こちらは何気に人気機種なエデンのプリアンプで、渋いゴールドカラーのコントロールパネルが印象的なのですが、このストンプペダル型プリアンプも、やっぱり素敵なゴールドのパネルが印象的だったりします。
製品名にWorld Tourと冠しているので、同社のWorld Tour Bass Amplifiers(WT---)というベースアンプヘッドのシリーズを踏襲しているのだと思いますが、私はエデンのアンプって使ったことがないので、その辺は分かりませんし憶測なのです。
エデンの製品群自体、高価な製品ばかりなので、この手頃なプリアンプの登場は何気に嬉しかったり。
取り分けベース用プリアンプの中では、とりあえず安価な方ですし、堅実堅牢そうな雰囲気と相まって中々に人気を博しているのではないでしょうか。
ちなみに、エデン公式サイトの一部では「火災に遭ったスタジオの唯一の生存者」という語りでWT800という製品の屈強具合を謳っていたりします。
「大きなビル火災に加え消火活動という水害に遭ったが、WT800は見事に動作した」という、何だか色々と凄まじい内容のアピールがされていますが、人々は大丈夫だったのでしょうか?
とりあえず、ギターは全て灰となり全滅したようですが・・・。
まぁ、このプリアンプも頑強そうな印象は受けますが、私は絶対に炙らないし水洗いもしない!
何より、このプリアンプ、これだけのコントロールを備えているのにも関わらず、とってもコンパクト!
おおよそBOSSやEBSの一般的なサイズを横向きにしてに毛を生やした程度のサイズなのです。
その割に中々の重さがあるため、ものすごく塊感というか堅牢感があることは良いことか悪いことか、とにかく、小柄で重量感は抜群。
あと、これこそ良いか悪いかは別としてRoHS指令にも対応しているようです。
大きなマイナスポイントは電源に専用アダプターを使わなければいけないということなのですが、このアダプターが中々に貧弱感満々で壊れてしまいそうな印象なのですが、別売りとかしてるのかな?
電源は分からないなりに色々と試したのですが、やはり専用アダプターを使わないとウンともスンとも言いません。鳴りません。不便です。
機能面に関しては、見ての通り。
Treble,Mid,Bassの典型的な三種のEQに、Bass BoostスイッチとMid Shiftスイッチ。
Input GainとMaster Vol.に、EnhanceとCompressorのコントロール。
これらは他の多くのプリアンプとは違い、さながらアンプヘッドのような面構えとなっているのです。
(見た目だけなら「簡易版World Tour Bass Amplifiers」といって差し支えないかと。)
EQは各15dBの増減が可能なので相当に効果はありますが、EQの例に漏れず控えめな使用が良い感じ。
Bassなんかは30Hzあたりの極低帯域に作用するので、嫌でも扱いは慎重になるのです。
Bass Boostは「フレッチャーマンソンカーブに沿って低域をブーストするもの」と説明されていますが、かなり強烈な効き目で、低域を特異にブーストするので好き嫌いが分かれそう。
フレッチャーマンソンカーブ云々と謳いながら、まるで自然な感じがしないというは、いいんかそれで。
ベースブーストで低域がモッコリ。so good!!
MidはMid Shiftで可変帯域を550Hzか2.2kHzに設定が可能なので、中域が弱い時は550Hzをブーストしたり、存在感を付加したければ2.2kHzをブーストしたり、このシフトスイッチ一つで、中々に対応力は向上すると思うのです。
で、Trebleは・・・、まぁ当たり障りのない5kHzを増減させて調整するもの。
まぁ、あまりブーストする人はいないかも知れませんけれど・・・。
あと、他に無い特徴としてEnhanceとCompressorのコントロールがあるのですが、Compressorは「掛かってる?」から「今日は鼻詰まりが酷いなぁ」まで、幅の広い効き方をします。
Input Gainとの相互関係でコンプレッション感が決まるので、Input Gainと一緒にノブをグ~ンと回してやれば、あなたも一発で鼻詰まりの病人に早変わり!
基本的に「浅くも深くも鼻から圧し潰す感じ」のコンプレッサーで、少し癖があります。
他に専用機があるのであれば、このコンプは使わない方が良いという人の方が多そう。
Enhanceは、パラメーターを上昇させるほどトーンがモダンなキャラクターに変わっていくのですが、私は「古臭い中低域を減らしていくような感じ」というような効果だと思っています。
説明にも「超低域と高中域と高域を際立たせる」みたいな表現がされていますし。
ちなみに・・・。
このコンプとエンハンサーは「ちょいがけ」専用!
唐辛子と胃薬の関係と同じように、少量なら薬になりますが、適量を超えると確実に毒になります。
コンプは勿論のこと、エンハンサーの効き方もコンプレッション感がありますので、12時あたりから確実に音の存在感が無くなっていきます。
あとは、このプリアンプはインジゲーターが特徴的で、通電確認用とバイパス用の二個が備わっているのですが、通電確認用は、とにかく眩しい・・・。
この青い光の直視は視力低下の原因になりそうなほど。
また、フットスイッチ上部のバイパスインジゲーターはバイパス時に点灯するので、何気に戸惑います。
フットスイッチの側のインジゲーターの多くは「消灯=バイパス」ですからね。
まぁ、良くも悪くもオンにすれば問答無用でトーンをEDEN WTDIのキャラクターに変えてくれるので、このプリアンプに限ったことではないのですが、気に入るかどうかは人の次第。
良い物であるが故に、ホットボックスと同じようなノリで生産終了しないことを願うばかりなのです。
DIとしても使用可能なのですが、その性能は知りません。
というより、この手の製品をDIとして使う需要ってあるのでしょうか?
追記
代理店がヤマハに変わり、現行品は通電確認用インジケーターの明るさが落とされているそうな。
ペダルラインナップも徐々に増えていっておりますな。
Product Specification
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