Gauloises Blondes Lights を吸ってみた

ゴロワーズ・ブロンド・ライト の喫煙感想

 フランスのアメリカンブレンドはライトバリエーションのTar6mg。紙巻「ゴロワーズ・ブロンド・ライト」を吸ってみた。


銘柄概要

 色黒な煙草葉を使用した黒煙草に対して、比べて明るい色の煙草葉を使用していることから銘柄に「ブロンド」と冠するシリーズのライトバリエーションです。ゴロワーズ・ブロンドがTar8mgであるのに対し、このブロンド・ライトはTar6mgとなっていますね。独特の味わいが特徴である黒煙草の代表銘柄として有名なゴロワーズですが、こちらのブロンドシリーズは現在で最も一般的とされる「アメリカンブレンド」を採用していることが特徴とのこと。

 ちなみに、そのアメリカンブレンドというのは煙草におけるブレンドの一種です。ふんだんな香料を使用して味わいを整えていたり、それに合わせて香料と相性の良いバーレー種をはじめ、バージニア種や少しのオリエント種と、あらゆる品種の煙草葉をブレンドして成されるレシピの総称となります。マールボロやラッキーストライクにメビウスやケントなどなど、多くの有名銘柄が該当するため、現在では最もポピュラーなブレンドとなっていますね。

 それと対となるようなブレンドはバージニアブレンドといったところでしょうか。こちらはアメリカンブレンドほどではないものの、次いで普及しているブレンドとなります。基本的にバージニア種のみで葉組が構成されていて、香料は控え目もしくは不使用であることが多いブレンドですね。単一のバージニア種で構成されることは珍しく、多くは産地の異なる様々なバージニア種を用いていて、アメリカンブレンドとはことなる味わいの華やかさが特徴なのです。高級志向な銘柄に多いブレンドでもあります。

 そして、それらに当てはまらないフランス古来のブレンドが「黒煙草」です。堆肥発酵させた色黒な煙草葉を使用する独特なブレンドですね。このゴロワーズの他にジタンというブランドなんかも有名な黒煙草ブランドだったりします。

 しかし、専売廃止によるアメリカンブレンドの台頭により黒煙草が劣勢となった今では、黒煙草ブランドもアメリカンブレンドの製品をラインナップすることは至極当然の流れです。そんな黒煙草ブランドのアメリカンブレンド製品こそが、このブロンドシリーズとなるわけですね。

 いやはや、世知辛さを象徴するようなシリーズに思えてくるのではないでしょうか。

 ゴロワーズブルーといわんばかりに青色を採用しているゴロワーズ・ブロンドとは打って変わり、このゴロワーズ・ブロンド・ライトは真っ赤なパッケージとなっていますね。パッケージの正面は「LIGHTS」と英語表記ですが、背面では「LEGERES」と仏語表記となっている点も特徴でしょう。

 ちなみに、ゴロワーズブロンドも同様に、正面では「FILTER」と英語表記ですが、背面では「FILTRE」と仏語表記となっています。

 パッケージ背面には「LiBERTÉ TOUJOURS」というフランス語がデザインされていますが、これは「Freedom Forever(自由よ永遠に)」という意味なのだとか。第二次世界大戦中にフランス兵が使っていたスローガンとのことで、中々に歴史を感じさせてくれるブランドなのですね。当時はゴロワーズを喫することで愛国心を表現したとか。

 フィルターチップはコルク柄を使用していたゴロワーズ・ブロンドとは異なり、ライトでは白色のチップが使用されています。それに合わせて装飾にも変化が見られ、かなり雰囲気の異なるシガレットデザインとなっているのです。空気穴は超極小が2列で配され、チャコールフィルターが使用されています。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、やや癖のあるアメリカンブレンドといった仕上がりとなっていて、単なるゴロワーズ・ブロンドのライトバリエーションには収まらない、中々の別個性を感じる煙草となっているのです。

 まずはシガレットの香りですが、中々に華やかな香りとなっています。もちろん、黒煙草の香りとは全く異なるのですが、多くのアメリカンブレンド製品とも少し毛色が異なる華やかさの香りですね。ややフルーティーにも思える華々しさは、どちらかと言うとバージニアブレンドの香りに近いかも知れません。穏やかな印象の香りであったゴロワーズ・ブロンドとも異なりを見せます。

 しかも、心なしか香りが落ち着くと黒煙草らしい香りが見え隠れするような点も一興なのです。あの魚介出汁のような香りね。確実に気のせいでしょうけれど。

 喫味の方は、なるほどアメリカンブレンドらしい口当たりの良さと甘く華やかな香り立ちが印象的な味わいです。確かにライトバリエーションらしく吸い心地は軽快なのですが、香りや味わいが濃いために吸い応えは上々となっています。これには非常にパワフルな印象さえ覚えてしまうほどです。これはゴロワーズ・ブロンドと比べるとボディこそ軽量化により軽快となっていますが、香り立ちという味わいの濃さに関しては、むしろ濃く感じるかも知れませんね。まるでライトバリエーションとは思えない、全くの別製品な感じを覚えさせてくれるでしょう。

 とりあえず、すごく分かりやすい味わいです。ライトなのにマイルドではない味わいは、非常に楽しみやすい分かりやすさがあります。小綺麗なのに少し野暮ったい印象も同時に覚えさせてくれる味わいは、正しくフランス人のようなといったところでしょうか。何というか「人間味に溢れる味わい」とでも言いたいところです。この少し野暮ったいながら、雑とはならない華やかな甘味が強い味わいこそ、この煙草の醍醐味ですね。しかも、濃いのに軽いというね。

 ゴロワーズ・ブロンドがフランスの雄大なブドウ畑を傍らに穏やかな気持ちを描写させる素朴な味わいと言うのなら、このブロンド・ライトはフランスの活気ある市街地で開かれるコレクションのようなアクティブ感を描写させる華やかな味わいです。両者は単なるタールバリエーションの域を超えた、それぞれの個性を確かに感じられる仕上がりに魅せてくれるのです。

 また、紫煙の香りは特に何がというわけでもありません。甘い香りが煙草らしいものですが、この甘さもゴロワーズ・ブロンドより強い印象かな。

 総じて、やや重厚な甘味や香ばしさが軽快なライト感で楽しめる、中々に妙で絢爛な味わいの仕上がりとなっています。一見は没個性的なようで実のところ個性的な味わいは、フランス銘柄のアメリカンブレンドならではといった感じ。ありふれたアメリカンブレンドだし、あえて選ばなくてもと思わせておきながら、非常に個性の分かりやすい味わいが印象的なのです。国内で出回る多くのローカライズされたメリカンブレンド洋モクとは一味違う、中々に個性的なアメリカンブレンドシガレットなのでした。

 私的には、青色のゴロワーズ・ブロンドよりも個性的と思える味わいの煙草です。それは黒煙草であるカポラルやレジュールにも負けないくらい。同じくTar6mgのフレンチアメリカンなジタン・ブロンドと比べても、渋く嫌な感じが少ないために喫しやすい印象です。フランスのブロンド系では最も楽しみ甲斐があるのではないでしょうか。

 ちなみに、火を点けずに吸うと、何だかホームセンターや家具屋が頭に過るのは気のせいでしょうか。不思議だなぁ。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar6mg Nicotine0.6mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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