部屋を明るくして離れてみてね
概要:エフェクターボード「ARMOR:アルモアのPS3C」を肩掛けショルダー仕様にカスタマイズした記録
To Perfection!! エフェクターボード作る!奮闘したこと記録。OVA「夢の箱が砲丸投げ!」デジタルリマスター版。
前記事の「小さくても無敵なエフェクターボードを作るのだ!」にて一先ず落ち着いたエフェクターボードですが、ここからは番外編です。
▼前置き
いきなりですが、エフェクターボード延いてはエフェクターケースのカスタマイズというと、ほとんどの場合は中に詰められたのエフェクターに関する内容ばかりな気がします。それは勿論のこと、皆様ともにケースの内側にこそ熱い想いがあるからなのでしょう。しかしながら、実際のところはというと・・・。
ケースそのものにも不満ないっすか?
あ、そう、無いっすか。私は不満があるので、続けますよ?
ハードケースタイプは信頼性や耐久性に優れる一方で、ほとんどの製品が重いし角張っているし運搬用パーツは取っ手くらいしか備えていないわけです。これがまた、どこぞのゴーレムのような使い勝手の悪さ。
そして、最近はコストや機動力の観点で人気の出ているソフトケースタイプも、その軽量さや取り回しの良さに優れる一方で、今一つ信頼性や耐久性に劣るものばかりである気がします。流行りのペダルトレイン宜しくスノコボードなども「ケーブルを床下に収納で便利」といったように便利製品へ補正を掛けていますが、結局のところは上記の二つに漏れないケースへ収納して運搬するわけですし・・・。
なんなんすか?このゲームキャラみたいなピーキー設定は。
私は先の記事「小さくても無敵なエフェクターボードを作るのだ!」でも取り上げたように、ARMOR:アルモアというメーカーの「PS3C」なる非常に小振りなハードケースタイプのエフェクターボードを使用しました。しかしながら、いくらコンパクトに仕上げたといえどハードケースはハードケースです。持ち運びに易しとは言い難しということで、便利化を図っていきたいと思います。
▼どのようにエフェクターケースをカスタマイズするか
では、このPS3Cの何が気に入らないのかを考えてみましょう。私としては、具体的なところを上げると「取っ手だけ」という古臭い仕様が宜しくないと思うのです。
今回のエフェクターボードとして使用したケースの重量は乾燥で3.6kgなのですが、この時点で決して軽いとはいえません。何だかんだで物を詰めれば、その重さは膨れ上がるように10kgという重量に迫ります。(ちなみに、画像は当項で取り上げるカスタムを施した後の重さです。)
アルモアならではの堅牢さとともに、ラインナップでは最小となる「小振りなサイズ」が特徴の一つでもあるケースではありますが、その付加価値を生かし切れない「取っ手だけ」という仕様は間が抜けているとしか思えません。同じようなハードケースを例に上げれば、撮影機材に使用するためのケースなどは軒並みショルダーケースやリュックサックのように、確かな信頼性とは別に「運搬性能」を向上させているものも多いはず。それにも関わらず、エフェクターのケースは相変わらずユーザーアンフレンドリーなものが多い印象を私的に覚えています。
これだから音楽関連のアクセサリーは嫌になるのです。この手の商品は考えの浅いものばかりで、シグネチャー仕様みたいな馬鹿らしいものを用意したりと嫌気の差すことばかり。もう少し一般的なユーザーのことを考えて、ペルソナ作成でもしたら良いのに。強いてフォローをするのならば、それはケース表面の出っ張りを少なくすることにより「積載性や収納利便性の向上」という一方の運搬性能には繋がっているといったところでしょう。
ということで、ハードケースには類も少ないソフトケースの魅力の一つでもある「ショルダーバッグ仕様」を、このアルモアのPS3Cに付加していきたいと思います。
▼エフェクターケースを改造する
では、あと一歩で素敵になるケースへ、どのような便利を付加するかを決めました。しかしながら、このPS3Cも多くのハードケースと同じようにショルダーストラップを取り付けるためのパーツは備えていません。
詰まるところ、要施工ということですね。
施工完成をイメージしつつ、どのような部品が必要なのかを考えてホームセンターやネットショップを物色しました。図面といったものを作製する技術は持ち合わせていないので、あくまで妄想に近い脳内イメージです。その結果、主に建物や公園などの施設などで使われるような金具を色々と揃えてみたのです。
ちなみに、使用する金具は破損を起こすと大惨事となるという用途の都合もあり、信頼性を重視して水本機械製作所というメーカーのもので統一しています。これらは主に建築業務向けなので、取り付けボルト類などは付属しないため別個で用意が必要です。その金具と施工するケースに対して、径や長さなどを吟味して必要となるボルトやナットも用意しました。
また、ここまで揃えたところで「あれ?穴は・・・。」と困ってしまいます。電動ドリル本体は持ち合わせていたので、エフェクターケースへ金具を取り付けるために必要なサイズの下穴とネジ穴を作るためのドリルも急遽で用意しました。
さて、物が揃えば、あとは慣れない施工作業です。あくせくしながら装備させてみましょう。
レッツ・ぐるみん!
下穴を作り、ねじ溝を切り、初めてケースにメスを入れてみて確信したことが一つ。やはり高価なエフェクターケースは、こと「頑丈さ」において信頼に足る製品なのです。保護と化粧を兼ねる樹脂板も然る事ながら、その下に位置する木材板も中々に頑丈なのでした。
装着!installing!!
