べはドングリのような感じです。詰まるところ、特徴的なまでに甘い香りですね。

 ちなみに、喫煙後にシガレットを持っていた指に鼻をあててみると、ブラックデビルと区別はつかないだろうことになっています。心なしかブラックデビルの時よりも甘さは控えめにヤニの香りが強い気がしなくもないですね。

 総じて、気を付ければ細かな違いは感じられるものの、おおよそブラックデビルのココナッツミルクやチョコレートなどと似たキャラクターの煙草と言えるでしょう。しかしながら、その香りに甘さが偏るココナッツミルクよりも味・香りともに甘い煙草となっているので、バランスは良く喫しやすいと思えるかも知れません。

 ということで、やや味と香りにアンバランスな印象を覚えやすいブラックデビル・ココナッツミルクとは異なり、味・香りともに甘いフレーバーを楽しめる点がバイブスの特徴ですね。その甘さのキャラクターも両者では印象が非常に似通っているももの、ブラックデビルのココナッツミルクと比べてバイブスは香りにオイリーな印象も控えめです。

 そして、その代わりにバイブスでは少しのフルーティー感が甘さ全開な味わいに適度な輪郭を付与しているので、特徴的な味わいながら総合的にバランスは良いと思えるのです。甘さを期待するのなら、ブラックデビルのココナッツミルクよりも期待が出来るかと思います。

 とまぁ、何だかんだですが。まぁ、おおよそブラックデビルと同じような煙草ですよね。あまり違いだ何だを気にして喫するのも疲れるので、ざっくりと「こうゆう感じのやつね」と楽しむのが良いことかも知れません。

 実際のところ、私は「バイブスって気になるけれど、どんな煙草?」と訊かれたら、細かいことは省略して「ブラックデビル」と答えますから。おおよそバイブスが気になる頃にはブラックデビルを体験済みであることが多いでしょうし、何かに欠いても的確な説明と思いますしね。

 これらを同一視することに癇癪を起こす方は、きっと肩こりの酷い人なのでしょう。

 2018年にブラックデビルは品質問題を理由として国内市場から姿を消したわけですが、甘いフレーバーが特徴となっているブラックデビルを好いていた方なら、このバイブスも必ず気に入るかと思います。

 難点は、ブラックデビルよりも、さらに入手が面倒であることでしょうか。代理店の日辰貿易は大手とは全く異なる路線というか、あまりコンビニなどの量販店に注力していない様子ですからね。よほど熱心なコンビニオーナーの知り合いでもいない限り、煙草屋さんで買うしかなさそうですね。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar9mg Nicotine0.7mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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