Natural American Spirit Organic Mint を吸ってみた

ナチュラル・アメリカン・スピリット・オーガニック・ミント の喫煙感想

 ついに登場したアメリカンスピリットのフルボディなメンソールシガレット。紙巻「ナチュラル・アメリカン・スピリット・オーガニック・ミント」を吸ってみた。


銘柄概要

 世界的に人気の高いナチュラル・アメリカン・スピリットは、アメリカ合衆国よりも遥かに古い歴史を持つニューメキシコ州の州都サンタフェにあるサンタフェナチュラルタバコ社によるブランドです。このように、アメリカのブランドでも取り分け「ネイティブアメリカン」というキャラクターの強いブランドとも言えるでしょう。

 まぁ、日本ではミーハー要素が強いようにも思えますけれどね。

 と、それはさておき。このブランドの最大の特徴は、やはり「煙草葉に添加物を加えない無添加煙草」ということでしょう。一般的に使用されている機能性添加物や香料などを使用せず、刻みは純粋な煙草葉のみでレシピが完結しているということです。

 その他にも、刻みに使用する煙草葉を一般的な銘柄より25%も増量していたり、色々と特徴の多いブランドなのです。

 そして、この新たにラインナップされたオーガニック・ミントは、今まで空席であったフルボディ&メンソールのポジションを担う銘柄となります。長らくトップタールで定番であったメンソール・ライトのTar9mgを超える、Tar12mgのメンソールシガレットなのですね。

 ちなみに、これまでの同ブランドのメンソール製品とは異なり、銘柄には「オーガニック・ミント」と冠されています。これは特徴の一つである「オーガニックミントから抽出したメンソールのみ使用」を謳ってるためです。

 しかしながら「では他のアメリカンスピリットのメンソール製品はオーガニックではないミントの抽出成分を使用しているのか」というと、そうではないそうです。アメリカンスピリットのメンソール製品は全てオーガニックミントから抽出したメンソールのみを使用しているそうで、他のメンソール製品も「オーガニック・ミント」というように銘柄を順次統一していくそうな。

 アメリカンスピリットのパッケージにおける特徴の一つでもあるバリエーションごとのカラーリングですが、このオーガニック・ミントは「サボテン」をイメージしたカラーリングなのだそうです。決して「メンソールシガレットだからグリーンカラー」という安直なものではないということなのですかね。

 ちなみに、ものすごく既存ラインナップのメンソール・ライトと似たパッケージとなっています。少しだけオーガニック・ミントの方が彩度の低い落ち着いたグリーンカラーとなってますが、ぱっと見は区別しにくいところでしょう。要注意なのです。

 ここ最近のアメリカンスピリットらしく、パッケージ背面には大々的にコラム欄として使用されています。今回はアメリカンスピリットのポリシーである「煙草は加工や添加物によってではなくブレンドで味を調整すべき」ということについて語られていました。

 ただし、あくまで個性であり、このポリシーが良いかどうかは各々の判断ですね。最近はオーガニックが持てはやされる風潮にもありますが、それが絶対的に正義ということではないので、あしからず。

 ちなみに、アメリカンスピリットのレシピは実のところ数は多くもないそうです。人気ゆえにラインナップは賑やかなのですが、それぞれの差異はフィルターパートに依存してレシピそのものは使いまわしているそうですね。

 ざっくりと言ってしまえば、オーガニック系(ボックス天面にもインディアンがレイアウトされている銘柄)と、そうではないものと、番外的なペリックと、現在の日本で流通しているアメリカンスピリットは数のわりにレシピは3つだけなのだそうな。

 なるほど、手巻き煙草のアメリカンスピリットは3種類しかラインナップされていないわけですね。よほど謳い文句の通りブレンドに自信があるのか、本当はブレンドに対して意欲が無いのか、やや微妙なところです。

 ずっと昔からアメリカンスピリットでは変わらずに記されているパッケージサイドの製品特徴の記載なのですが、この内容は消えたり改めたりと意外にも変更が多かったりするのです。それゆえに真にアメリカンスピリットに対してマニアックな方々からは、まことしやかに色々な憶測が飛び交っていたりしたものです。

 しかしながら、アメリカンスピリットの販売にJTも関わるようになってからでしょうか。このパッケージサイドの記載は不明瞭な要素が排された内容となったように思えます。これは大企業化による気質の顕れといったところですかね。

 インサーターには「味わう前に知ってほしいアメスピのこと」と題されたコメントが記されていました。そんなに大した内容ではないのですが「タバコ葉を味わうメンソールを」というのは、正にアメリカンスピリットのメンソールシガレットの個性を言い表しているように思えますね。

 意外と、これを体感できるメンソールシガレットというのは、アメリカンスピリット以外に勝るものも少ないと私は思いますから。それゆえに、アメリカンスピリットのメンソールシガレットは非常に好きですから。

