Peace Classic を吸ってみた

喫煙に関する内容を含みます


 概要:紙巻「ピース・クラシック」の喫煙感想

Peace Classic

 ピースの誕生70周年を祝して限定販売された国産最高額の製品。紙巻「ピース・クラシック」を吸ってみた。


 2016年はピースが誕生して70年という節目となるらしく、そんな誕生70周年を祝すように限定販売された「ピース・クラシック」という煙草です。全国で8万パックのみ、カートンで言うところの8,000カートンのみが対面式の販売を行う煙草屋さんに限定して流通するようですね。

 さらには、入荷そのもがメーカー割り当て方式となっているらしく、製品そのものと条件ともに本格的に限定感を漂わせる銘柄なのです。

 ちなみに、この点に関しては先のパーラメントの限定版が生産数100万パックの一般流通であったことからも、中々の希少さは容易に察しがつくかと思います。恐らくは、ほとんどの取り扱い店舗で「お一人様につき一つまで」といった販売個数の規制が設けられるのでしょう。

 そんなピース・クラシックは価格設定も非常に振り切ったものとなっていて、先のザ・ピースが1パック1,000円という驚きの価格であったことも然ることながら、それよりも高価な1パック1,500円という価格が設定されています。もちろんのこと入り本数はザ・ピースと同じく20本となっているため、決して徳用というわけではありません。限定製品ながら国産銘柄の最高額という記録を塗り替えたのです。

 そして、製品特性としては高級バージニア葉を惜し気もなく使用するなどの特性は従来のピースより引き続きだと思われます。しかしながら、その従来のピースの香りとは少し趣を変えて、このピース・クラシックでは「フローラルな香り」を含ませているとのことです。

 その他にはザ・ピースと同じくTar10mgながら煙の量は少し控えめにして香り立ちを強めているといった個性化も図られているそうで、ややピースの中では特異なバランス感に仕上げられているとか。これは開発を担ったブレンダーさんが日本特有の「だし文化」を意識したものによるそうです。

 何はともあれ、ピースという堅牢なフィールドであるためにブレンダーが渾身の姿勢で臨んだことは疑いもありません。もう、喫する前からワクワクが止まらないのです。


Peace Classic

 一般的なシガレットとは大きく異なるパッケージは、大まかにはザ・ピースと同じ仕様となっていますね。いわゆる平型パッケージで、基本的に高級銘柄で採用される傾向のパッケージ形状なのです。

 それでいて、アニバーサリー銘柄らしく絢爛な雰囲気を漂わせるデザインが、更なる高級志向を感じさせてくれるのです。

Peace Classic

 愛煙家なら大して気になる数字でもない気はしますが、このピース・クラシックはザ・ピースと同じようにTar10mgとなっています。吸い心地と味わいをバランス良く呈してくれるだろう、軽すぎず重すぎずな設定とも思えます。

 これはスタンダードなピースのラインナップだと、ピース・ライトと同じタールクラスなのです。


Peace Classic

 ちなみに、お祭り的な製品らしく付属品もありました。

 その一つはA4サイズのオリジナル冊子で、ピースに関する特集が数点ほど組まれていました。中々に立派な冊子なのです。


Peace Classic

 もう一点は、メーカーからのメッセージカード兼コースターです。パッケージに合わせたデザインが施されていて、背面にメッセージが載せられています。

 正直なところ、これをコースターにしてしまう人なんていないのではないかな。


Peace Classic

 いよいよ、開封です。

 しかしながら、ザ・ピースと同じパッケージ仕様であるためにシガレットは厳重に保護されていますね。外箱を取り除くと、その中からは平缶が現れます。

 その平感も形状こそザ・ピースと同じですが、絢爛な雰囲気となっているのです。


Peace Classic

 ザ・ピースは堅牢かつ重厚な趣の平缶ですが、ピース・クラシックでは幾分と軽やかに華やかな印象を覚えますね。とっても素敵なパッケージなのです。

Peace Classic

 缶の開閉もザ・ピースに同じくです。ここまでに外装を開けては取り除いてを繰り返してきたわけですが、まだシガレットは姿を現しません。

 あと、ザ・ピースの時もでしたが、このパッケージの驚くことは「香りが全く漏れていない」という点でしょう。デザインも然る事ながら、機能性も非常に優秀なパッケージなのです。

Peace Classic

 優れた気密性を実現しているシールディングです。恐らくアルミ製と思われるシールディングは効果も抜群なのでしょうか、本当に微塵も香りが漏れていません。

 ピースカラーに仕上げられた表面は、浮き出しでピースのロゴがリピートデザインされているザ・ピースと共通のシールディングとなっているのです。


Peace Classic

 いよいよシールディングを取り除く所作は、もうワックワクのドッキドキです。

 このシールディングを取り除く先にも丁寧な紙包装が施されていますが、このピース・クラシックはザ・ピースよりも香りを豊かに仕上げているということもあり、シールディングを取り除いた際の香りの放たれ方は尋常ではありません。喫煙を嗜む嗜まないに関わらず、誰もがウットリとしてしまう香りがブワッと攻めてくるのです。

