ガラム・シグネチャー・マイルド の喫煙感想
ガラムのラインナップでは最軽量となるシリーズのノンメンソール版。紙巻「ガラム・シグネチャー・マイルド」を吸ってみた。
銘柄概要
フラッグシップのスーリヤはTar42mgと規格外なタール数値となっているガラムですが、このシグネチャーシリーズはTar15mgとラインナップで最も低いタール数値のシリーズとなっています。それでもTar15mgと、セブンスターのTar14mgを超えていますね。ただし、実際のタール数値から想像するよりは喫しやすいと感じることも多い丁子煙草ですから、このシグネチャーは並みにライトなシガレットとでも言ったところでしょうか。
そんなガラムは、インドネシアの地煙草である丁子煙草の有名ブランドなのです。独特の甘い香りや味わいに、ブレンドされている丁子によりパチパチと音を立てて燃える火種が特徴とされていますね。そのガラムの中でも、取り分けマイルド志向に個性を重んじつつも吸いやすく仕上げられているシリーズが、このシグネチャーシリーズとなります。
さながら「優しいガラム・入門編」とでも言ったところでしょうか。非常に濃い個性が売りでありながら、その個性が一方で取っ付きの悪さにもなっている丁子煙草において、ユーザーフレンドリーに寄り添ったガラムと言えるでしょう。
ちなみに、メンソール版もラインナップされています。
特殊な形状や入り本数のパッケージという印象が強いガラムでも、このシグネチャーシリーズは20本詰めの一般的なラウンドボックスとなっているのです。カラーリングもノンメンソールは赤色をベースにするイメージが強いガラムですが、淡いメタリックブルーという珍しい色使いとなっています。
パッケージデザインは正面も背面も、タールバリエーションとして先に発売しているヌサンタラシリーズと同じようなものとなっていますね。しかしながら、20本詰めのパッケージはヌサンタラシリーズの12本詰めパッケージよりも面が広いため、やや余白の多さに寒色系の色使いとが相まって殺風景な印象を覚えなくもありません。
また、このシグネチャーシリーズは多くの銘柄と同じように20本詰めを採用しているからか、特にパッケージの正面や背面へ入り本数を示す数字は記されていません。特殊な入り本数であることが多いガラムですが、一応は20本詰めがグローバルスタンダードであることを知っているということなのでしょう。
お決まりとなっている感じですが、やはりタール数値はパッケージサイドの表示として小さな文字にて記されるのみとなっています。ガラムとしては破格の低タール銘柄であるとはいえ、それでもTar15mgですからね。気にする方も少ないのでしょうけれど、知らずに買って面を喰らうという方も少なからず存在することでしょう。
このシグネチャーシリーズもヌサンタラシリーズと同じように、パッケージ底面には「EXPORT QUALITY」と記されていました。本国からしてみれば、日本語表記に対応したパッケージは輸出用ということなのでしょう。しかしながら、ヌサンタラシリーズとは異なりシグネチャーシリーズはグダン・ガラムのウェブサイトにも製品ページがあるものの、雰囲気が全く異なる製品であるため、やはり輸出用銘柄なのかも知れませんね。
中包装紙やインナーカットも他のシリーズのガラムとは打って変わり、銀色のものが採用されています。巻紙にはヌサンタラシリーズと同様に縦縞タイプが使用されていますが、ご覧の通りで丁子煙草ならではの成分によるシミは殆ど浮いていません。フィルターチップのデザインも白色のチップに爽やかな意匠が施されていて、他のガラム銘柄とは異なりを見せながらも中々素敵なシガレットなのです。
このシガレットを見て真っ先に浮かんだイメージはというと、それは水の惑星アクアネットですね。2は中々に個性的なステージばかりで面白かったですよね。宇宙戦艦ノアが長い上に難しすぎて、さらにはラスボスが「たおせない仕様」というゲームでしたけれどね。私は夢中になって楽しみましたね。
けっきょく、てんしがたおせなかったけれどね。
空気穴はヌサンタラシリーズと同じように2列で配されていますが、やはり数は増加しています。フィルターはプレーンフィルターですね。ロゴやラインはキラキラとしていて、とっても清冽な印象を覚えさせてくれる爽やかなデザインが非常に良い感じなのです。ガラムと言えばのスーリヤとは全く異なる趣です。
吸ってみた感想・味・香り
