Echo Cigars を吸ってみた

喫煙に関する内容を含みます


 概要:葉巻「エコー・シガー」の喫煙感想



 リトルシガーとなって復活したエコー。葉巻「エコー・シガー」を吸ってみた。


 税制の変更により価格的特徴が薄れてきた旧三級品ですが、やはり安価なくして需要もなくといったところだったのでしょうか。庶民派として安煙草などとも呼ばれ日本の現代史とともに各世代を象徴した素敵な銘柄たちは、やむなく市場からドロップアウトしてしまいましたね。

 ちなみに、旧三級品というのは「旧」と冠するように、昔の専売公社時代の製造たばこ定価法による三級品という区分に属していた銘柄です。みなさんの記憶に新しいもので、ゴールデンバット・しんせい・エコー・わかば・琉球煙草銘柄等が該当します。それらは主に他よりも低級な葉を使用(厳密には中質~下質の煙草葉を主原料に調製)することにより嗜好品としての質が下がるため税率が低く設定され、多くの銘柄よりも安価な価格設定が特徴となっているのです。

 それは旧三級品となっても引き続きでしたが、その特別な税制も廃止が決定し、段階的に撤廃されることとなったのです。ざっくりと言ってしまえば、次第に価格が一般的な銘柄と同じくらいになるということです。

 価格こそ最大の魅力であったのか、最近では旧三級品を上回る安価で提供される銘柄も増え始め、諸々の影響により軒並み販売終了に追い込まれたわけです。(うるまだけは根強い支持により価格改定後も販売継続なのだとか。)

 で、前置きが長くなりましたが、そんな旧三級品に属して廃止銘柄となったエコーが、リトルシガーとなって復活したのですね。

 リトルシガーはシガレットとシガーの折衷案的存在で、形姿はシガレットでありながら煙草葉を巻くペーパーには煙草葉を加工したシート状の煙草葉が使用されています。基本的には紙巻のようにフィルターを備えていることが常であり、見た目や扱いこそシガレットですが、実質として煙草葉が煙草葉で巻かれているため税制区分上は葉巻となるのですね。

 詳しいことは知らないので割愛しますが、税区分が葉巻となることで紙巻よりも安価に提供ができるのです。

 もっとも、製品仕様が完全に異なるものとなるため、味わいは以前のエコーとは別物になっているはずですが、メーカーは「変わらず楽しんで下さい」のような感じでアナウンスしているようです。

 何はともあれ、人によっては自身の喫煙の有無に関わらず、親や祖、曾祖との思い出にも関わってくる銘柄かと思います。複雑なりにも復活は歴史の延長と捉えてみて、素直に嬉しいと思えることかも知れません。




 リトルシガーらしさの演出か、パッケージは以前のオレンジ色の基調から煙草葉を思わせるブラウンカラーへと変更されていますね。それでも、リトルシガーとなってもサイズ規格としてはレギュラーサイズのままなので、ぱっと見は色味が変わったという程度の印象かも知れません。

 小振りなパッケージゆえに警告表示の拡張は中々の影響ですが、それは時代の問題でしょう。

 ただ、私的には少し中途半端なパッケージデザインにも思えます。リトルシガーとなってもシガレットの頃のエコーのイメージを残そうという気は伝わってくるのですが、如何せん中途半端な残され方というか、それが返って邪魔になっているというのか。

 販売方法的にNGなのかも知れませんが、いっそのことデザインは変えなくても良かったように感じるところなのです。ここ最近で思うことなのですが、新たに提供されるJT銘柄は、とんとデザインに魅力を感じることが少なくなったように思います。

 まぁ、オリンピックの問題やらでクリエイティブなるものは事務書類や仕様書を作成することと何ら変わりないことだと分かりましたし。どこぞのゲーム会社やSONYなどがTVCMなどで「クリエイティブ!」と広告していたりすると、何故か失笑気味に酒も煙草も不味くなると言いますか。

 クリエイターとかクリエイティブって言葉は、基本的に表現としては適当に言いくるめる「諦め」や「手抜き」の要素を孕む表現ですからね。広告主がソレを言うとは「なるほど伝えたいものの中身は無いのだなぁ」と思ってしまうのです。

 とりあえず、佐野さん騒動も記憶に遠くなり、もうアマチュアどころかカネの祭典でしかない、どうでも良い感も極まれりなオリンピックですが・・・。

 広い目で見れば、最近のデザインやクリエイティブ業務は基本的に佐野式ですよね。



 この煙草はリトルシガーとなったため、以前のシガレットの時とは異なりJTならではの賞味期限(製造から10ヶ月)は定められていません。

 とは言え、取り扱いは従来のシガレットのエコーと同様に日本たばこ産業となっています。営業力や点検力も同業では抜きんでているでしょうし、極端な僻地でもない限り超長期在庫を掴まされるということもないでしょう。