 これはもう、煙草を喫さなくてもいい。この香りは多くの方に知ってもらいたい、何とも良い香りなのです。

Peace Classic

 シガレットデザインはピースらしいデザインとなっていますね。あしらう色も紺と金で、意外と控えめな印象ながら一目にピースだと感じさせてくれるデザインなのです。アイデンティティを確かに感じる素敵なデザイン。

 仕様面もピースらしく、白基調のフィルターチップにプレーンフィルターという硬派なもの。


味・香りについて感想


 この煙草は、決して価格のインパクトに負けることのない、やはり非常に高いクオリティにて仕上げられている煙草となっているのです。

 まず、何といっても中包装を取り払う瞬間から堪能すべき時間が訪れるのはピースならではの醍醐味です。その中包装を取り払うと一斉に溢れ出す香りは同系統であるザ・ピースと共通する要素がありながら、まるで高級な日本酒やブランデーを思わせる芳醇なリカーの香りも多分に感じられます。

 これはピースらしい華々しい甘酸っぱさの「酸っぱい」の部分が少しだけ抑制され、その代わりに柔らかさを感じさせるような香りによるものではないでしょうか。

 そして、喫味の方は「フローラル要素の付与」というに納得の、プラスアルファを豊かにピースの味わいを堪能することが出来るものとなっています。やや煙草感を減らし、香りに全力傾倒したような味わいと質感が印象的ですね。

 もちろん、苦味や辛味に酸味といった嫌な要素は全く無く、微塵の野暮ったさも感じられない様はザ・ピースゆずりです。そんな少しカラリとした質感が香ばしさを引き立てているザ・ピースと比べると、こちらは特別な香りにより柔らかさと少しの瑞々しい印象を覚えます。

 何というのか、紳士な印象が強い味わいであるピース銘柄にしては、まるで貴婦人のような品格のキャラクターが特別感を感じさせる様が素敵な煙草なのです。

 また、確かに煙の量はTar10mgという仕様にしては控えめな印象であり、ワンクラス下のタール仕様とも思える量感となっています。しかしながら、かなり豊かに感じられる香りと風味により吸い応えに不足は全く無く、非常に充実した一服を呈してくれる仕上がりに魅せてくれるでしょう。

 これで同じように煙の量が発生するとバランスが崩壊しそうな気もするので、あえてイコライジングのように煙の量を抑えていることは容易に察しがつくかと。それくらいに豊かな香り立ちの煙草なのです。

 心地の良い紫煙の香りも少し従来のピースとは趣のことなる印象でありながら、確かにピースらしい香りです。香りの豊かさもあってか喫煙後の余韻も華やかであり、喫し終えたからといって一服が終わるでもない幕引きの余韻には恍惚も必至でしょう。

 総じて「香ばしさに際立つ」と表現したいザ・ピースに対して、このクラシックは「フレグランスに際立つ」と横文字で表現したいような仕上がりとなっています。既に「極まれり」と言わんばかりの仕上がりに魅せた順当にピースの内包する要素のみで昇華されるザ・ピースを、付加価値により更なる高みへ昇華した逸品なのです。

 肝心なことは、その付加価値のチョイスが非常に妙であり、ブレンダーさんのピースに対する真摯な姿勢と愛情がヒシヒシと伝わる素晴らしい選択と表現であるということ。もちろん、その選択と表現は可能にする技巧あってこそ。

 この煙草は、盲目的に口を開けば「ピースではない」と言うのかも知れない。しかし、この煙草もまた、確とピースなのです。

 こんな不埒な輩はいないとは思いますが、高価なくせにザ・ピースと大差も無いのだろうなどと考えの方へ。この煙草はブラインドテイストでも分かるくらいにピースらしさと特別な個性に満ちた煙草なので、要らんニヒリズムは捨てるが良しです。日本の愛煙家、そしてピース党なら必ずや記憶に刻み込んでおきたい煙草であることは言うまでもなくなのです。

Peace Classic

 この煙草は完全限定製品という儚さに嬉しくも悲しくですが、それもまた一興なのです。次は、早くても十年後なのでしょうか。その時は喫煙文化の志向や環境も今とは大きく異なるかも知れません。それでも、どんな時代になろうとも、是非で願い続けましょう。とりあえず、とっても良き煙草を楽しませてもらいました。

 というか、最近は人間らしさを主張する一方で、人間らしさや文化の排斥活動が顕著ですよね。クラシック音楽や古典的プログラムが現代では廃れているように、古典文化というのは次第に忘れ去られるか淘汰される節理なのですかね。それも金銭や思想で生き死にが分かたれるのなら、文化としては尚のこと始末が悪いですよね。

 資金援助が打ち切られ苦難するオーケストラ文化と、贈賄活動で傲慢に続く酒文化など、世間に弾圧され自主的に委縮していく喫煙文化と、それぞれ文化として対比すれば面白いでしょう。

 でも、クラシック音楽は廃れたとしても、シンフォニックオーケストラが無くなることはないでしょうから。細かいことは気にせずに、形だけでも残れば良いのですが。

 オペラって、おもしろいっすか?

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar10mg Nicotine1.0mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol


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