喫煙に関する内容を含みます
概要:葉巻「ランバージャック」の喫煙感想
木こり(樵)という名を冠し独特の雰囲気を醸すリトルシガー。葉巻「ランバージャック」を吸ってみた。
JTのグループ会社で、輸入製品を専門的に扱うJTアイメックスが取り扱うリトルシガーなのです。基本的にはノンフレーバー系に分類される銘柄ですが、単なるノンフレーバーともなっていない隠れ個性派のような煙草ですなの。
このリトルシガーは意外にも歴の長い銘柄で、初出は1978年なのだそうです。その頃は日本専売公社による国産銘柄であり、何気に国産初のリトルシガーであったのだとか。国産葉巻における最廉価銘柄として親しまれていたらしいのですね。
そして、後に日本専売公社は解散するも、JTからのJTアイメックスへと、現在も販売が続けられている古株な銘柄なのです。現在はJTアメックスの取り扱いということで察しが付く方もいるかと思いますが、現在のランバージャックは当初のような国産ではなく海外工場にて委託製造されているようです。
また、当初はランバージャックという名称で販売されていましたが、2004年にJTが複数の特殊銘柄を販売継続のために製造を海外移管した際に、それら輸入品となった銘柄をJTアイメックスへ取り扱い移管した際に改型となり、ランバージャックもランバージャックⅡと名称も改めたのです。その際にランバージャックはオーストリアへ製造移管を行い、販売終了の難を逃れたようですね。
ただし、実際には販売は途切れること無く継続されているということもあり、実際の登録上の製品名称は「ランバージャック」のままとなっているようです。直近では2016年と、効率性向上のためか製造国も何度か変更されているようなので、その度に喫味にも少しの変化が現れているのかも知れません。
この記事を作成した現在、2019年のランバージャックはスイス製のようです。私が初めてランバージャックを喫したのは2011年だったと思うので、うろ覚えの記憶を辿りながら比較もしてみたいものです。
ちなみに、冒頭の通りLumberjack(ランバージャック)というのは、薪などの調達のために山林の木々を切る職人である「木こり(樵)」を意味する言葉です。しかしながら、日本でも「木こり」とは言わずに林業従事者や木材加工業者などと言うことが多いように、LumberjackではなくLumber WorkerやLumbererといった表現の方が一般的に思えますね。
取り分けLunberjackは古風というか、どこか物語的な印象が強いにも思えるのです。
実際のところ「木こり」なんて表現、私はイソップの寓話の中ぐらいでしか常用しないですし。
あ、そうそう。発売当初のオリジナルのランバージャックは、リトルシガーではなくシガリロだったそうです。
真っ黒な背景色に明るい色の切り株の断面という、何とも独特のパッケージデザインとなっています。どこか古臭い印象のエフェクト文字でLUMBERJACKとデザインされている点も、中々にインパクトがありますね。
似たような黒地のボックスパッケージだと、それこそJPSなどが思い浮かびますが、全く異なる印象は個性的そのもの。
ちなみに、大きく「Ⅱ」とレイアウトされていますが、実際の登録的な製品名は「ランバージャック」のままとなっています。先の通りに製造の海外移管に伴うリニューアルなどを経ているため、旧製品と区別するために「ランバージャック2」と便宜上で表現されることはありますが、基本的には「ランバージャック」で問題も無いでしょう。
パッケージの正面と背面の両方にレイアウトされた切り株が目を引きますが、インパクト系のLUMBERJACKのロゴも中々に主張しています。
私的に、何となくドンキーコングを思わせるデザインに思えるのですよね。ドンキーコング3の巨大のこぎりが迫ってくるステージを思い出します。ちょっとトラウマです。
また、しっかりとリトルシガーである旨が記載されていますが、併せてチャコールフィルター製品であることも記されています。リトルシガー全般としては珍しい仕様ですが、JTアイメックスのリトルシガー銘柄では特に珍しい仕様でもありませんよね。
チャコールというだけで邪険にする方も少なからずいるかと思いますが、実際のところJTアイメックス銘柄はKT&G銘柄などとは異なりチャコールが確実にポジティブな働きをしている印象なのです。
パッケージサイドの製品表記も「ランバージャック20本入」となっています。その上のロゴは「LUMBERJACKⅡ」となってるので、ややこしいですよね。
似たような変遷を経ている同社のマリポーサやパロマなどのシガリロ製品は、製造移管の後にⅡと冠したものの現在はⅡを取り払っているので、もしかするとランバージャックも正式にⅡだった時期があるのでしょうか。
中包装紙やインナーカットは、至って普通といたところ。
特に香りが漏れているというようなこともありませんでした。
