Floyd 6 を吸ってみた

フロイド・6 の喫煙感想

 スーパーチャコールフィルターなるフィルターを搭載しているフロイドのTar6mg。紙巻「フロイド・6」を吸ってみた。


銘柄概要

 南米はウクライナの大手であるモンテパス社がラインナップしている、まだ日本では馴染みの浅いフロイドという銘柄のTar6mgです。このTar6mgの他にもTar10mgとTar1mgがバリエーションとしてラインナップされているのですが、どれも特筆すべき特徴として「CelFX技術を用いたスーパーチャコールフィルターを搭載している」という謳い文句を掲げているのです。

 そのCelFXフィルターというのはフロイドを製造するモンテパスとは別のメーカーが開発した技術を使用したフィルターであるらしいのですが、従来のチャコールフィルターとは比較にならない量のチャコールを用いて「化学物質を大幅取り除く」という代物なのだとか。

 パッケージの要所にデザインされる「2030」という数字は、CelFXという技術を使用したスーパーチャコールが未来的なものであることの隠喩とのこと。何と言うのか、あまり日本人は臭がって用いることもないような表現かも知れませんね。

 今ひとつ日本人の嗜好性にはニアミスでマッチしていないようなパッケージデザインかも知れませんが、西洋コンプレックスの強い日本人の特定層のために物言わせてもらえば、このデザインって非常に外国的なパッケージデザインに思えるのです。ステレオタイプ的な外国ではなく、より現代的かつリアルな外国的デザインです。

 パッケージ背面の他に、インサーターでも製品紹介がされていました。

 とは言っても、ざっくばらんな説明しか掲載されていないので、気になる方はフロイドのウェブサイト(現在消滅。アーカイブはこちら)を参考にしてみると良いかも知れません。

 このTar6mgはフロイドのロゴがブルーカラーとなっていて、ぱっと見はタールバリエーションの中で最もフロイドらしいデザインのチップに思えますね。空気穴は細かく2列での配置となっていて、フィルターは高性能高効率と謳うCelFXフィルターを使用しています。

 また、画像でも少し分かるかと思いますが、フィルター部分半分くらいが薄く黒みを帯びているように見えるかと思います。この黒っぽく見える部分こそがスーパーチャコールもといCelFXフィルターとなっているのです。

 フィルターチップを切開すると、その特異性がビシビシと伝わる真っ黒なフィルターが姿を現します。まるでアスファルトのように硬い質感のフィルターで、フィルターチップの表面からでも揉んでみれば分かるのですが、非常に固い触感のフィルターとなっているのです。

 よくあるアセテートフィルターにチャコール粒子を点々と混ぜたタイプのチャコールフィルターとは比較にならないほどのバスター&デストロイなムードを漂わせています。そんなCelFXフィルターは化学物質どころか空気を通す気配すら感じさせないフィルターですね。恐らくは、これだけのチャコールを用いながら喫煙に支障を来さずに空気を通す技術こそ、CelFXフィルターの特性なのでしょう。

 先に述べると、吸い込みにくいといった感覚は全くありませんでしたので、ご安心を。

 ちなみに、気になる化学物質の除去性能は主要な13種の化学物質だけでも従来のチャコールフィルターより平均で80%以上も除去する結果を出しているとか。製造するメーカーの検証は当然として、第三者の研究調査機関への調査依頼も実施して御墨付きを賜ったという事実もあるそうなので、確かな数字なのだと思います。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、順当にTar10mgのライト版といった仕上がりとなっているのです。

 かなり加香感の強いシガレットの甘い香りに続き、喫味の方も甘味がクリアに呈されるシガレットとなっています。Tar10mgと比べれば煙量が適度に減らされたことにより吸い心地は軽快に、その分だけ喫味もマイルドとなり順当なタールバリエーションとして成り立っていますめ。

 独特ながら癖も感じず取っ付きの良いと思える加香感の強めな甘さと香ばしさが心地の良いもので、スーパーチャコールらしく苦味や渋味は感じられずない絵に描いたようなスッキリ系。ちょっとだけライト化によるのか酸味と紙臭さが見え隠れし始めていますが、どちらかと言えばシャープで軽快な質感へ傾倒し始めているなど、ライトバリエーションらしい王道感の演出の内に思えるため気にもなりません。

 他の多くのライトバリエーションでは喫味がマイルドになることと同時に全体のバランスやキャラクターの変化みたいなものを覚えることが多かったりしますが、このフロイドのライトバリエーションは単に吸い心地が軽快になって、その分だけ喫味もマイルドになっているだけという絵に描いたようなライトバリエーション。

 総じて、充足感と平衡するように味わいも各々に差が無くトーンダウンしているので「軽くてマイルド」という以外にはTar10mgと全く同じ印象の喫味なのです。ただし、クリアで雑な要素が全く無いだけに「やや薄い」と感じる点も共通しているのですが、この点に関しては高めのタール数値による煙量と味わいの豊かさでフォローされていたTar10mgに対し、このTar6mgは少し浮き立ってしまっているようには思えます。

 フロイドの吸い応えは実際のタールクラスよりワンクラス下のように感じることも多分にあり、Tar10mgでは程よい塩梅に感じることも多かった反面で、Tar6mgはワンクラス下に感じてしまうと「物足りない」といった印象も否めないのかも知れません。それでも量感による吸い応えは相応なのですが、風味という味わいは少し薄めとなっていて、とっても軽快な味わいに賛否がありそうかな。

 後味もCelFXフィルターにより雑味が無くスッキリとはしているものの、程よい甘味が残るTar10mgとは異なり、その甘味も弱めとなっています。喫煙後に何やらと残ってほしくない方には良いかも知れません。

 何はともあれ、オフというよりはオンに密着した様はフロイドならでは。

 玩具に機能美のような一面が求められることも少なくない御時世ですが、嗜好品も似たようなもので、これからは煙草も茶やコーヒーに菓子などと同じく「機能的付加価値」が求められる時代なのでしょうか。「タール数値に反して現代志向」であったTar10mgとは異なり、このTar6mgは「まさに現代志向」といった煙草なのでした。

 ただ、私は甘味の生きたTar10mgの方が好みかな。充足感にTar4mgという差も感じられないですしね。


追記

 じわじわとシェアを伸長しつつあるフロイドは、発売から幾月の後に「煙草葉10%増量」という改良を施したようなのです。味わいや香りに変更は無く、近年で需要の高まりつつある「スローバーニング特性」を搭載することが目的であるそうな。

 ということで番外、改良されたフロイド・6を吸ってみた。

 まず、シガレットの香りは他のタールバリエーションと同じくで、相変わらず香料の存在感が強い甘さの際立つ香りとなっていますね。テイストに関わる点は以前より変わらないよう考慮されている様が容易に察するのです。

 喫味の方も目立った変化は感じられず、以前より変わらないフロイド・6の味わいとなっています。その上で確かに燃焼時間は延長されていて、1本の喫煙時間はアメリカンスピリットに迫る長さを実感することが出来るのです。

 いや、この想像していたよりも長い喫煙時間には驚き。

 スッキリとしていながら甘さの際立つ味わいに楽しみ甲斐もあるため、決して長さが嫌になるものではなく、仮に早く一服を終えなければいけないシーンでも価格は据え置きであるために切ない気持ちにもならないですし、これは非常に良い感じ。

 鬼に金棒なマイナーチェンジなのでした。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar6mg Nicotine0.5mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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