Lark Smart Plus 14mg Box を吸ってみた

喫煙に関する内容を含みます



 概要:紙巻「ラーク・スマートプラス・14mg・ボックス」の喫煙感想



 いきなり飛び級のように登場したスマートプラスシリーズのTar14mg。紙巻「ラーク・スマートプラス・14mg・ボックス」を吸ってみた。


 少し安めの価格設定を最大の武器に、独特のシガレット規格や1箱19本詰めなどの特徴を持して登場したラークのスマートプラスというシリーズ。そのシリーズに新たに加わった、ノンメンソールでTar14mgという銘柄なのです。

 ちなみに、このスマートプラスシリーズは2016年5月にラインナップされた、いわゆる比べて低価格であることを売りとする「格安煙草」です。スタンダードなノンメンソールやメンソールに加え、後発ではフレーバーメンソールまでラインナップするシリーズですが、しばらくはTar1mgのみというラインナップであったのですね。

 それから2018年の4月と約2年が経ち、いきなりミドルクラスを無視してTar14mgというハイタールな仕様を持してラインナップに新製品が投入されたのです。ちょっと、色々な意味で「おぉ!」という様子を呈しているのではないでしょうか。

 それというのも、ここ最近は電子タバコのアイコスに注力するため「紙巻は完全縮小という流れを明示していたフィリップモリスです。様々な銘柄廃止が続き、新製品のリリースは完全に途絶えていたという最中ですからね。そこで、急に多くにとって馴染みも薄くなったであろうハイタール仕様の製品を投入となれば、やはり「おぉ!」というのか「おぉ?」となることでしょう。

 ただし、わりと思惑は簡単に察しが付くかと思います。

 ここ最近は電子タバコの普及により、多くはライトクラス以下を主喫していた方々を中心に電子タバコへシフトしていることでしょう。その半面で、紙巻の価格は一方的に上昇を繰り返しているという認識も強いはずです。さらには、その最中で区分は葉巻ながらシガレット感覚で楽しめることを売りとする、フォルテやダブルはピネスなどといった破格の新規リトルシガー銘柄がヒットしている背景も周知のことかと思います。

 そして、フィリップモリスが最も狙うところは、特別税率の廃止に伴い値上がりが続く日本たばこ産業の旧三級品のユーザーでしょう。併せて、Tar14mgという設定からアイコスでは牙城を崩せない国内最大銘柄のセブンスターの愛飲者を狙う意図も、察するに易いかと。

 要するに、全力傾倒で電子タバコのアイコスを一騎当千へ育て上げると啖呵を切ったは良いものの、やはり「紫煙」の矛でしか討てぬ相手を知り、作戦を修正したような感じですね。この場合は討伐というよりも懐柔という方が正しいかも知れませんが、そんな様子に戦略的な意図をプンプンと漂わせる煙草なのです。

 ちなみに、メーカーによる製品特徴としては「Tar14mgならではの力強い味わいと厳選されたブレンドによるスムースさ」や「フィルターに搭載されたテイストコードによる力強い味わい」を謳っているようです。キャッチコピーは「強さを超えた、凄味。」だそうですね。

 とにかくハイタールであることと、それによる吸い応えを主にアピールしているようです。何とも外国煙草らしいというのか、内容は強弱や大小が主たる内容で、味や香りの内容については度外視したような売り込みには、ある意味で「変わらぬ安心感」を覚えるところなのです。



 奇抜なメタリックカラーのデザインという印象が強いスマートプラスシリーズですが、この14mgは吸い応えを印象付けるためかマットブラックな装いとなっています。もはや同じシリーズとは思えないほどに、見た目の印象は異なるものとなっていますね。

 はっきりと言って、これまでのTar1mgのスマートプラスと比べると、格段にデザインの印象は良くなっていると思います。



 パッケージの形状は、これまでのスマートプラスシリーズと同様の特殊形状となっていますね。正面のサイドエッジが独特な形状の、やや小振りな印象を覚えさせるパッケージなのです。

 やや細く、やや長いシガレットで、さらには19本詰めなので、何とも言えないサイズ感がスマートプラスシリーズの特徴ともなっているのです。

 ちなみに、Tar1mgのスマートプラスシリーズには、パッケージサイドに燃焼時間が長いなどの特徴をアピールする表示があったのですが、このTar14mgにはアピール表示が全くありません。厳密には「MORE TASTE」「MORE TIME」「LESS SMELL」の表示が無いのですね。

 まぁ、確かにTar14mgの製品告知では「吸い応え」や「スムース感」をアピールするのみで、これまでのスマートプラスシリーズとは一線を画すような感じです。機能性よりも、とにかく吸い応え重視ということなのでしょう。



 中包装紙も従来のスマートプラスシリーズと同様に、環境配慮型のペーパーインナーライナーとなっていました。これから従来の銀紙に取って代わり増えてくるだろう、エコロジーな中包装紙ですね。

 ちなみに、このペーパーインナーライナーですが、機能性は従来の銀紙と比べても遜色は無いと言われているそうです。




 私的に意外であったのは、このシガレットデザインでした。特殊な太さや長さは従来のスマートプラスシリーズと同様なのですが、チップデザインは非常に簡素な印象のものとなっていたのです。

