フロイド・10 の喫煙感想
特殊なフィルターを使ったフロイドのタールバリエーションはTar10mg。紙巻「フロイド・10」を吸ってみた。
銘柄概要
このフロイドというブランドは、日本ではアークローヤルが有名なラインナップかと思われる、南米はウクライナのモンテパスというメーカーの製品です。まだ多くの方が馴染みも浅いと思われるブランドですが、このTar10mgの他にTar6mgとTar1mgのタールバリエーションもラインナップされていて、どれも特筆すべき特徴としては「CelFXという技術を用いたスーパーチャコールフィルターを搭載している」という点に尽きます。
そんなスーパーチャコールフィルターですが、端的に説明すれば「アセテートフィルターにチャコール粒子を混ぜた多くの銘柄が採用しているタイプのチャコールフィルター」と比較して、主流煙に含まれる化学物質を大幅に取り除く効果があるフィルターなのだとか。その除去率は驚きの80%で、メーカーは当然のこと第三者の研究調査機関にも依頼して検証済みということもあり、信憑性とか抜きに「事実」という信頼性を有しています。
ちなみに、煙草の煙に含まれる化学物質の種類は数えだしたらきりがありません。タールとニコチンと一酸化炭素は置いておくとして、フロイドのウェブサイトで公開されている国内他社ブランドのフィルターとの濾過性能の比較表では「ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・アセトン・アクロレイン・プロピオンアルデヒド・クロトンアルデヒド・2-ブタノン・ブチルアルデヒド・ブタジエン・アクリロニトリル・イソプレン・ベンゼン・トルエン」などなど、13種の化学物質にて効果があることを示しています。
何だか、錚々たるメンバーですね。宣伝された手前「たばこ、やめようかしら」みたいな声が聞こえてきそうな気もします。
上記の通り、フロイドのフィルター性能の検証では13種の化学物質のみに限って効果を実証していますが、いちいち全てを調べてはいられないということでしょうし、恐らくは他の無数の化学物質にも高い効果を発揮しているのかも知れませんね。
ちょっと何ともなデザインが独特なパッケージには「2030」という数字がデザインされていますが、CelFXを使用したスーパーチャコールフィルターが未来的技術の産物であるかのような演出です。遠いようで近いような設定が何ともですね。
インサーターでは少し細かくスーパーチャコールフィルターについて説明がされています。ざっくりと端的に表現するのなら、要するに「従来のチャコールフィルターとは比べ物にならないくらい多量のチャコールを使用していますよ」というものなのです。その他は高品質な煙草葉を使用していることや層状構造を採用していることと、よくある内容となっていますね。
インナーカットや中包装紙はスタンダードなシルバーカラーとなっていて、その中包装紙には"Pull"の文字。
フィルターチップのデザインは意外にも少しラグジュアリーな印象のものとなっていて、タールバリエーションごとに"FLOYD"のロゴの色が異なるのですが、このTar10mgはメタリックパープルとなっているためにラグジュアリー感を覚えるのかも知れません。嫌味を感じさせない程度に洒落ていて良い感じ。
仕様としては小さめの空気穴が2列での配置とTar10mgというスペックにしては多めな印象となっていて、フィルターは先の通りにCelFXという技術で作られたスーパーチャコールフィルターが使用されています。
フィルターチップの内側にはアスファルトのように硬くて黒い物体が収められています。チップの外から揉んでも分かるほどに硬い素材となっていて、吸い込むという使用法を鑑みれば「本当に空気を通すの?」といった印象は抜群。何と言うのか、見た目だけでも効果を感じそう。
きっと、チャコールを多量に使用しながら喫煙に支障を来さずに空気を通すということがCelFXという技術なのでしょうね。先に述べてしまうと、とても空気を通すとは思えない見てくれのフィルターですが喫煙に際して問題は全くありませんし、よくある通常のチャコールフィルターを使ったシガレットと比べても吸い込みの具合に差は感じませんので、あしからず。
また、このスーパーチャコールフィルターに使用されているCelFXはモンテパスの技術ではないらしいのですが、2015年の今のところはフロイドにのみ使われているフィルターとのことなので、いわゆる独占のような状態となっています。