何と言うのか、攻撃力と防御力が上がって素早さが少し落ちた感じの見た目ですね。実際のところ、金具を取り付けたボード部分ではない方、いわゆるフタの部分は体感でも違いが分かるほどに重くなりましたから。
拡大!zoom in!!
こちらは施工部分のアップです。画像右のアイプレートという金具だけでも良かったのですが、保険としてU字ボルトも取り付けてみました。この画像だけでは華奢に見えて不安に思うかも知れませんが、それは心配無用なほどに頑強な感じとなっているのです。
ちなみに、こちらは施工部分の裏側です。今回は取り付け部品の「ずっぽ抜け」の防止も兼ねて、裏ボルトには「フリクションリングナット」という緩み防止ナットの一種を使いました。ナットの緩みや溝の劣化などでエフェクターケースを落とすという事だけは、いくら頑丈なケースといえど避けたいですからね。念には念を、ということです。
また、当然ですが突き抜けたボルトはケース内の容量を少なからず圧迫します。ただでさえ容量の小さいケースですので、少しでもケース内に飛び出しボルトの突き出し量を小さくしたいものですよね。どうにかならんかと物色していた時に使えそうなパーツを見つけたため、私は下の画像のようにプレートを使って調整しました。
中二以来の創意工夫。
これは、先のケース内に突き出すボルトの突き出し量を減らすための工夫なのです。容量を一寸でも無駄にしたくはないギリギリプランナーは、このような工夫が後に生きてくると思います。これらは数十円程度で販売されているので、そう惜しむ金額でもありません。
▼エフェクターケースにショルダーストラップ
ふう、と言う様に施工作業が無事に終われば、残すもストラップを装着するのみとなりました。そこそこ重たいものに使用するということもあり、ショルダーストラップにはネオプロという国産ブランドの高耐久性と謳うものを採用です。
その耐荷重性能、まさかの・・・ 80kg!!
私の下駄用バイクはホンダのゴリラなのですが、まさかの「ショルダーゴリラ」が可能なスペックの超人ストラップなのです。エフェクターケースどころではなく、ミニバイクながらバイクが肩掛け出来てしまうというね。
ちなみに、画像のように2本掛けにすれば「安心の保険仕様」にすることも出来るようにしました。肩の負担を減らすためにジェルトロン内蔵のものを採用してみましたが、このジェルトロンパッドは確かに肩への負担を感じさせないのです。ただし、ぶら下げている物の重量が重量なだけに、負担は少ないが重さは確かにといった程度の気休めです。
ということで、ついに無敵のエフェクターボードが完成したのであった。
さっそく、結社に戻って総統に報告しなければ!
▼よい子のみんなへ
いるかどうかはさておき、この記事の内容を自ら実行してみようかなという方のために注意してもらいたいことが数点ほどあります。それは以下の通り。
まず、金具の耐荷重性能には注意して下さい。これらの金具は、用途の都合もあり必ず耐荷重性能が表示されているはずです。耐荷重数値が小さいと金具の破断などの恐れがありますが、逆に耐荷重数値が大きければ大きいほど金具そのものは大きくなってしまいます。あまりに耐荷重性能にマージンを取り過ぎて大きな金具を使ってしまうと、ケースに取り付けられなかったりショルダーストラップが取り付けられなかったりと本末転倒な事態になりかねません。きちんとしたメーカーの製品であれば、ウェブサイトの製品紹介などに寸法表なども公開されているはずなので参考にしてみて下さい。
また、単位として使われている「kgf/重量キログラム」にも注意して下さいね。例えば「エフェクターボードが9kgだから耐荷重10kgfでいいや」としてしまうと、重量が9kgだからといって負荷が常に9kgで一定というわけではありませんので不都合が生じかねません。床に設置していれば負荷は減りますが、逆に空気抵抗や慣性などにより負荷が増すことも考慮して耐荷重性能には少しの余裕を持つと良いと思われます。
あと、金具の取付は出来るだけタッピング系のネジ(よく家の壁とかにドライバーで打つようなネジ)ではなく、ナットと併用できるボルトを使った方が良いと思われます。金具の耐荷重性能は、あくまで金具そのものの耐荷重性能であると思われるので、いわゆるネジごと「ずっぽ抜ける」といったトラブルを防ぐには、雄ネジだけではなく雌ネジも使ってやった方が好ましいような気がするのです。いくら頑丈なハードケースといえど、ずっぽ抜けて落とすのは気分が良いものではありませんし、徒歩や静止時ならともかく自転車やバイクに乗っていたら対処が面倒ですからね。ずっぽ抜ける方向に引っ張られる金具にはナット(雌ネジ)を使ってあげて、それ以外はタッピング系のネジを使えばスマートな気がします。
今回の私の場合は、取っ手と同じ面に取り付けたショルダーストラップ用のU字金具とアイプレートには金具の脱落防止のためにボルトとナットを併用しました。しかし、バイク積載用に荷締ベルトを通す用途で取り付けた金具はタッピング系ネジで済ませてしまいました。これは、ずっぽ抜けるどころか荷締ベルトで圧着されるためです。
その他には、強いて言うなら施工はエフェクターを組み込む前に行ったほうが良いと思われます。ボルト類がケース内に突き出す場合、既にエフェクターを設置しているとエフェクターを傷つけてしまう恐れがあるからです。特に私のようにピッチリとした配置でカッチリとエフェクターを固定するタイプの人間は要注意ですね。
最後に、あくまで全ては「自己責任」です。多くに言えることですが、手を加えればメーカーの保証などは全く効かなくなりますからね。もちろん、私も責任は負いません。
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