この煙草は、何とも取っ付きの良いガラムとなっているのです。
まず、シガレットの香りなのですが、確かにガラムらしい丁子煙草の香りを楽しむことが出来ます。それは独特なミックスフルーツ味のガムのような、不思議で東洋的な甘い香りなのです。しかしながら、やはりヌサンタラやスーリヤと比べると、このシグネチャーでは特徴的な香りも非常に薄らいでいると言えるでしょう。
だからと言って、取り立てて代わりに何の香りが突出しているわけでもありません。そのまま成りにらしく、ガラムらしい香りが比べて薄めに感じられるといった印象なのです。ちょっと詰まらないと言われれば、確かに否めないかも知れませんね。
喫味の方も、やはり最もマイルド志向ということもあり、相応にマイルドな仕上がりとなっています。喫し始めた瞬間からトーンダウンを体感するだろう味わいは、ヌサンタラよりも更に顕著なものとなっているのです。たかがTar3mgという差なのですが、程度で言うならスーリヤ・マイルドとヌサンタラの色差くらいにシグネチャーとヌサンタラも差を感じるはずです。
何と言うか、喫する煙は丁子煙草の香りを呈し、甘さはフィルターチップに塗布された甘味により呈されと、ガラムのラインナップでは役割分担がカッチリとしている印象です。あまり煙や香りには甘さを覚えず、甘味はフィルターチップにより味覚としてのみ呈されるバランスとなっていますね。ボディ感もガラムにしては非常に軽く、やや空虚な印象を覚えるでしょう。セパレート化されているような印象ながら味わいや香りには確かな丁子煙草の個性がありつつも、ボディ感は並みにシガレットらしいとも思えるバランスで、ポジションの通りに喫しやすいガラムとなっているのです。
その味わいには丁子煙草のイメージとは少し異なる、不思議な味わいも見え隠れしているように思えます。それは時折と、キースのジャパン・クラシックのような香りが感じられるのですよね。フィルターチップによる強めの甘味を脳内でフィルタリングすると、より感じやすいかと思います。
また、ガラムのラインナップでは頭抜けて軽い吸い心地となっています。フランクに喫しても嫌な味わいになりにくく、そんな吸いやすさから口数も増え気味になるからでしょうか、一服の時間はガラムらしからぬ短さとなっている印象です。アメリカンスピリットと同等か、それよりも少し短いと感じるくらいでしょうか。
喫煙後の余韻も唇には強く甘味が残るものの、風味としては淡白であると言えます。味覚として残る甘さが完全に勝っていますね。
吸い応えに関しては、日頃からTar8mgからTar10mgくらいの銘柄を主喫している方なら、特に障ることも無く楽しめるかと。かなりライトなガラムです。
総じて、煙は丁子煙草らしい香りで甘味はフィルターチップが呈するという、きっちりと役割分担されている様が印象的な仕上がりのガラムとなっているのです。そのためにボディはマイルド系らしく肉抜き感が強いため、そこを吸いやすいとポジティブに捉えるか物足りないとネガティブに捉えるかで価値は大きく変わるバリエーションですね。個性と吸いやすさのバランスで言えば、個性もギリギリのラインで活かしているヌサンタラの方が秀でているように思えますし、シグネチャーは吸いやすさに特化している印象です。
私的には、丁子煙草の味わいは程々に、それよりもフィルターチップの甘味を存分に楽しみたいという向きの方こそは、このシグネチャーがマッチするように思えますね。シグネチャーしか知らなければ、それは大変と個性的な煙草と思えるのでしょうけれど、ラインナップを上から下ってきた方は間違い無く「物足りない」と思ってしまいそうな感じなのです。
何と言うか、ちょっと一体感に欠ける分離の良いガラムですね。エンジニアにより一体感を大切にミックスされたオーケストラ音源を、独自の環境で分離感を際立たせてニヤニヤするタイプのオーディオマニアが好きそうな感じなのです。
総合的には、個性も確かに軽快でフレンドリーな、何とも取っ付きの良いガラムなのでした。
Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar15mg Nicotine0.8mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol
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