Очаково Секрет Пивовара を飲んでみた

飲酒に関する内容を含みます



 概要:ビール「オチャコボ・シークレット・オブ・ブルーワー」のレビュー

Очаково Секрет Пивовара

 ロシアは「オチャコボ」というブランドのシークレットと謳う趣に溢れるビール。ビール「オチャコボ・シークレット・オブ・ブルーワー」を飲んでみた。


 ロシアの「オチャコボ」という大手ビールメーカーの製品です。その名も「シークレット オブ ブルーワー」と銘打たれていますが、これは例によって日本で売るための商品名となっています。製品について調べたい場合は「Очаково Секрет Пивовара」というオリジナルの商品名を用いた方が良い情報を得られるかも知れません。

 ざっくりと「オチャコボ・シークレット・オブ・ブルーワー」について説明すると、このビールは麦芽(モルト)を100%使用しているため、ここ日本でも確かな「ビール」として売ることが出来るビールとなっています。むしろ麦芽100%なので「完全無欠のビール」と言えるでしょう。ちなみに、日本で「ビール」として売るには「麦芽を67%以上使用すること」が条件となっていて、67%未満のものは「発泡酒」となるようです。日本で「ビール」として売られているスーパードライやキリンラガーなんかは、麦芽と併せて副原料としてトウモロコシやデンプンなどを使用していたりで、これは主に甘味を補ったり発酵を助長するためだとか。

 国産の有名どころで副原料を使用しない麦芽100%のビールというと、それは一番搾りやエビスにプレミアムモルツといったところでしょう。高級志向に多い印象です。

 そして、このビールはロシアのビールですが、その内容はドイツで作られていたビール。それも1516年にドイツで施行されていたビールに関する法律に準拠して作られていた古典的ドイツビールを手本に作られているのだとか。どうやら、ブランドにもなっている「オチャコボ」というのは、古くにドイツでビール醸造を学びロシアへ技術を持ち帰った人物のようです。ロシアのオチャコボとドイツのビールというのは、切っても切れない深い縁があるのかも知れませんね。

Очаково Секрет Пивовара

 そんなこんなで、この特徴的なパッケージデザインは「ドイツビールがルーツである」ということと「何世紀も昔の伝統の再現」という製品特徴をアピールしているデザインなのだとか。見慣れた文字が見慣れぬかたちで用いられているパッケージは、何とも異国情緒のあふれる素敵なパッケージデザインなのです。

 具体的に説明すると、ラベルのイラストはバックグラウンドに中世ドイツの街並みを配していますね。フォアグラウンドには明るい色の大きなステンドグラス窓が配されていますが、これは古いバイエルンの醸造所だそうです。そこに伝統的なバイエルンドレスを着て大きなセラミックのビールジョッキを持つ人物がデザインされています。これらは「新しいことと古き良きことの融合」という製品特性を表現しているそうな。

 残念ながら、おおよその日本人からしてみれば「全面的に古典」といった印象しか受けないことは否めませんが、しっかりと意味のあるデザインなのですね。製品名である「シークレット・オブ・ブルーワー(醸造する者の秘密)」という意味深な言葉とともに、何とも趣あるデザインは素敵そのもの。日本のビール製品には無いデザインのセンスが一興なのです。

Очаково Секрет Пивовара

 国内販売向けの表示ラベルには、輸入元によるものと思われる親切な製品説明が記載されているのです。原材料も「麦芽・ホップ」と潔いものとなっていて、コーンやスターチといった副原料の表記はありません。ドイツの古典ビールに倣っているということなので、流石は「ビール」といったところでしょうか。

 ちなみに、製品表示の説明文は「製品名の由来のとおり、職人の卓越した製造技術を結集して丁寧に醸造されており、心地よい苦味とホップの豊かな芳香が特長的なビールです。ウォッカ大国ロシアでも人気のビールです。」となっています。これぞ王道と言わんばかりな印象を覚えさせ、ロシア人もビールを進んで楽しむ様を思い起こさせる文面ですね。日本酒大国の日本ですらビール大国


味・香りについて感想



 このビールは、確かに謳い文句の通りと感じる点と、それは違うのではという点があるといったビールとなっています。

 まず、オチャコボのスタンダードビールであると思われる「オチャコボ・オリジナル(Очаково Оригинальное)」と比べても違いは明白で、そのオリジナルがクリアで軽快な苦みも少なめのライトなビールであったのに対し、このシークレットオブブルーワーはホップの苦味が適度に心地の良い味わいのビールとなっています。しかしながら、軽い飲み心地は同じくとなっていて非常に軽快なビールとなっていますね。ホップの苦みは確かながら、ホップの香りは控え目となっているため、香りが弱めであるバランス感に軽快さを覚えるような味わいとなっているのです。

 これは香りよりも味わいに重きを置いたような印象のビールかな。日本のビールは香りも味わいも軽めに仕上げるか、もしくは香りを謳い文句に重きとするものが多いような気がしますので、このビールは日本のビールには無いようなバランス感ではないでしょうか。しっかりとした苦味の味わいでガツンと迫力を演出していながら、香りが控え目であるために後に引かず次へ次へと口を運べてしまいます。苦みは確かながら、あっさりとした苦味なので残留も少ないですし、とっても飲みやすい苦味系なのです。

 4.5%という少し低めのアルコール度数も軽快な飲み心地に拍車を掛けているのでしょう。

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 しっかりとした苦味のビールですが、後味が後を引かず香りも控え目ということもあってか、私的に肴もアッサリとしたものが良いかなと思いました。もうね、だしの素で炊いた芯が少し残るくらいに硬めの米飯がイイよ。クピッとビールを一口して、薄く味付きの米を一口。たまらんのです。キノコと一緒に炊いてオコゲで最高。

 総じて、オチャコボ・オリジナルは食事とともに楽しみたいと思ったビールでしたが、このシークレット・オブ・ブルーワーは晩酌として肴を充てて楽しみたいビールなのでした。

 しっかりとした苦味も決して強いわけではないのですが、あまり苦味が得意ではない方なんかはオリジナルの方が良いかも知れませんね。


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