バイクに関する内容の記事です
概要:WR250X「デルトラン・バッテリーテンダー」のレビュー
バッテリー充電器もバイク乗りにとっては重要なメンテナンス道具の一つですよね。取り分け、私のように走行機会が少なく走行時充電が不足しがちな乗り手にとっては、バッテリーの最重要メンテナンスである補充電は必須であります。そんな私は既にバッテリー充電器を持っているわけですが、この度に更なる利便性を求めて新たなバッテリー充電器を導入した次第でございます。
ということで、とっても便利そうなDeltran Battery Tender(デルトラン・バッテリーテンダー)というバッテリー充電器をWR250Xに装着して使用してみたので、その詳細とレビュー&インプレッションなのです。
▼バッテリーテンダー導入までの経緯
先の「エコピュア12」というバッテリー延命装置なる製品に関する記事(WR250X エルマシステムのエコピュア12装着)でも触れた通り、私はバイクに乗る機会も多い方ではないためにバッテリーを取り外して充電器で充電するという機会も多いのです。WR250Xの場合だと、シートを外してサイドカウルを外してバッテリーを取り外してと、バイクとしては特に何てこともない作業ながら地味に面倒を感じるものなのですよね。
そして、とあるツーリング企画を打ち合わせしていた時です。私の毎度の常套句ともなっていた「あぁ、面倒だけれどバッテリーを充電しなくては。」という呟きに対して、いつも付き合ってくれる御仁が「デルトランを使ってみたら?」と提案してくれたのです。私はバイク関連に疎いため、正直に「何ですか、それは?」と始めて色々と御教授くれたところ、何とも素晴らしそうな製品であると察したため、即購入。
とまぁ、こんな感じなのです。
▼バッテリーテンダーという製品
アメリカだかのDeltran:デルトランというメーカーがリリースしている製品で、製品名としては「Deltran Battery Tender Waterproof 800:デルトラン・バッテリーテンダー・ウォータープルーフ・800」というものです。このメーカーの製品は、ブランドを変えてハーレーダビッドソンやBMWなどもOEM販売しているというのだから、お墨付きという点に信頼性の高さも良きところでしょう。
また、製品名からも察する通り、この製品は防水仕様となっています。何故に個人向けバッテリー充電器で防水仕様を名に冠してまで謳うのかというと、それこそがバッテリーテンダーの最大の特徴とリンクしているからなのです。このバッテリーテンダーは一般的なバッテリー充電器のように使用することも出来ますが、車載しているバッテリーに専用コネクターを装着することで「バッテリーを取り外さず、さらにはシートやサイドカウルなどを取り外す手間も無くバッテリーを充電することが出来る」という、テンダーならぬワンダーな充電器なのです。
これは感覚的に言えば、コンセントからバイクにブスッとダイレクトにコードを繋げて充電するようなことが可能な製品なのですよ。走行時充電の機会が少ない私みたいなバイク乗りにとっては、何を取り外してバッテリーへアクセスという手間が省けるハッピーアイテムなのです。
ちなみに、ハーレーダビッドソンのブランドからも同じ機能を有する製品がOEMにてリリースされていますが、やはりハーレーブランドは価格設定もオリジナルより少し高価となっています。特にハーレーでブランドを統一したいという向きが無ければ、本家からリリースされているオリジナル製品を購入することが望ましいのですね。
▼製品を見てみる
外国製品ということもあり、パッケージには日本語の表示も見当たりませんね。ぱっと見では目立つWATERPROOFという表示により防水仕様であることが窺える他に、800mAの電流を使用して12Vバッテリーに対応していることも窺えます。外国製品ではありますが、入力は100Vacから200Vacまで対応しているとのことなので、日本の家庭用電源でも問題は無く使用が可能です。バイクを含む様々な乗り物のイラストから用途をバイクに限定しているわけではないということも窺えるのですが、先の通りにハーレーダビッドソンがOEM製品を流通させていることもあり取り分け日本ではバイク乗りに人気がある製品となっていますよね。
昔のアフェックスのエフェクターと同じように、何ともアメリカ製品らしいパッケージの中にはPCマウス程度の充電器の他にも幾つかの備品が同梱されています。充電器本体の他には、一般的な充電器と同じように使うためのワニ型クリップと当製品ならではの専用コネクターが同梱されているのです。他にも固定用のビスや取扱説明書も同梱されています。
ちなみに、オリジナルの取扱説明書というものは特に無くパッケージの背面にて扱い方などが英語で記されるのみとなっていますが、別紙で販売代理店か販売店によるものと思われる日本語で表記された取扱説明書も同梱されています。この製品は価格を抑えた並行輸入品も出回っているようなので、もし手にしたものが売りっぱなしの並行輸入品であると取扱説明書や保証書といった書類の類は同梱されていないということになるでしょう。その場合は、頑張ってパッケージ背面の英語表記と格闘することとなりますので気を付けて下さい。
また、並行輸入品はコンセント形状も国外仕様となっているようで、日本の家庭用コンセントでは使用不可という場合もあるそうです。私が購入したものは特に問題もありませんでしたが、並行輸入品には気を付けましょう。
