部屋を明るくして離れてみてね
概要:お菓子「椎茸せんべい」のレビュー
平成という岐阜県関市の道の駅にツーリングに寄った際に気になって買ったジャパニーズスナック。お菓子「椎茸せんべい」を食べてみた。
椎茸と言うと、やっぱり有名どころは大分県でしょうか。肉厚な椎茸を軽く焼いて醤油を数滴。たまらないですよね。
でも、今回は大分県ではなく、岐阜県の椎茸です。
そして、そんな椎茸も嫌い・苦手という人はいるでしょう。そもそもの味・香りだったり、もしくは食感だったり。ひねくれ者だと「キノコ類は菌だ」といって子供のような嫌い方をする人もいるかも知れません。
しかし、今回は「椎茸嫌いでも食べれる」と豪語する椎茸です。
で、毎年恒例と化した年始の中部ツーリングにて、元号と同じく平成を冠する岐阜県の道の駅に寄った時のこと。その一帯は椎茸の産地であるらしく、土産屋の入り口に目立つPOP広告を携えて販売されていた「椎茸せんべい」なるジャパニーズスナック。
ものすごく煽ってくる感じ。これは買わずにはいられません。
ちなみに、広告内容に「武儀中生が選ぶ」とありますが、その武儀中学校は2016年に他校との統合により廃校となっているそうな。私の場合は母校が廃校になりそうな気配はないのですが、統合とは言え母校が廃校となるのは、どこか寂しいものですね。
とまぁ、感傷に浸るのは調べ物をしながら記事を作成している今現在であって、実際に現地では積載量の小さいWR250Xにおいて、どう持ち帰るかを脳内会議していたわけですが。
わりと簡易的なパッケージングで「平成特産品 椎茸せんべい たまり醤油味」と、和菓子らしい張り紙に椎茸のイラストとともにデザインされています。やはり私は日本が好きだからか、ぱっと見の興味を惹き手に取りたくなるのは洋菓子かも知れませんが、味・香りといった「中身」を察して興味を惹いてくれるのは、こういう和菓子なのですよね。
喫茶店は好きですが、あまりカフェに寄りたいとは思いません。これは許可区分などに及ぶ話ではなく、より実感に近い抽象的思考における話です。もちろん、洋菓子も美味しいものは多いのです。
でもね。私はマッシュルームより椎茸の方が、トリュフより松茸の方が、気持ちは嬉しいのです。
あとは、原材料を見たところ、しっかりと椎茸も国産の原木椎茸を使用しているようです。菌床栽培の椎茸が悪いわけではありませんが、やはり原木だと少し気分も良いものです。
味付けも、塩・砂糖・醤油。その他は出汁系に香料と、そう奇をてらった感じは見受けられません。
和菓子らしく、食べきり推奨の包装形態ですね。
まぁ、開けてしまえば、あっという間ですから。問題ありません。
形状としては細長い小判型で、いわゆるソフトせんべいのような感じとなっていました。特に目立って調味料がまぶされているという感じもなく、どことなく手触りの時点で薄味系かなと察するようなせんべいとなっているのです。
ちなみに、椎茸という先入観から開封時にブワッと干し椎茸のような香りが解き放たれるのかと思いきや、思いのほか無臭でした。厳密には、鼻を当てると、ほんのりと醤油の香りがするといったところ。
この時点では、やや椎茸詐欺の予感なのです。
味・香りについて感想
この椎茸せんべい、なるほど確かに椎茸な煎餅なのです。
とりあえず、開封時の印象と同様に、味も香りも昨今の味付けの風潮からしてみると、かなり薄味傾向と言えると思います。日頃から塩分過多な食事や、大味な嗜好品ばかりを口にしていると、この椎茸せんべいのナチュラルな味の良さは捉えにくいものとなるかも知れません。
単に味の濃淡だけで例えるのなら、それこそ「ベビーせんべい」くらいの濃さです。しかしながら、ほんのりと感じられる香りは正に醤油を垂らした焼き椎茸ですので一安心。
そして、味も確かに椎茸です。
さらに、食べ進めれば進めるほど感覚が慣れるのか鋭くなるのか、この椎茸の風味が豊かになってくる点も特徴でしょう。決して派手に主張しないながらも、ほんのりと確かに椎茸と焦がし醤油の良い風味を堪能できる、日本のエッセンスが詰まったかのような味わいなのです。
たぶん、日頃より調味料の使用を控えたりして素材の味を楽しむ方には打ってつけと思います。その反面で、大味や濃い口を好む方には確実に向きませんね。
これを上と評価する武儀中生とやらは、かなり繊細な味覚の持ち主というか、ちょっと嗜好性が渋過ぎではないかと思う次第です。
先の通りで、わりと椎茸の存在が風味に顕著なので、豪語されていた「椎茸嫌いでも」という件に関しては、椎茸の何が苦手なのかで真偽が分かれそうです。そもそもの味・香りが苦手という場合は大差なくといったところかも知れませんが、少なくとも食感は完全に煎餅なので、単に椎茸の食感が苦手という方は確実に美味しいと感じるでしょう。
というか、好き嫌いは良くないですよね。意識して好き嫌いをして取捨選択するということは、その意識を潜在的に確実に偏食へ繋がり、健康を損ねてしまいます。好き嫌いがダメなのではなくではなく、好きや嫌いで意識したら負け、ということなのです。
と言いつつ、私はセロリとパクチーだけは避け続けていますが。
この二つを好き好んで食べる人とは、恐らく永劫と味覚と嗅覚による意見は交わせないと思います。
もうね、にわかパクチー専門店などが頻出してパクチーブームになった時なんて、揚々とパクチーをテーブルに運ぶ、嬉々としてパクチーを口に運ぶ。そんな光景が、よく取り上げられていました。失笑してまったというか、狂れる何とやらではないですけれど、どうして日本人ってこうなんだろうと疑問に思ったものです。
まぁ、世では「嫌い」だけ悪者のように言われますが、実は「好き」も嫌いと表裏一体で、その実は嫌いと同じようなものだったりするのですね。
好きも、嫌いも、お互い程々に。
日本人は、塩分も程々に。
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