 と、思いたいところですが、どこも人材難でしょうし。どうなんでしょうね。



 封緘紙のロゴも相変わらずです。パッケージ本体のベースカラーと合わせて、ブラウンの封緘紙なのです。

 ちなみに、中包装紙が銀紙なので、ややミスマッチな感じのチープさを漂わせてはいます。しかしながら、あまり高級感が漂うエコーというの少し違う気がするので、これはこれで良いのでしょう。




 リトルシガーとなり、シガレットデザインは大きく様変わりしましたね。

 しかしながら、今まで通りのレギュラーサイズで、よく見るとシガレットデザインも色味が変わっただけでチップの二本ラインなどの意匠は相変わらずのようです。

 仕様としては、リトルシガーとなり巻紙がシート葉に変更されていて、フィルターは今まで通りの短いプレーンフィルターなのです。

 100'sと比べると、全長は三分の一ほどの差があります。


味・香りについて感想


 この煙草は、かなり順当にシガレットのエコーがリトルシガーとなったという印象の強い仕上がりとなっているのです。

 まず、シガレットの香りですが、以前のシガレットのエコーに近い香りのように思えました。シガレットのエコーの特徴でもあった、もっさりとした甘い香りが確かな量感で感じられます。

 さらに、シガレットのエコーは強めの青臭い植物的な香りも非常に印象的でしたが、このリトルシガーのエコーでは少し鳴りを潜めている印象はあるものの、それもしっかりと感じられますね。

 この段階では、おおむねエコーらしいというのか、全くの別物という感覚には陥らないことでしょう。

 そして喫味の方ですが、こちらも非常に以前のエコーらしさが踏襲されていると感じられました。

 シガレットのエコーは量感と広がりに節操のない、ぶわっとした全体像が独特のキャラクターとチープ感を漂わせていましたね。悪く言えば「まとまりに欠ける」ですが、これはこれでヘビー級の揚げ物を盛ったディッシュのように個性として仕上がっている中々のものだったのです。

 この点に関してはリトルシガーとなっても変わらずというのか、やはり量感も豊かな煙が、もわっとしているエコーらしい個性を踏襲していると思えます。

 しかしながら、リトルシガーとなり巻紙が漂白紙から煙草葉を加工したシート葉に変更されたためか、煙の外殻の部分に大きな違いが感じられます。

 何と言うのか、煙をフルーツのように果肉と果皮に分けるように、このリトルシガーのエコーは果肉の部分。つまり煙の実の部分は旧来のエコーらしい強く広がろうとするものなのです。

 しかし、それを覆う外殻の部分はリトルシガーらしいというのか、葉巻らしい味わいと硬質な質感となっています。

 以前のエコーでは広がり強く、それを抑制するものも無くで、ぶわっと広がりっぱなしで煙が呈されていました。それ故に量感は非常に豊かなのに、どこか分散しきってしまい密度は低めに感じられるという独特のバランス感だったのですね。

 それがリトルシガーのエコーではシート葉によるシガーテイストにより、適度に引き締められている印象です。広がりの強い煙が、ほど良い外殻の中に納まっているような感じでしょうか。これにより、質感のチープな印象は低減されているように思えます。

 味わいとしても、基本的にはシガレットのエコーと同じように独特の青臭さを含む、ほんのりと甘草のような植物的な甘さの味わいとなっています。雑な例えだと、大雑把に大味なセブンスターを作ると、こんな感じの味わいになりそうだなといったところでしょうか。

 ただ、先の通りで味わいの外側の部分にリトルシガーならではの葉巻らしいテイストと硬質感が配されています。

 これが中々に独特で、中身はエコーなのに外側が今までと違うという、ハイブリッド的な味わいの煙草となってるのです。至極シガレットらしい味わいと葉巻らしい味わいが二層構造で呈される、面白い味わいの煙草なのです。

 総じて、リトルシガーとなって付与されたシガーテイストを気に入るかが肝になりますが、喫味そのものは以前ほどのチープさも感じられません。それでいて、しっかりと旧来のエコーらしい味わいや香りを確かに感じられるので、旧来のエコーユーザーから、これから手にする方ともに楽しめるのではないかと思います。

 あ、そもそもシガレットがレギュラーサイズということもありますが、それにしても一本当たりの喫煙時間は非常に短めだと感じました。

 このことから、さくっと一服を終える方に向いていると言えるでしょう。チェーン傾向の方などは、あまり特性的にマッチしていないかと思えるところなのでした。

 長いエコーの歴史はひとまず幕を下ろしましたが、この出来ならば幕引きとはならずという感じに好印象なのでした。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar---mg Nicotine---mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol


▼あわせて他銘柄どうぞ▼
小目録「JT Products」へ戻る
大目録「TOBACCO」へ戻る