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概要:お菓子「フォーチュンクッキー」のレビュー
コストコで売っていたフォーチュンクッキーの大量な詰め合わせパック。お菓子「フォーチュンクッキー」を食べてみた。
このクッキーは有名な製品なのに、中々の不思議を醸し出していることでも有名なクッキーは「フォーチュンクッキー」という菓子です。よく海外の中華料理屋で「日本の焼肉屋のガム」みたいなノリで提供される菓子とのこと。某「中の下から中の上くらいの女史で組まれた徒党」の作品により、物を知らなくても名を知っている方は多いのではないのでしょうか。
そんな「フォーチュンクッキー」というクッキーは、中国や米国といった大陸の菓子であるという認知が多いらしいのですが、実は「日本の菓子」が起原となっているジャパニーズ系スイーツなのだとか。起原はアメリカ西部開拓時代も終わりくらいの頃で、渡米した日系人によりアメリカの博覧会で振る舞われた菓子が原型となっているらしく、それは「辻占煎餅」という北陸地方の菓子なのだそうな。
ただし、その「辻占煎餅」というのは味噌味などといった超絶ジャパニーズテイストだったため、それを「アメリカ人が好みそうな甘い味付けにしてくれ」と中国系移民の職人に依頼してアレンジしたものが、現在のフォーチュンクッキーとなるとのこと。その後は第二次世界大戦による日系人収容のために日本料理店が軒並み閉店し、先ほどの中国系移民の職人が製造していたことと相まって、代わりに台頭した中華料理店で振る舞われることを切っ掛けとし、フォーチュンクッキーは一層に認知を広めていったそうなのです。
それからは皆さんも御存知の通り、海外の中華系レストランにおける会計時などに無償で提供される菓子として定着していったとのことで、サンフランシスコのチャイナタウンに位置する「Golden Gate Fortune Cookie Factory(金門餅食公司)」という小さな工場で世界に向けて作られているのだとか。
ちなみに、本場は中国の中華料理屋では提供されることも無いのだそう。
要するに、日本人はアメリカで作られているからアメリカの菓子だと思い込み、アメリカ人その他の外国人は中華料理屋に行くと差し出されるから中国の菓子だと思い込み、中国人は中国人でも中国系移民のアメリカ人による菓子なので「は?何それ?知らねぇ。」みたいな。中々に不憫な菓子ですよね。
余談ですが、検索エンジンで「Golden Gate Fortune Cookie Factory」とか「金門餅食公司」と検索すると、フォーチュンクッキーの土産物としての認知や工場の観光需要の高さから資料を多く目にすることが出来ます。それを見るに、かなり「手作り感」の溢れる菓子であることは容易に察することが出来るでしょうけれど、それらの資料から誤解の無いように一応は明言しておきますが、フォーチュンクッキーはアメリカ製の菓子です。
先のシナモンロールなんかと同じく、大きな丸いプラスチック容器に大量のフォーチュンクッキーが個包装されて詰め込まれているのです。内容量は「340g」となっていますが、数を数えてみたところ「39個」のフォーチュンクッキーが詰められていました。
ちなみに、紙箱パッケージを用いたボックスバージョンなども展開されている様子。
個包装は、広げると煙草の一箱と大差の無いサイズ感となります。ハートが散りばめられた、何とも露骨に愛嬌を振りまく個包装となっていて、野郎がモシャモシャと一人で食べるには些か不向きな見てくれとなっていますね。
ラブラブプリチー感がハンパではないのです。
フォーチュンクッキーの最大の特徴でもある「おみくじ仕込み」ですが、おまけ仕込み系の菓子だからといって、間違ってもエッグチョコなどのような作りの良さは無く、おみくじは中々に雑な詰められ方をされています。
ちなみに、かなり独特の形をしたクッキーとなっていますが、この形には理由があるらしく、それは先にも記した「フォーチュンクッキーの起原」が大きく関わっていると思われるのです。
どうやら、当初のフォーチュンクッキーは現在のように「おみくじ」を包み込むのではなく、クリップみたいに「挟み込む」ようにして売られていたらしく、この「太もも&むっちり内もも感」の溢れるボディは、おみくじを挟み込んでいた頃の名残なのでしょう。正しい食べ方は謎ですが、私は「おまた」の部分から「パックリ」と割って二分割にし、おみくじをスルッと取り出してから食べるようにしています。かなりの確率で、おみくじの切れ端がクッキー内に残って口に運ばれる結果となりますけれどね。
余談ですが、先にも記したように海外では中華料理屋の会計時に差し出されることの多い菓子となっているフォーチュンクッキーは「味はイマイチ」という認識も強いらしく、おみくじだけ取り出してクッキー本体は食べずに捨てられてしまうことも多いのだとか。
いつぞやに日本でも問題視された「某シール付きチョコウエハース菓子」みたいですね。私は好きでしたけれどね、ビックリマンチョコのチョコの方が。
私の初めてのフォーチュンクッキーの「おみくじ」は、画像のようなものでした。片側には「When women talk, the world listens.」と記され、もう片面にはスペイン語で「Mi casa se su casa.」記されているのですが、全く以て意味深どころか意味不明な文言で、直訳だと「女性が話す時、世界が耳を傾ける」と「我が家は君の家だ」という内容。意味が分からんのですが、この意味不明さはフォーチュンクッキーでは御馴染みのことらしいのですね。
どうやら、このフォーチュンクッキーの「おみくじ」を考えているのは、あまり頭の良い人ではないようです。
また、先の続きですが、味がイマイチでクッキー本体は食べずに捨てられてしまうこともあるらしい上に、おみくじの内容も意味不明なものが多いというのもフォーチュンクッキーの常識として認識されているそうで、おみくじも読まずに捨てられてしまうこともあるとか。もうね、味がダメでクッキーは食されず、おみくじは意味不明で読まずに捨てられるとなれば、これでは「何も残らないではないか」と。
味・香りについて感想
このフォーチュンクッキーは、何と言うのかな、やっぱ色々と残念な気持ちにさせてくれる菓子に裏切りも無しといった感じなのです。味は決して悪くはなく、日本が起原というのも納得が出来る味わいに食感の菓子となっていて、まるで「瓦せんべい」のような菓子となっていますね。
思っていたよりも味わいは淡白で、ほんのりと甘い上品な味は、全く後に引きません。食感は先の通り「瓦せんべい」っぽくもありますし、京都の「八ツ橋」っぽくもあります。謳い文句の「はちみつ」っぽさは、やはり使用されているのが「はちみつ粉末」ということもあり存在感は弱く、甘さは砂糖によるところが強い印象なのです。
ほ~んの少しだけハニーな香りがする程度。
色々な前情報と相まって満たされるような菓子ではないのに、どうして手に口が止まらない癖になる菓子でもあります。そのもの自体に特に何の特徴がある味わいではないために、合わせる飲み物なんかも選びませんし、非常に食べやすいのですけれどね・・・。何なんだろうか、この微妙な気持ちは。
とりあえず、もう買うことはないかな。決して、手に入りやすい製品でもないですし。
ただ、あなたがフォーチュンクッキーを知らずに死ぬ人生は勿体無いです。
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