Masters Piece を吸ってみた

喫煙に関する内容を含みます


 概要:紙巻:「マスターズ・ピース」の喫煙感想



 ブランドの70周年記念で非売品という稀有なピース。紙巻「マスターズ・ピース」を吸ってみた。


 過ぎ去った平成の28年は西暦なら2016年。この年はというと、日本たばこ産業による不朽の名作である「ピース」の誕生70周年であったわけです。私の場合は親よりも先輩であり、人によってはお爺ちゃんお婆ちゃんよりも先輩でありと、長きに渡り愛され続けているブランドなのですね。

 そんなピースというブランドは、デザインやブランドイメージとともに本格志向を一貫した、高級なバージニアリーフを使用する名実ともに本格シガレットとしても有名です。最近では「ザ・ピース」や「アロマシリーズ」の登場と相まって、更なる本格志向へ磨きが掛かっていますね。誕生70周年という点は、先に「ピース・クラシック」なる祭り志向の数量限定製品がリリースされたこともあり、愛煙家にとっては周知のことかと思います。

 そして、その誕生70周年も今年の終わりとともに過ぎ去ろうとする年の瀬は間際です。今度は「マスターズ・ピース」なる製品がリリースされたのです。こちらは先のピース・クラシックとは異なり、数量限定どころか非売品という中々に稀有な煙草となっています。

 その入手方法はというと、ピース銘柄のパックコードを集めて応募する懸賞型と、限られた煙草屋さんで極少量にて配布されているという試供品を入手するという二通りが基本となっているそうな。

 ちなみに、私は後者となります。前者にて入手する場合は、応募に対して抽選で限定1,000名までとなっているため、どちらにせよ希少な煙草ということが容易に察せますね。

 必要なパックコードは一口の応募に対して20コードが必要とのことで、必ずJTスモーカーズIDへの登録が必要です。手段としてはウェブ出の応募の他に専用葉書での応募もあるそうですが、煙草屋さんで配布されているという葉書は少し入手が難しいかも知れません。

 これらをふまえたうえで、ピースの愛飲者でもハードルは少し高めといったところです。真のピース党のみを対象としているかのような様は、正にファンサービスといったところでしょうか。

 応募締切は2017年の1月末で、当選発表は同年3月頃に発送をもって行うそうです。

 私は喫煙量も少ないので、キャンペーンには参加せず、この希少な1本をトラウマ宜しく記憶に刻みまくります。




 100'sシガレットが一本だけ封入されている専用缶。これはザ・ピースが発売された時の試供でも使用されていたものと同様のパッケージですね。

 たかが試供用のパッケージながら、異様に作りが良いあたりは流石なのです。



 特にマスターズ・ピースと謳うようなデザインは無く、ピースのロゴマークがシンプルにデザインされています。

 というか、ほんとに作りが良い。




 缶のキャップの内側には、より気密性を高めるための中栓が施されていました。これがまた非常にカッチリと嵌っている中栓で、本当に試供用といえど妥協の無い作りであることが窺えるのです。

 香りが命のピースということもあり、よほど良い香りを保ったまま人へ届けたいのだという想いが伝わってきますね。

 何というのか、そのうちシガレットも葉巻のように、このような筒に収納して渾身の一服と洒落こむ時代が到来するのでしょうか。




 シガレットデザインは、思っていたよりもシンプルな印象ですね。よほど現行ラインナップのピース銘柄の方が絢爛に見えるかも知れません。

 仕様としては、ピースということもありプレーンフィルターが使用されています。空気穴は特に見受けられませんでした。



 ちなみに、タール数値などは缶の警告文下部に記されています。気になる製品仕様としては、Tar14mgのニコチンは1.5mgとなっているようですね。表層的には現代志向とも言い難いのかも知れませんが、こだわり抜いた出来であることは言うまでもないことでしょう。

 これまでのザ・ピースやピース・クラシックTar10mgでしたから、やや特徴的と思える仕様かも知れません。
 

味・香りについて感想


 この煙草は、期待の通りに素晴らしい煙草となっているのです。

 まず、シガレットの香りなのですが、これがまた非常に良い香りです。ピースというブランドは、このシガレットの良い香りも醍醐味の一つとなっていて、それはマスターズ・ピースにおいても同様なのだなと思います。 

 具体的な香りの内容はというと、どことなく昔ながらのラムネ菓子というのか、それはラッピーラムネを思わせる香りでもありますね。ピースらしい芳醇かつ瑞々しい甘酸っぱさをベースに、どこか懐かしさを覚えさせる、とっても良い香りです。

 火を点けずに喫してみても、ぶれることなくシガレットの香りが風味として十分に楽しめますから。葉組などに対する真摯な姿勢は明確でしょう。

 喫することは、火を点ける前から始まっているのですね。

 そして、喫味の方はというと、思っていたよりもおとなしいといった印象です。ピースらしい華々しさは意外にも控え目となっています。

 その代りにとしてバージニアブレンドらしい煙草感が非常に上品かつ豊かであり、酸味や苦味といった要素は全くありません。まほろばのように良き煙草の甘みとピースらしい華のある香りを、まるで桃源郷の情景のような感覚で楽しませてくれるのです。凛とした鈴の音や小さな玉のように儚く呈される控えめな華と、この最高級をクラシカルに仕立てた真の煙草らしい味わいの組み合わせは、正しく絶妙と言えるでしょう。

 何でしょうか、喫すれば文化人として豊かになれることは間違いなしです。喫煙という文化は、古来より人の心を豊かにすることと共にあったということを実感させてくれますね。

 正直なところ、従来のピース銘柄のような華やかさは無いために物足りなさを覚える方がいても否むことは出来ません。しかしながら、ゆっくりと、そして丁寧に喫することを大前提としているブレンダーの意を容易く汲めるだろう、そのためのバランスと言えるはずです。だからこそ、先のピース・クラシックとは趣を変え、あえて香りの一切の誇張は無しとしたような味わいなのでしょう。

 これこそが本物の煙草であるとすら思わせる、何とも素敵な味わいには脱帽と感服しかありませんから。

 余韻もピースらしいというよりは「正しく煙草らしい」と言えるもので、雑味の一切は無く儚げに残る様は至福に浸れます。十分な満足ではなく、あたかも名残惜しさを覚えさせんとする余韻も素敵なものですね。

 総じて、素晴らしい煙草です。今までのピース銘柄とは異なりピースの味わいを単に現代的に昇華しているわけではありません。あたかも喫し続けた者へ良さを教えんとする仕上げ方は、何とも感慨深い趣を楽しませてくれました。

 何と言うのか、原点回帰という言葉が良きにして似合う煙草でしたね。様々なピース銘柄は時代における文化や技術に伴い高級と至福を与えてくれる煙草でしたが、このマスターズ・ピースは「真の煙草は昔から変わらず」というように不変の良さを教えてくれるかの如くといった煙草なのです。

 この煙草は日本人にしか作ることも出来ないだろう、間違い無く最高のシガレットです。
 

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar14mg Nicotine1.5mg
Strictly No Taking. Don't smoke until you are 20 years old.lol


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