この丸端子のターミナルコネクターこそ、バッテリーテンダーの肝といえるパーツでしょう。バッテリー側にはプラスとマイナスの丸端子が、その反対にはバッテリーテンダーの充電器本体と接続するための専用コネクターが設けられていて、しっかりとプラス端子の配線にはヒューズが設けられています。このケーブルをバイクのバッテリーに接続してバイクの都合の良い場所に充電器接続用のコネクターをセットしておくことで、いちいち充電の度にバッテリーを取り外したりする手間が省けるということですね。
ざっくりと言ってしまえば、バイクとコンセントを直結させるような感じで充電することが可能になるのですよ。
▼装着と充電
先の通り、車載するバッテリーに専用コネクターを装着しなければバッテリーテンダーの真価は発揮されません。バッテリー充電器ながら、装着という一手間は珍しいものですね。
このコネクターの装着そのものは単なる丸端子コネクターなので問題も無いと思われます。強いて言うなれば、WR250Xの場合はターミナルボルトの径に対して丸端子の輪が大きいため、少し困ることがあるかも知れないということでしょうか。私の場合は電源アクセサリーは5V6A用のU型端子もセットしているため、特に問題はありませんでした。
とは言え、ぎりぎりWR250Xのターミナルボルトの頭よりも小さい径の丸端子なので、ずっぽ抜けることも無く装着が出来るはずです。
充電器と接続するためのコネクターはバッテリーからフレームを這わせ、車両左側の工具箱裏あたりに持ってきました。車両の外側に持ってくると不安が残りますし、内側といってもシート下などでは面倒に相変わらずなので、このあたりがベストなのではないかと。この手のバイクならタイヤとのマージンも十分に余裕がありますから。
ちなみに、この「クイックコネクターケーブル」というらしいケーブルですが、長さは50cm程度で短めとなっています。さらには非常に硬いケーブルとなっているためパッケージ内で折癖がつき中々に真っすぐとはならず、実際のところは自由度も非常に低めです。別途でメーカーより延長ケーブルも用意されているようですが、そちらは4m弱あり用途が充電器側向けとなっているため車両側での使用には適しません。やはりシート下かリア周り、もしくはシートからペロッと出してタンクに張り付けておくのも良さそうですね。工作技術があるのであれば、ギボシ型ターミナルなどのパーツを自前で揃えてケーブルを自作するも良しです。
また、このケーブルはバッテリーと接続する側のコネクターに簡易的なキャップが付いていますが、今一つ不安の残る感じです。少しでも防塵防滴性を高めようと、私は薄手のゴム板とビニールテープを巻きました。シート下などの守られる部分に配置するのであれば必要の無い作業かと思いますが、私のように車両の外側に配置する場合は何かしらの対策を講じた方が良いと思います。
また、コネクターがリアタイヤの上でプラプラしながら走行するのも精神衛生上よろしくないですよね。私はコネクターの固定に、エフェクターボードで多用しているデュアルロックファスナーを使用しました。ホームセンターでは3M製品が売っていますし、カー用品店でもエーモン工業の製品が売っています。ほんと、着脱用固定には便利な品です。
装着が終われば、とりあえずワクワクの充電です。私は屋根付きガレージなんてものは持っていないので、適当な屋外コンセントから屋外用延長コードを使います。しかしながら、接続してみると点灯したライトはグリーンでした。冬場で一ヶ月以上放置していたバッテリーなのに、純正バッテリーは非常にタフなのです。
ちなみに、バッテリーテンダーは赤と緑のライトが点灯することで作動状況を知らせてくれるようです。取扱説明書によれば赤のライトが点灯している時は充電中で、緑のライトが点灯している時は充電完了もしくは充電不要を示しているとのこと。異常に関しては無灯火で知らせるそうです。
ただし、この取扱説明書は少し内容が足りていないようです。文中に「緑のライトが点滅から点灯になれば充電が完了」という記述があるものの、その「緑のライトの点滅」というコンディションについては何も説明されていませんから。さらには、冬場に一ヶ月以上も放置したバッテリーが満充電状態なんてことは有り得ませんよね。バッテリーテンダーは接続時に一定のバッテリー残量があれば充電不要と判断して、フロートモードにて待機するのかも知れません。
いずれにせよ、コネクター装着後に意気揚々と冬場に一ヶ月ほど放置したバッテリーに接続したものの、状況表示ライトは初めからグリーンで点灯。一抹の不安を覚えながら試しにエンジンを始動してみたなら、いつものように障り無くキュキュキュのボボボとエンジン始動。特に問題は無いようです。
▼結局の感想
いやはや、いまいち動作の詳細が分からないものの、画像のようにバッテリーを取り外すといった手間が省けるのであれば便利で良い感じなのです。状況表示ライトが正しく充電不要を示していれば良いのですが、しばらく様子見ですかね。接続その他は問題も無いので、充電不要と判断されているだけだとは思いますけれど。
何はともあれ、やはりGSユアサのバッテリーって素晴らしいのです。確かに、メーカーも技術云々で自然放電を抑えているとはいえ、ずぼらな私は毎度のこと驚かされるばかり。バイク用バッテリーも捨てたものではないですな。
もはやメーカーの回し者みたいですけれど、このメーカーのバッテリーは尋常ではないのです。安価なバッテリーが出回っているために高価なイメージとなっていますが、私は迷わずに次もGSユアサのバッテリーを買うこととします。
あれ?充電器は不要だったかしら。
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