甲州ほうとう味ポテトチップス を食べてみた

部屋を明るくして離れてみてね



 概要:お菓子「甲州ほうとう味ポテトチップス」のレビュー



 バイクの収納と積載量を増やして臨んだ富士山方面のツーリングで意気揚々と購入した袋菓子。お菓子「甲州ほうとう味ポテトチップス」を食べてみた。


 富士山方面へツーリングに出かけた際に立ち寄った道の駅で購入した、ローカルな雰囲気が満々の御当地ポテトチップスなのです。全国的にも有名な山梨県の郷土料理である「ほうとう」の味を再現したポテトチップスなのですね。

 美味しいよね、ほうとう。道中に雪の積もる中、バイクで食べに行ったことがあります。凍える寒さに店員さんの人柄と合わせて染み入った記憶があるのです。

 これは完全な偏見による持論ですけれど、山梨と静岡にはステレオタイプ的な良い人が多いような気がします。みなさん、揃いも揃って人柄が素敵。



 ちなみに、内容量は145gと中々の大袋仕様となっています。だからこそ、浮かれて収納容積を増やしたバイクに積んで帰って来たのですけれど。

 一般的な約50g詰めのポテトチップスと比べると、正に大袋と小袋といった感じです。何と言うのか、ダサいとも思えるパッケージデザインが、余計に手に取りたくなってしまう感じではないでしょうか。



 パッケージ背面には「ほうとうの由来」と題して、ちょっとした雑学も掲載されています。どうやら「餺飥(はくたく)」の音便が「ほうとう」であるらしく、禅僧が中国から日本に持ってきた文化が起源となっているようですね。

 また、ほうとうの現在のスタイルは武田信玄が野戦食として用いたことに由緒がある甲州独特のもので、甲州人の誇りの郷土料理であるとも記されています。さり気なく武田信玄も突っ込んでくるあたり、やはり甲州の人は武田信玄に篤いのだなと思わせるのです。

 信玄餅も美味しいからね。



 さらに、その下部には「戦国ロマン!」と題してコラムが続くのですが、もはや内容は「ほうとう」から「信玄さま」に差し変わっているような気がしなくもありません。ほんと、好きなのね、武田信玄。

 ちなみに、企画・協力・監修として、ほうとうの有名チェーンである小作が紹介されています。私は残念ながら小作は利用したことが無いのですが、かなり評判は良いみたいなので、機会があれば利用してみたいものですね。



 国産じゃがいも100%使用だそうです。決して外国産が悪いとは思いませんが、国産だと何となく嬉しいですよね。

 また、このポテトチップスは企画商品となっているのでメーカーこそ特定一社ではありませんが、どうやら長野県の株式会社マツザワという土産物事業を展開するメーカーによる商品のようです。この会社は岐阜県の可児市にある道の駅の運営もしているそうなので、機会があればツーリングで訪れてみたいものです。

 ちなみに、表示部分にはワイエムカンパニー株式会社と表示されていますが、これは株式会社マツザワの関連会社なのだそうです。



 チップスの見た目は、特に何てことも無いようですね。印象としては、カルビーか小池屋かと言われれば、どちらかと言えば小池屋かなという感じなのです。

 ぱっと見では素のポテトチップスに近い見た目となっているため、あまり調味料の類は存在感が無いというのも特徴でしょうか。


味・香りについて感想



 このポテトチップスは、うん。美味い。とても美味しいのです。

 ほうとうそのものは、そう何回も食べたことはありません。しかしながら、確かにイメージとしてはぴったりな味わいとなっていますね。

 何と言うのか、余韻に、確実に、ほうとうがいます。ポテトチップスというよりも、正しく汁物というのか、お野菜たっぷり出汁のを汁気を感じることが出来るのですから。中々に商品名に偽り無しといったところですね。

 全体的に味が濃すぎず、それこそ出汁のような旨みを感じられる塩梅の濃さである点も、より再現度のリアリティに拍車を掛けているように思えますから。しっかりとポテトの風味も感じられる程度の味付けとなっていて、ほうとうの味とポテトの味が見事に調和しているのです。

 傾向としては、それこそコンソメパンチなんかに近いかも知れませんが、チキンブイヨンのスープというよりは、やはり野菜たっぷり出汁のような味わいが個性的なポテトチップスなのですね。

 というより、ほうとうの味が云々を抜きにしても、美味いのです。味付けの塩梅といい、どちらかというと大人向きな印象ですね。しかしながら、ステレオタイプ的なポテトチップスのイメージから外れていることもないので、老若男女が楽しめることでしょう。

 量も145gと大容量ではありますが、味も食感も食べ心地は非常に軽快な部類のポテトチップスですので、美味しいことと相まって、あっという間に無くなっていました。

 ちなみに、肴にするなら組み合わせは何が良いでしょうかね。食感と味のウェイトは軽快で、味は正しく甲州ほうとう味ポテトチップスですから、やっぱり日本酒ですかね。すっきりしすぎる西の酒のよりは、しっかり辛口な東の酒の方が良いかも知れません。

 あと、ナツレとかみたいな味や香りよりも何より超ドライといったようなスパークリングワインでも合いそうです。ポテトチップスということでビールでも問題は無いと思いますが、この場合は何だか少し違うような気もするのですよね。

 よくよく考えてみれば、日本酒もワインも、山形県の得意分野でしたね。やはり民俗は味覚も含め、包括的に影響しているのでしょうか。

 たぶん、近畿地方などの出汁を好む文化圏の方には受けの良さそうな味と思えますよ。ただの出汁じゃ物足りないから醤油だ砂糖だをダバダバーっと投入してしまうタイプの方には、あまり面白くないポテトチップスかも知れません。

 何はともあれ、とても美味しい、本当に甲州ほうとう味なポテトチップスなのでした。


▼あわせて他記事どうぞ▼
珍食品レポートの一覧へ戻る