喫煙に関する内容を含みます
概要:紙巻「ゴールデンバット(新仕様:小包装ありフィルター付き)」の喫煙感想
大きな仕様変更を実施した長い歴史を有する煙草。紙巻「ゴールデンバット(新仕様:小包装ありフィルター付き)」を吸ってみた。
以前までのゴールデンバットはフィルターの無い両切り仕様で売られていた、日本たばこ産業の非常に古株な煙草です。そんなゴールデンバットは、数ある煙草製品の中でも「旧三級品」という特殊なカテゴリーに属する煙草であることで有名ですね。等級の低い煙草葉を使用することなどにより贅沢品としてのランクが下がるため、特別税率が適用されて販売価格が低いことが特徴のカテゴリーなのです。
そして、その旧三級品に適用されていた特別税率が2016年に廃止と決定されたことも、愛煙家の記憶には新しいことかと思います。特別税率の廃止が決定したことにより、安煙草とも呼ばれていた旧三級品は段階的に値上がりすることが決まりました。その値上げの第一段が実施されたことに際して、旧三級品は安煙草なりに簡素であった仕様も大幅にリニューアルされることとなったわけですね。
特に、このゴールデンバットやしんせいといった両切り仕様の旧三級品は、かなり大幅なリニューアルとなりました。それというのも、これらは今までの両切り仕様を改めてフィルター付きシガレットへ様変わりしたのです。メーカーは「味や香りにおいては旧来のキャラクターを踏襲している」といったアナウンスを発していますが、フィルター付きとなったことによりタール数値も旧来のTar18mgからTar15mgへと変わっています。全く同じとは相成らないだろうことも容易に察することが出来ますね。
また、それまでの全ての旧三級品はパックにビニール外装を施さない簡素な包装形態で販売されていましたが、このリニューアルを機にビニール外装も施されるようになりました。特別税率の廃止により値上がりが決定している手前で、やはりメーカーは並々にクオリティを一般的なラインまで昇格して提供したいのでしょう。
あくまで「価格が上がるから品質も良く」と、善意ではあるわけです。しかしながら、煙草は嗜好品であるがゆえに感じ方は人それぞれといったところかも知れませんね。
このように、仕様変更初期のパッケージではフィルター付きとなったことやTar15mgへ変更となった旨が一目で分かるよう目立つ告知が実施されています。タール数値は変更前との差も3mgと特別に大きなものではないのですが、両切りであったものがフィルター付きとなると、それは中々に大きな様変わりですからね。
今までは裸が当たり前であった銘柄であるだけに、オープンテープを設けたビニール外装が施されている様は非常に新鮮な印象を覚えさせてくれますね。画像のように旧仕様のパッケージと比べてみると、新たにビニール外装が加わったためにパッケージサイドへプラフィルムの表示が付け加えられているのです。それに伴いバーコード記載面のデザインというのか、表示レイアウトは少しだけ変更されています。
あと、些細のことに気が付いたのですが、新旧ではパッケージに記載されているメーカー連絡先の電話番号が変更されているようですね。旧記載の03から始まる東京都の番号から、新記載は0120から始まるフリーダイヤルへ変更されているのです。
ちなみに、先の通りに仕様変更の告知や表示系のレイアウトが変更されてはいるものの、大まかなデザインとしては今までのゴールデンバットと変わりはありません。どことなくノスタルジーな雰囲気を漂わせる、まぼろし劇場な感じの素敵なデザインなのです。これで「SWEET & MILD」と謳っているのだから、中々に感慨も深いですよね。
今までのゴールデンバットには無かったオープンテープに手を掛けて、ビニール外装を取り除けば新境地も手前までです。中包装紙を開けば現れるも茶色ではなく白い光景であり、これが新鮮というよりも見慣れぬゆえに異様といったところ。
その新規要素であるフィルターはというと、特にチャコールを使用するでもない普通のプレーンフィルターとなっています。相変わらずにレギュラーサイズのシガレットということもあり、エコーやホープなどと同じく短めのフィルターですね。ロゴを配すのみで空気穴も施されていないチップデザインとともに、至ってシンプルなものなのです。
味・香りについて感想
この煙草は、大きな仕様変更を実施しながらも、物の見事にゴールデンバットなキャラクターを引き継いだ煙草となっているのです。
まず、シガレットの香りですが、これは何も変わり無くとゴールデンバットらしい強い甘さと少しの青臭さが特徴的な香りとなっています。ただし、やはりビニール外装の効果は抜群なのか、旧来の簡素な包装形態であったゴールデンバットと比べると香りの量感は非常に豊かと感じるはずです。恐らくは、この量感こそが正しいゴールデンバットのシガレットの香りだったのかも知れませんが、ビニール外装さまさまといった感じでしょうか。
