Gauloises Caporal を吸ってみた

ゴロワーズ・カポラル の喫煙感想

 フランス伝統の黒煙草は代名詞的存在である銘柄。紙巻「ゴロワーズ・カポラル」を吸ってみた。


銘柄概要

 フランス伝統の「黒煙草」と呼ばれる銘柄の一つで、堆肥発酵させた色黒な煙草葉を使用することから、他の一般的な銘柄とは異なる独特の味と香りを持ち合わせた銘柄となっています。このゴロワーズや、他にはジタンという銘柄が有名ですね。

 また、このゴロワーズはフランスや異邦を思わせるキャラクター性が強いため、多くの芸術作品にも登場していたりする銘柄です。音楽作品を始め、国民的アニメであり世界的アニメでもあるルパン三世シリーズでも登場が多いため、知っている方は多いのではないでしょうか。私的には、やはりダイハードの煙草といったところであり、あまり良いイメージでは使われていないけれど、かなり印象的なアイテムとして登場していますよね。毎度のこと「そんなにボロクソ言わんでも・・・」と思いながら観ていましたから。

 ちなみに、ルパン三世でも似たような使われ方が印象的なので、やはり「そんなにボロクソ言わんでも・・・」と思ってしまいます。中々に不憫な銘柄なのです。

 何故にそうもという点に対して先に述べるなら、この黒煙草というカテゴリーは香りが非常に独特であり、フランスの地煙草という特性と相まって人物特定の描写に一役を買うことが多かったりするためなのです。そして、結び付く大体の人物が悪者というね。

 うん、やっぱり不憫な銘柄だ。

 ゴロワーズというのは「旧ゴール地方の女性」という意味なのだとかで、その地方の人々が陽気な人柄であったことから転じて「陽気な」という形容詞としても使われている言葉だとか。また、イラストはフランス伝統の兜防具らしいのです。フランス語って、分からないと本当にチンプンカンプンですよね。どうしてコレがゴロワーズと読めるのだ。

 ちなみに、この煙草の銘柄名は「ゴロワーズ・カポラル」となっていますが、パッケージにはカポラルという旨の表示はありませんね。その代わりに「BRUNES」という表記があります。これは、パッケージデザインを変更した際に「CAPORAL」の表記が「BRUNES」という表記に差し替えられたものの、国内流通における登録銘柄名は「ゴロワーズ・カポラル」のまま引き継がれているということに起因するチグハグだったりするのです。

 その「Caporal(カポラル)」というのは「伍長」という意味で、上等品であることを演出するために冠されていた言葉だそうですが、現在の「Brunes(ブリュネ)」というのは「褐色」という意味なのだとか。ゴロワーズは「BRUNES」と冠する黒煙草ラインナップと、その他に「Blondes」と冠するアメリカンブレンドタイプのラインナップがあるのですが、フランス人にとってスタンダードであった色黒な刻みを使用する黒煙草に対して、諸外国の煙草は刻みの色が明るいことに由来しているのかと。

 このゴロワーズ・カポラルは、レギュラーサイズという少し時代錯誤な短いシガレットサイズであり、パッケージもレギュラーサイズに似合う小振りなソフトパックとなっています。しかも、今では珍しいものとなった両切り仕様。

 もちろん、ノンフィルター仕様なのでフィルターチップは無く、シガレットは巻紙と刻みのみで構成されています。筋目の無い巻紙に銘柄がスタンプされた、シンプルな外観のシガレットなのです。

 昔の人は、この短いサイズに不満は無かったのかな?


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、黒煙草の個性に全開ながら、両切りのわりに親しみやすい吸いやすさを持ち合わせる煙草なのです。

 まずはシガレットの香りですが、やはり同じく黒煙草であるジタン・カポラルと非常に似た香りとなっていますね。魚介出汁のような旨味を感じさせてくれる、何とも親しみを覚えさせてくれる香りなのです。ジタンと比べると、甘い香りが排されているような点が特徴ではないでしょうか。

 喫味の方は非常に黒煙草らしい個性に溢れるものとなっていて、やはり一般的なアメリカンブレンドやバージニアブレンドのシガレットとは大きく異なる味わいとなっています。どちらかと言えばシガーに近いような味わいにも思えるため、まるでシガーのオルタナティブといった印象を覚えさせてくれるでしょう。

 この味わいにはシガレットの範疇を飛び出しているかのように豊かなコクがあり、両切り故か香り立ちも華やかで鮮明なものです。ジタンとは異なり甘味は控え目な印象となっていて、ほどよい苦味とコクに全力傾倒な味わいなのですね。

 もちろん、豊かなコクにキレの良い苦味と、言葉だけなら中々にヘビーな印象の特性ですが、そこは黒煙草の例に漏れず「吸い心地は軽快」という妙なバランスとなっています。黒煙草ならではのキック感にも似たスパイシーさこそが、コクに長けたる味わいを単に鈍重なものとしない良きアクセントとなっているのでしょう。何本か吸うと甘味も増してくるため、軽快ながら非常に吸い応えのある、とても愉しい煙草なのです。

 喫する際に留意したいことといえば、両切りであり灰が比較的しっかりとしているという点です。あまり灰を落とさずにいると、立ち上るはずの煙が灰に行く手を阻まれて吸い口へ逆流してきます。このような状態で喫すると少し雑味が目立ってしまうため、クールスモーキングには反しますが、私的には小まめに灰を処理して喫したいところですね。この点に関しては、少しフィルターが恋しくなったりもしたりなのです。

 ちなみに、両切りで豊かなコクとキレも良く、強めに感じられる苦味が素敵な味わいとはなっていますが、喫煙後の余韻は意外にも淡白で後に引きません。これも黒煙草ならではに思え、私的には良い感じです。旨塩煎餅を食したあとみたいな、和風出汁にも通ずるテイストが僅かに残る程度ですね。

 そして、紫煙の香りは巷で噂の通り、発酵と燃焼といった要素を思わせる独特の香りではありますが、そう堪えるものではないと私的には思います。特に何とフレーバードな香りでもないですし、あくまで煙草の範疇に収まる香りだとは思うため、気にするのなら人生を少し大らかにした方が良いかと。

 総じて、両切りという時代錯誤な仕様の煙草ではありますが、意外にも軽快と思えるだろう味わいの煙草です。それでいてコクや甘味に長けるのですから、それはもう優秀な仕上がりなのです。確かに、葉っぱは多少なりとも口に入りますし、その葉もピースやゴールデンバットなどと比べると辛味が強く、些細な一片でも存在感は大きいです。しかし、それで腹が満たされるわけではありませんから気にはしません。もし気になるようなら、ゴロワーズもジタンも共に黒煙草として喫味に大きな差は無いため、フィルター付きのジタンを選べば良いだけです。

 う~ん、素敵な煙草ですねぇ。かつての愛煙家が異邦の文化として注目したことも納得の、何とも個性に溢れる美味い煙草なのです。

 でも、私的にはジタン・カポラルの方が好みかな。ふくよかなボディ感で甘味も主張するジタンの勝ちなのです。ゴロワーズ・カポラルは、攻めにも思える味わいである気がしますから。よくよく考えてみれば、それはゴロワーズとジタンの名やパッケージデザインが物語っているのかも知れませんね。

 ツンデレ派は、ゴロワーズで。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar10mg Nicotine0.8mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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