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このオルガナイザーは、製品名からも察せる通り「ポリフォニック・オルガンシミュレーター」で、米国はアースクエイカーデバイスというハンドメイドブランドの作品なのです。
肩書きの通り、気鳴型鍵盤楽器の音色を再現する装置・・・、それがオルガンシミュレーター。
まぁ、でも、一口に「オルガン」と言ったところで、その音色は荘厳華麗なものから派手で勢いのあるものまで多種多様です。
要するに「教会のオルガン」から「バンドのオルガン」まで、同じオルガンでも音色は異なるのですが、このオルガナイザーがシミュレーションしようとするのは何かというと、基本的に「教会のオルガン」を思い浮かべてくれれば良いかと思います。
派手な音から深みのある音までバリエーションは豊富ですが、筐体のデザインやLagというノブを見れば分かる通り、ホール常設型オルガンの独特な「音の届き方」を再現しようとしていることが受けとれますし、どう設定しても「主よ人の望みの喜びよ」を弾きたくなるような感じは、間違ってもハモンド全盛期のブルースやロックな感じではないのです。
先述のLagというエフェクトのディレイタイムコントロールの他に、オクターブトーンの量を整えるUpとDownとChoir、音の質(きらびやかさ)を整えるTone、ドライトーンを足すためのDirect、計6個のコントロールはベースで使用することも考えられていそうな面構えなのですが、ベースでのご利用は旨味が少ないというか、ただの変態ディレイエフェクターにしかならないので、その辺は要注意。
ギターで使うことで真価を発揮してくれます。
だがしか~し!!
本気でオルガントーンをシミュレーションしようと思ったら、スローボリュームとかコンプレッサーなんか諸々を併せて駆使しないと、あくまで「弦を弾いて鳴らしている楽器の音色」でありオルガンに非ずといったところ。
しかも、最小パラメーターでもオフ設定が不可な常時効果のディレイ(Lagコントロール)が何気に強烈なので、オルガンシミュレーターというより「新手のディレイペダル」と割り切って使わなければ不満が出そうなのです。
オルガナイザー単体ではサスティーンを稼ぐ機能もないので、小学校とかにある足踏み式オルガンのように音は「す~ん」と減衰しますしね。
あぁ、懐かしいなぁ~、足踏み式オルガン・・・。
That Is To Say!?
このオルガナイザー単体では、そこまでオルガンっぽくはならんということじゃな!
所詮、ギターを吹いても音は出んし、オルガンを弾いても音は出んということじゃ!
余談ですが・・・。
オルガントーンをシミュレーションする似たような製品は、他にもElectro-HarmonixのB9 Organ MachineやMid-Fi ElectronicsのOrgan Droneなんかがあります。
本物志向のオルガントーンをギターでシミュレーションしたければ、間違いなくElectro-HarmonixのB9 Organ Machineを使った方が良いのです。
このオルガナイザーはオルガンシミュレーターというよりは、先述の通り、実際のところ「新手のディレイペダルといった内容なので、また違う用途で活躍するべきでしょう。
ちなみに、Mid-Fi ElectronicsのOrgan Droneはドローントーンのシミュレーターなので、間違って買って後悔したりしないように。
みょうちくりんなシミュレーターはエレハモ一択。
Product Specification
Uh...Ah...