除去力が素晴らしいのは、フロイドだけ。
吸引力が変わらないのは、ダイソンだけ。
ゴキゲンなディーゼルは、ワーゲンだけ。
煙草企業とは別のフィルターメーカーの技術となれば、将来的に様々な銘柄に搭載されることも考えられるくらいにフィルターとしては非常に優れた物なのです。
吸ってみた感想・味・香り
この煙草は、かなり現代人志向で非常に優秀な煙草となっているのです。
まず、シガレットの香りなのですが、これがまた独特の非常に甘い香りがします。この加香感の強い甘い香りは香料の豊かさを察するに容易なほどで、特段に癖があるとは思わないのですが、ややローズ系シガレットのような甘さにも思えるあたりは少し特異な感じとなっています。
喫味の方は、スーパーチャコールなる謳い文句から想像する通りのクリア系であり、化学物質という要素が除かれているためか非常に香り立ちが澄んでいながら際立ち豊かに感じられます。クリアに甘い味わいが余計なものに邪魔されないために際立っている感じなのです。
もちろん、では煙量もカットされているのかというと否であり、しっかりとTar10mgという仕様に相応の煙量感を呈してくれるために充足感もバッチリです。
ただし、先の通りに味わいが極めてクリア系に仕上がっているため、全体的な量感としては少し控え目に感じるかも知れませんね。実際にはワンクラス下のタールクラスを主喫している方でも差し障り無く楽しむことが出来るかと思います。
何と言ってもの、この煙草の味わいの醍醐味は「クリアに呈される甘い香り」であり、これが非常に優秀なのです。喫煙後の余韻もスッキリとしていて、まるで野暮ったさが無いのに香りは豊かに残るため喫煙の余韻としても良い感じに仕上がっていますし、スーパーチャコールなるチャコールの効果を存分に体感することが出来る煙草となっているのです。
総じて、かなり良い煙草であり、パッケージの2030というアピールにも納得してしまう煙草となっています。派手なキャラクターや雑味などに苦手意識を覚えやすい日本人の嗜好性にも見事にマッチしているのです。
何というのか、味わいの豊かさとクリアな質感って両立することが出来るのもなのだなと、改めて確認させてくれるような煙草なのでした。
追記
このフロイドは「スーパーチャコールフィルター」という画期的な機能を有していながら、近年でニーズの高まりつつある「燃焼時間が長い」という特性すら持ち合わせるべく、発売後に「煙草葉10%増量」という改良が施されたようなのです。あくまで、スローバーニング化が目的であり味わいや香りに変更は無いとのことですが、改めて改良版を喫してみたので少し追記をしたいと思います。
ということで番外、改めて改良版のフロイド・10を吸ってみた。
まず、シガレットの香りは特に改良前と比べて変化は無い感じですね。加香感が強く、甘さの際立つ香りとなっています。喫味の方もスッキリと甘さの際立つ味わいであり、それでいてボディはTar10mgらしく満足に足る充足感を得られる程度となっていてと、こちらも改良前と相変わらず。
しかし、1本の喫煙時間は確実に長くなっていると実感することが出来ます。Tar1mgと比べてしまえば空気量の都合もありスローバーニング感も顕著には欠きますが、それでも以前よりは喫煙時間の延長を確かに体感することが出来るのです。程好くと言った程度に長めの喫煙時間は良い感じに思えますし、Tar10mgと中々に高タールであることも鑑みれば私的に塩梅も良い感じ。もれなく非常に長い喫煙時間が特徴であるアメリカンスピリットには及ばないものの、ロングテイストを実装したウィンストンなんかとは互角程度の喫煙時間を挺してくれるのではないでしょうか。
総じて、中々に改良と言うに相応しい、正しくマイナーアップグレードな煙草なのです。販売網が拡大して認知が広まれば、かなり受け入れられる煙草ですよ、きっと。
Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar10mg Nicotine0.8mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol
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