リトルシガーということで、巻紙には煙草葉を加工したシート葉というものが使用されています。加工されているなりにも煙草葉が煙草葉で巻かれているため、見た目や形状はシガレットでもリトルシガーは葉巻に区分されるのですね。
ただし、その巻紙として使用されているシート葉は、多くのリトルシガーと比べると少し様子の異なるものとなっているのです。
それこそ、他の多くのリトルシガーは、このランバージャックのフィルターチップと似たような黄土色に近い巻紙の製品が多いと思います。しかしながら、このランバージャックの巻紙は、マデューロ系のシガーを思わせる焦げ茶色となっているのですね。
巻かれている刻みも、どことなく巻紙と同じように暗すぎず明るすぎずの落ち着いた色のように思えますね。あまり明るい色の刻みではないので、やはりフレーバータイプではないのだと思わせるところでしょう。
何と言うのか、独特の雰囲気を漂わすパッケージデザインと相まって、このマデューロのように味わい豊かそうな見た目です。それだけで特別な気分にさせてくれるかも知れません。
ちなみに、空気穴は肉眼では確認ができず、先の通りフィルターにはチャコールフィルターが使用されています。
味・香りについて感想
この煙草は、かなり本格的なシガーの味わいを楽しめるリトルシガーとなっているのです。
まず、シガレットの香りですが、特に着香感は覚えない葉巻らしい香りとなっていますね。強く香るということもなく、鼻を近づければシガーリーフの香りが確認できるといった具合です。
もちろん細かいレシピは不明ですが、この手のリトルシガーにしては珍しくノンフレーバーという印象なのです。リトルシガーはシガーの中でもフレーバータイプが多いカテゴリーなので、これだけでもアドバンテージとなりそうです。
そして、喫味の方ですが、これがまたマイルドながらシガーらしい味わいを満喫できる仕上がりとなっています。軽やかながら葉巻らしいコクや旨味もあり、舌に残る苦味や渋味は控えめながら「葉巻を吸っているのだ」と思わせるように味わいへアクセントを添えている感じです。
えぐ味や嫌な酸味は感じられず、これぞチャコールフィルターの作用と思わせるように煙の質感は柔らかいものとなっている点も良いところでしょう。しっかりとしていながら、あたりは丸くバランスの良い喫味となっています。
そう。この手のリトルシガーにありがちな刺々しさや硬質感が無く柔らかな印象の煙であるため、何とも喫しやすい味わいとなっているのですよね。それでいて、しっかりとコクや旨味は程よい塩梅に呈してくれるので、初心者から玄人まで満足させてくれそうな感じなのです。
感覚としては、Tar10mgあたりのシガレットと似たような感覚でしょうか。シガレットのような吸い方をしても強すぎて吸えないという印象はなく、しっかりと味わいがありながらリトルシガーにしては軽喫味な部類かと思います。
柔らかいとは言っても、決して軽いという印象に直結するものでもありませんしね。ボディや味わいは中々に豊かなので、きっちりと吸い応えを呈してくれることでしょう。
また、この煙草には目立って分かりやすいフレーバーなどはありませんが、火種も中腹に差し掛かる頃からフワッと赤実のベリーを思わせるフレッシュな甘い香りと酸が現れ始めます。わずかな変化なのですが、もとが素直な喫味であるために分かりやすくも思うところです。
紫煙の香りは、やや甘さを伴う香りとなっていますが、特に不自然な印象や悪目立ちするような香りではありません。特別に面白いものではありませんが、喫味と非常にマッチしていると言えるでしょう。
総じて、JTアイメックスのリトルシガーらしい喫しやすさを併せ持ちながら、しっかりと葉巻として味わえる出来には非常に好印象なのです。コクもありますし、時折ふわっと感じられる甘さは何とも心地の良いものです。
どちらかと言えばノンフレーバーと思えるだろう銘柄ですが、多くのノンフレーバーのリトルシガーと比べると抜群の喫しやすさにありながら独特の柔らかさ、時折の儚い甘さが特徴的な煙草です。フレーバー好きの方には少し気難しいかも知れませんが、葉巻を楽しむ方にとっては扱いやすいパートナーとなりそうですね。
JTアイメックスらしく、喫し方による影響も他の洋銘柄と比べて小さいと思えるため、せっかちさんや喫煙初心者にも向いているのでしょう。
何はともあれ、喫しやすく癖はないものの、確かに個性の光る煙草なのでした。
Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar---mg Nicotine---mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol
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