Wychwood Hobgoblin を飲んでみた

飲酒に関する内容を含みます



 概要:ビール「ウィッチウッド・ホブゴブリン」のレビュー



 特徴的なラベルで有名なイギリスのウィッチウッド醸造所が製造しているゴブリンなビール。ビール「ウィッチウッド・ホブゴブリン」を飲んでみた。


 あまり多くで見かけることも少ないビールかも知れませんが、イギリスのウィッチウッドというメーカーが作っているビールなのです。どうやらイギリス国内はもとより、世界的にも有名なブランドであるのだとか。

 まぁ、こんな極東の島国にも正規輸入代理品として輸入されているほどですからね。順序を踏まえれば、海の外で有名でないわけもないのでしょう。

 ちなみに、こちらの個性的なメーカーウェブサイトを見て回った限りでは、このホブゴブリンという銘柄がメーカースタンダードであるような印象を覚えます。日本のメーカーサイトには無いキャラクターが個性的な、とっても面白いウェブサイトなので暇な時にでも御覧になってみて下さい。




 キャラクターが目を引く、中々に特徴的なラベルのビールとなっていますよね。スーパーのビール売り場で並んでいても、他のビールより目に留まりやすそうですね。日本や諸外国でも珍しい個性かと思います。

 ちなみに、ホブゴブリンというのは、詰まるところゴブリンのことだそうです。ヨーロッパで伝承される森の妖精なのだとかで、日本では「ホブ」を省略して「ゴブリン」と表現されることも多いのです。人型ということ以外には様々な容姿特徴で表現されているようですね。

 何となくですけれど、このビールのラベルのように欧州では鼻と耳が長く毛深めの男性のような容姿で描かれることが多いと思います。それに対して、日本やアメリカでは緑色の肌で毛が薄いマッチョの男性のように描かれることが多いですよね。

  何と言うのか、主に二次創作が盛んな国において、ホブゴブリンは化け物という扱いのようです。

 あと、このウィッチウッド醸造所は様々なビール銘柄を製造していますが、このビールのように「ゴブリン」と冠するビールを幾つか製造しています。それはホブゴブリン・ゴールドだったりキング・ゴブリンだったりと、まるで国産の某RPGのような感じですね。




 ボトルの首周りにはメーカーであるウィッチウッド醸造所のシンボルでもある魔女のイラストがデザインされています。ラベルのホブゴブリンの目立ち方といい、このメーカーはキャラクターが大好きなようですね。



 きれいなブルーの王冠は、ホブゴブリンのデザインでした。わざわざ銘柄ごとに王冠まで専用デザインしていると思うと、個性の演出に中々のこだわりを感じさせてくれるでしょう。

 そろそろ、ホブゴブリンがイケメンにも見えてくる頃合い。



 ちなみに、よくある日本の地ビールのようなサイズに見えてしまうかも知れませんが、その実は500ml詰めの製品であるため、ボトルは中々に大きいという印象を覚えさせてくれるのです。

 いわゆる、これは日本のビールで言うところの「中瓶」ですね。



 このホブゴブリンは、チョコレート麦芽(チョコモルト)を使用したチョコモルトビールと言うことで、ビールの色味は褐色色となっています。ほんのりと泡もブラウンカラーとなっていて、その色味は紹興酒のようなのです。

 泡に関しては、やや立ちにくく、なめらかさやキメの細かさは特に感じないかなといったところ。

 日本だと馴染みも深くはないだろうチョコモルトビールは、よくバレンタインデーが近づくと大小様々なビールメーカーが限定醸造していたりしますよね。決してチョコレートやカカオを使用しているわけでないのですが、そのような風潮からも知っているという方も多いのではないでしょうか。

 ちなみに、これは「黒ビール(ブラックビール)」なのかと言われれば、色味こそ褐色なので黒ビールと呼んでも問題は無いのでしょう。日本における黒ビールの定義は、色の濃い麦芽を使用した色の濃いビールは黒ビールとされているので、それゆえなのです。

 ただし、このホブゴブリンは特に黒ビールとは謳っておらず、製品諸元には「ビール」と表示されているので、あしからず。  

 正直なところ、美味しければ何だって良いですよね。私は知識も必要としていないので、もはや開き直っているのです。


味・香りについて感想



 このビールは、思っていたよりも軽くて飲みやすい好みのビールなのです。

 私は、それこそバドワイザーや青島ビールにように「軽さこそ正義!」といったようなビールが好みです。それゆえに、この手の褐色系ビールは「ちょっと味が濃そう・・・」と敬遠しがちなのですよね。

 しかしながら、このホブゴブリンはビジュアルの私的な取っ付きの悪さに反して、中々に飲みやすいと感じるビールなのでした。

 確かに、強く焙煎した麦芽を使用するチョコビールらしく、ほんのりと焦がしカラメルのような、もしくはビターチョコを食べたときの余韻のような味わいが楽しめます。その反面で、ホップの香りやらが控え目で、後味も非常にスッキリとしているのですよね。

 それこそ常温で飲めば一口あたりの余韻も、そこそこパワフルに残ります。でも、冷やして飲むと後味なんて食べ物に負けて殆ど感じられませんから。全く食事の邪魔をしません。

 というか、ビールは冷えててなんぼですよね。たまにかぶれて「本場は常温で云々」という輩がいますが、もはやビールは本場も糞もへったくれも無く飲む側も作る側も世界的に普及していますから。彼の言う本場とやらとアジアとでは、それこそ美味しくビールを飲む環境も大きく異なるでしょうしね。

 中国文化のように「冷えたものは内臓に悪い」というのなら話は別ですが、美味しく飲むためなら東南アジアのようにたっぷりと氷を入れて飲むのも厭わないのですよ。

 ということで、中々に軽い飲み口が飲みやすいと思える、それでいて確かにチョコビールらしい味わいも楽しめる、軽いビールが好きな方のためのチョコビールなのでした。そんなに炭酸も強くは無いと思ったので、正に食事や季節を問わずに気兼ねなく合わせて楽しめるビールなのではないでしょうか。

 森の妖精は、すこし癖がありながらも意外とマルチに仕事をこなす出来るやつなのです。


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