 これ、良く言えば非常にシンプルなデザインとでも言うのでしょう。しかしながら、実際のところは「やっつけ感」というのか、かなり寂しい印象を覚えるものとなっていますね。何と言うのか、私の第一印象は「手を抜いたな」というものでした。

 仕様としては、よくあるデュアルチャコールフィルターですが、製品告知によるとTar1mgのスマートプラスと同様に味わいを増強するテイストコードがフィルターに搭載されているようです。ただし、吸い口から青色のテイストコードが確認できるTar1mgとは異なり、このTar14mgはパッと見てテイストコードは視認することが出来ません。目の及ばない中の方に搭載されているのかも知れません。

 空気穴は、とても目を凝らすと「これがそれかな?」と思える程度のものが設けられているように見えます。それなりに凝が使えるハンターでないと、存在に確信を持てない感じですね。


味・香りについて感想



 この煙草は、しっかりとTar14mgという相応の吸い応えはあり、取り立てて何か安かろうと問題を感じさせることも無く一服の満足感は高めです。ボディも相応にパンチと重厚感があり、それでいてスムースを謳う通り何かが引っ掛かるような印象もありません。

 ただ、わりと味わいに関しては面白味に欠けると言うのか、確かにラークの個性を感じさせつつも淡白な印象が残りますね。特筆するような葉や香料の印象は非常に薄く、ややバーレーのような主張や辛味ばかりがバランスの中で目立つような気もする点に淡泊さを感じなくもないのです。

 味・香りといった味わいの点に関しては、ほんのりとラークらしい独特の香りや味わいも感じられます。しかしながら、そのラークらしい個性はフルフレーバーの赤いTar12mgのラークはおろか、マイルドクラスよりも主張は非常に抑えられている印象です。これも確かにラークの一つなのだな、といった程度なのです。

 何より、どことなく既存のTar1mgのスマートプラスや、今は無きラークのロイヤルブレンドを彷彿とさせるような味わいにも思えます。それは詰まるところ、何と言うのか、煙草っぽいというのか、煙っぽいというのか、そんな感じなのです。

 意外なところでは、今は無きセブンスターのブラック・インパクトなんかにも近しい印象を覚えますね。雑な例えだと、クオリティに不満は無いものの味わうという向きの楽しみ甲斐は薄く、充足感を得る向きに傾倒しているような仕上がりなのです。

 でも、不満は覚えないだろう仕上がりとはなっています。やはりスマートプラスという安めの価格に相応と言うのか、Tar1mgのノンメンソールやメンソールと同様に個性は際立つ事も無いだろう仕上がりです。それゆえに、かなり無難に万人向けな落としどころを狙っているとすら思えてきますね。

 そして、特筆されていないことも納得と、特に喫煙時間が長いなどといったTar1mgのスマートプラスで謳われている機能的個性も目立って体感はしないでしょう。無風の室内で喫すれば少し長いかなと思える程度に不満なく楽しめる時間が確保されていますが、Tar1mgとは異なり空気穴が少ないゆえか普通に燃焼は進むといった感じが総合印象なのです。

 総じて、ややラークらしい独特の味わいが顔を覗かせながらも、全体的には非常に大人しく個性を抑えた印象の煙草となっています。味わいにおいて楽しみ甲斐というのは希薄な印象であるものの、しっかりとした煙草らしい喫煙の満足感は呈されるという、価格なりに基本は押さえてプラスアルファは除いたような仕上がりなのですね。

 比べて安価でも決して悪くはありませんが、特に目を輝かせるようなキャラクターも無いといったところです。むしろ、ここまで王道的な外国煙草らしい味わいという点は、あえて個性と言いたいところでしょうか。

 また、競合としては先述の通りで、思いっきりセブンスターや旧三級品の愛飲者を狙う製品です。ボディによる喫煙感や充足感では負けてはいないものの、この無難なキャラクターに対して、どう捉えるかで価値は大きく左右されそうですね。

 うーん。私的にはアイコスという電子タバコに全力傾倒で紙巻が寂しいことになっていたフィリップモリスの、それこそ久々となる紙巻新製品ということで、ちょっとウキウキしていたのですが・・・。

 端的に述べれば、特筆すべきは「価格」くらいな印象でしょうか。過不足も無くバランスの良い仕上がりなのですが、やや企業間の戦に意識が傾きすぎてユーザーがおいてけぼりというのか。それこそ価格を餌にしておけば良いだろう感を強く印象に残してしまった感じなのでした。

 ほんと、決して悪くはないですよ。私的には面白味が無かったというだけなのです。

 むしろ、強いて言えば、これほどまでにカッチリと型はまりなキャラクターは、昨今では貴重とすら思えますから。その上で、ほんのりラークらしい味わいを感じさせてくれるバランスも良い線を行っていると思いますしね。

 ただ、まぁ、やはり価格一番で勝負に出てきたということを強く感じさせるというのは、やや悲しいものなのです。時期も時期で答え合わせの頃合いですし、日本の紙巻市場においての外国煙草は「価格ありき」でしか勝負が出来ないという、何とも悲しい一つの結論のような煙草に思えてしまったのでした。

 私なら、ウエストを買うかな。
 

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar14mg Nicotine1.2mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol


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