しんせい を吸ってみた

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 安さと古さがウリの旧三級品の中でも、取り分け地味な存在となっている両切りの煙草。

 「しんせい」を吸ってみた。

 日本専売公社が設立されてから間も無く発売され、戦後復興を願い「新生(しんせい)」と名付けられたという中々に歴史のある煙草です。この煙草は贅沢品としての品質が低くなっていることにより一般的な銘柄とは異なる「特別税率」なるものが適用され、価格が非常に抑えられている「旧三級品」という銘柄の1つともなっています。

 また、2015年の現在、今後は「特別税率」そのものの存在が段階的に撤廃されるという流れが決定となっていますが、その特別税率が有効となっている今のところは一般的な銘柄の約半分の価格で展開されている「安煙草」とも呼ばれるカテゴリーですね。

 この他には、同じく両切りの「ゴールデンバット」や、フィルター付きの「エコー」に「わかば」といった銘柄が旧三級品に該当しますね。マニアックなところだと、沖縄煙草も何気に旧三級品と同じ扱いだったりします。

 ちなみに、この「しんせい」は非常に地味な銘柄である一方で、ルパン三世シリーズの銭形幸一が愛飲していることでマニアックな知名度を有する銘柄だったりします。確かに、ルパン三世の劇中でも何度となく銭形や作品のシンボリックなアイテムとして登場していましたから、ただの喫煙者よりもアニメファンの方が知っていることの多いような銘柄かも知れませんね。

 また、いちいち小道具が流行るジェームズ・ボンドも劇中で吸ったことがあるとのことで、インターポールにMI6と、中々な顔ぶれ。

 まぁ、実在はしないけれど。

Shinsei Shinsei

Shinsei エコーやゴールデンバットと同じく、いわゆる「レギュラーサイズ」というシガレットサイズ。

 現在の標準サイズとも言えるキングサイズと比べると少し短めのシガレットとなっているため、パッケージも少し小振りなものとなっているのです。

 また、沖縄銘柄を除く旧三級品はビニール包装が施されていないため、紙製のカートンには直に裸のソフトパックが詰められているといた包装仕様となっています。無駄に神経質な方には向かない仕様かも知れませんが、パッケージデザインと相まって中々に趣の溢れる煙草ですよね。

Shinsei Shinsei

 フィルターが無いのでフィルターチップも無く、巻紙と煙草葉のみで構成されたシンプルなシガレットは特に方向性の決まりは無いのですが、一応はアーミー風なグリーンカラーのインクでロゴがスタンプされているので、自ずとスタンプ部分に手を添えて喫するような感じ。

 ちなみに、秤も使わない感覚論ではあるものの、同じ旧三級品で比べればゴールデンバットよりは葉の詰まりが良い印象なのですが、やはりピース(10)と比べれば詰まりの悪い印象は否めません。それでも、特に口に葉が入り込んでくるような煩わしさは感じませんでした。


喫煙の感想・味・香り

 この煙草は、安煙草と呼ばれているからといっても、吸い方の次第では安物らしからぬ煙草へと昇華する様が痛快な煙草となっています。

 シガレットの香りから「これがどうして安物」と中々に良い香りです。私的に香り付けが強烈なイメージの旧三級品にしては、程好くスッキリとした心地の良い甘さの香りとなっています。この素朴ながら上品にも感じる香りは、とても安物とは思えませんね。

 喫味の方も、優しい甘さの香ばしさが非常に心地の良さを覚えさせる味わいであり、素朴でありながら中々に上質とすら感じる仕上がりとなっています。両切りゆえに喫し方には相応の正しさが求められますが、ゆっくりと丁寧に喫すれば苦味や渋味も無く、ひたすらに豊かな量感の煙量と素朴な香ばしい甘さが楽しめるので、安物ながら非常に好印象な煙草ではないでしょうか。

 ただ、火種を尖らせ野暮ったく雑に吸うと劇的に辛い煙草へと豹変する点には、他の旧三級品と同じく要注意。

 一番に比べ易いものと言えば、同じく旧三級品で両切りとなっている「ゴールデンバット」かと思われますが、しんせいは段違いに上品な味わいとなっているため、ゴールデンバットのTar18mgに対してTar22mgとは思えないほどに吸い易さを感じたりもします。まぁ、ゴールデンバットはベースとなる素材が何の屑葉かにより変動する喫味を楽しむとい安物らしくもあり独特な趣を持ち合わせているため、一概には比べられないのかも知れませんが。

 エコーなんかと比べても野暮ったさが少なく素朴な味わいとなっているため、しんせいの方が格上に思えてしまいますね。もしかすると、フィルターが無いゆえに「両切りだから丁寧に吸わなければ」という心理が良い味わいへと作用しているのかも知れないと思えるあたりに、中途半端なフィルターなら要らないとすら思えてしまう次第。

 そんな両切りゆえの「葉の詰まり」に関する問題も、もちろん高級志向な両切りピースとまではいかないものの、ゴールデンバットと比べれば「葉が口に入りやすい」といったことも無く、そこそこに詰まりは良い印象ですし。

 総じて、両切りという多くにとってネガティブとなりそうなファクターを孕んではいますが、旧三級品の中では最も上質に感じる仕上がりなのです。私は、しんせいは旧三級品の中でベストな煙草だと思っています。

 いや、旧三級品の枠を越えても健闘が可能な煙草とすら思っています。

 リッチなのですよ、喫味が。

 旧三級品の中では、老人ですら現役銘柄であると思わない方も多くなった、取り分け存在感の薄い煙草ではありますが、非常に良い煙草です。両切りのくせにゴールデンバットより高価だしとか、しんせい買うならフィルター付きのエコーでしょとか、そう邪見にせず正しく評価してあげたい煙草なのでした。

 もちろん「美味い!」って訳ではないのですが、妙に落ち着く味わいの煙草ですよ。

 裏技的な余談ですが、両切り高タール銘柄が「キツい」と感じる方は煙を吸入するときに口を少しだけ「ほころばせて」空気と一緒に吸うと、多くのフィルター付きのシガレットに設けられている空気穴と同等の効果を得られ、煙量の減衰により味わいがマイルドになります。適度に空気を混ぜて吸入すれば、キツいと感じた味わいは甘さが際立つものへ様変わりするでしょう。基本的にフィルターチップの無い両切り煙草は巻紙を湿気らせないように唇に軽く添えて吸うものなので、そう違和感も無くトライ出来るはず。

 まぁ、シガレットに針で空気穴を自作するでも良いのですが、それは面倒ですから。


Tar22mg Nicotine1.4mg
Strictly Not Take. Don’t smoke until you are 20 years old.lol

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