喫味の方も、なるほど確かにゴールデンバットらしい味わいとなっていますね。それらしい野暮ったさは残されながらもフィルターが付いてタール数値は下がりましたので、やはり相応にマイルドな口当たりの良い質感とはなりました。しかしながら、味わいの大筋としては大きな様変わりも無いようです。むしろ、フィルターが付いたことにより両切りの頃のような刺々しい角も丸くなりましたし、それでいてボディの量感は相変わらず豊かに仕上がっていますので、中々に良い感じなのです。
というか、刺々しさが無くなりながらも豊かな量感をキープしているため、この新ゴールデンバットの方が吸い心地には豊かな印象すら覚えさせてくれますね。両切りの頃はダイレクトな質感も吸い応えのファクターとなっていたように思えますし、その両切りの頃より雑味の存在が薄らいでいるため、より香りを楽しみやすい味わいには昇華されているとすら思えるのです。
これは私的には大いにアリといったところです。確かに、両切りの旧ゴールデンバットを上手に喫して楽しみ尽くしていた方には蛇足とも言える仕様変更なのかも知れませんが、そう悪いものではないのではないでしょうか。そもそも、ゴールデンバットらしい味わいは大いに残されています。それは質感だけが上質となり、その上質となった質感により香りを意識しやすい味わいやすさを持ち合わせるに至っていますから。
強いて言うなら、両切りの頃とは比べ物にならないくらい口当たりが良くなっています。それにより両切りならではのダイレクト感は完全に失せていて、それが転じるように華々しさを欠いているような印象は覚えなくもありません。ただし、お世辞にも旧来のゴールデンバットの華々しさは現代的嗜好とは言いがたい野暮ったさを含むものでもあったため、やはり同じ豊かな味わいなら内容としては新ゴールデンバットの方が上手な印象なのです。
総じて、しっかりとゴールデンバットらしい味わいは見事に丸ごと残されながらも、質感のみをブラッシュアップした正統派ゴールデンバットです。両切り仕様のゴールデンバットが消滅したことに一抹の虚しさは無きにしもあらずですが、こちらも確かなゴールデンバットとして、より広くに楽しんでもらいたい煙草なのでした。
何より、フィルター付きというのはフレンドリーさにおいて大きな躍進なのかと。私的には質感の向上具合にも驚きでしたが、それなのに味わいはゴールデンバットであると確かに思う点こそ驚愕しましたね。日本たばこ産業のブレンダーさんのゴールデンバットに対する心意気を、しかと受け止めた次第でございます。成し得る技量も然ることながら、確かなゴールデンバットに対する想いを感じる仕様変更なのでした。
いやはや、ゴールデンバットはフィルターの有り無し程度ではキャラクターもぶれませんな。
ちなみに、ゴールデンバットは他のブランドの製造時に余った葉を使用しているということで、その味わいはロットによりマチマチであることは周知かと思われます。私は今回の記事のために両切りの旧仕様とフィルター付きの新仕様を用意しました。その内の両切りの方が確実にピースやキャスターを思わせる香りであったのに対して、新ゴールデンバットは何だか特にコレとはイマイチよく分からなかったのです。これは、一応は念のため報告しておきますね。
あぁ、それにしても両切りのゴールデンバットもパンチがあって良いものです。少し吸い疲れてしまいますが、何とも捨てがたいものです。しっかりと記憶に留めておきましょう。
そうそう。新ゴールデンバットのフィルターを取り外して喫してみたところ、やはり旧ゴールデンバットの味わいとは少し異なり味わいが薄めで嫌な味わいが目立つ印象を覚えました。仕様変更にあたりブレンドも調整されていると思われますので、ブレンダーさんの意を汲み新ゴールデンバットはフィルター付きで楽しむこととしましょう。
これは私感で、嗜好品の楽しみ方は当人が楽しければ何でも良いのですが、私はフィルター付きで完成しているシガレットのフィルターを取り除いて楽しむ人は好きではありません。あたかも「フィルターが無い方が正義」とするのなら、それは尚のこと好きではないのです。それぞれの銘柄に携わる職人の意を汲まずに、煙草は楽しむ余地も無いと思うからです。好奇心の働きは大好きですけれどね。
Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar15mg Nicotine1.0mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol
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