 ただし、やはり絶対的正義ではありません。メンソールに重きを置くものも、フレーバーと掛け合わせたものも、どれも好きですから。何でも楽しめる方が、人として得な気もしますし。

 アメリカンスピリットに限らず、最近はペーパータイプの中包装紙が増えてきているものの、この煙草の中包装紙は一般的な銀紙でした。

 デザインとしては正面にシンボルであるコンドルを配し、上部に「ポイ捨てダメ」という英文のメッセージと、何ともアメリカンスピリットらしいものとなっています。

 シガレットデザインは、もはや見慣れたアメリカンスピリット銘柄で共通のデザインとなっています。コルク柄のチップに金のラインと、巻紙にはコンドルのスタンプですね。

 仕様としてはタール数値の調整用にチップには小さめの空気穴が控えめに1列だけ設けられていて、フィルターはメンソールシガレットらしくプレーンフィルターとなっています。

 ちなみに、アメリカンスピリットのメンソールシガレットといえば「フィルターにメンソール成分を含んだ石が入っている」という個性的なイメージも強いかと思われます。しかしながら、それは過去の個性なのか、この煙草はフィルターにメンソール成分を添加しているのみなので見た目は分解しても普通のプレーンフィルターなのです。

 あのジャリジャリフィルター、けっこう好きだったのになぁ。 


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、比較的メンソール・ライトに近い味わいのアメリカンスピリットのメンソールシガレットらしい煙草となっているのです。

 まず、シガレットの香りですが、メンソールの添加はフィルターにのみ行われているということもあり、あまりメンソールの香りはしませんね。移り香という程度に微妙なメンソールの香りはするものの、あまり巻きの部分はメンソールの香りを含んでいません。ノンメンソールのアメリカンスピリットと同様に、素朴な煙草葉の甘辛い香りがする程度です。

 このように、あまりシガレットの香りを楽しむという向きではないことは、もはやアメリカンスピリットならではですね。それでも、どこか心地の良い煙草らしい香りを楽しむことが出来るのです。

 そして喫味の方ですが、わりと所見の体感はメンソール・ライトと大差も感じない味わいとなっています。それでも、比べれば煙草らしいボディが増しているだけメンソール感は更に控えめと感じるものといったところでしょう。

 何と言うのか、やはりアメリカンスピリットのメンソールシガレットはメンソールの清涼感を楽しむというよりも、メンソールの味わいと香りを楽しむという向きが非常に強い仕上がりなのです。スースーする清涼感は非常に控えめで、ほんのりとしたメンソールらしい甘味と香りをアメリカンスピリットらしい煙草の味わいに添えて楽しむことが出来ますね。

 ただし、どことなく吸い込みづらい印象は強めとなっています。それにより、Tar12mgというフルフレーバーとなりながらも少し煙量感は控えめと感じるかも知れません。喫煙後の充足感はタール数値と相応に高めなのですが、喫煙中は数値から想定するより煙量感の乏しさゆえにギャップを感じるところです。

 それならばと口数を増やしたり吸い込み過多になると、喫煙後は少しグロッキーになってしまうので要注意です。物足りないと量で補おうとするならば、その実は確かにTar12mgということか気持ち悪くすらなりかねないので、一服には正しい喫煙に対する理解と配慮が必要なのです。

 また、メンソール・ライトと比べても軽快さが抑えられて、しっかりと煙草感があります。そのため、メンソールの存在感は更に控えめとなっていますね。そこまで分かりやすい差異ではありませんが、やはり比べると煙草感が増しています。

 総じて、ざっと吸った感じはアメリカンスピリットらしくTar9mgのメンソール・ライトと比べても違いが分かりにくいところではあります。しかしながら、やはり喫煙後の充足感には雲泥の差がありますので、あまり頭に「?」を浮かべながら口数を増やしたりはしない方が賢明ですね。後々に「やられます」といった煙草ですから。

 ただし、やはりアメリカンスピリットのメンソールシガレットはメンソールの楽しみ方を清涼感に傾倒することなく、甘味と香りで楽しませてくれるので良い感じなのです。全体的なバランスはメンソール・ライトの方が良いようにも思えますが、ゆっくり丁寧に一服を楽しむことが出来るのならばTar12mgのメンソールは十二分に満足させてくれるでしょう。

 それゆえに、吸い過ぎには要注意ですね。ほんと、気持ち悪くなります。

 余談ですが、紙巻煙草は喫煙開始から間もなくして血中のニコチン濃度は全体の最大に達します。アメリカンスピリットは多くの紙巻煙草と異なり該当のタールクラスの中ではニコチン測定値が高いという特徴もありますので、あまり調子にのって口数を増やし過ぎると気持ち悪くなる可能性が高いので気を付けて下さいね。

 何と言うのか、喫煙時は思いのほか軽快ながら喫煙後は鈍重という、軽快なのか鈍重なのか、よく分からない煙草なのでした。

 その点は、ちょっとクレテックシガレットに似ているかもと思ったりなんだり。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar12mg Nicotine1.5mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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