Lucky Strike Expert Cut 14 を吸ってみた

ラッキーストライク・エキスパートカット・14 の喫煙感想

 ものすごく久しぶりとなるラッキーストライクの新製品。紙巻「ラッキーストライク・エキスパートカット・14」を吸ってみた。


銘柄概要

 直近でも今は亡きライトのソフトパックが2006年にラインナップされて以来、実に9年ぶりとなるラッキーストライクの新製品ですね。しかも、このTar14mgの他にTar10mgとTar6mgのタールバリエーションまで同時リリースするシリーズにて新登場なのです。

 そんな新シリーズは「エキスパートカット」と銘打ち、精細に煙草葉を刻むことで滑らかな吸い心地を謳うシリーズとなっています。その上で、価格は従来のラッキーストライクのラインナップとは打って変わり、非常にリーズナブル(発売時400円)な格安カテゴリーに属しています。

 やはり同社のケントと喰い合うことを嫌ってか、はたまたラッキーストライクというブランドイメージに倣ってなのか、下限はTar6mgで打ち止めとなっています。しかしながら、ここ最近で賑わいを見せている格安カテゴリーのシガレットでは初となるTar14mgというハイタール方面をカバーする新勢力です。ともあれば、とっても気になるシリーズですよね。

 何と言うのか、現代的なキャラクターと時代錯誤したキャラクターとを織り交ぜているような感じなのです。

 何はともあれ、良くも悪くもプロモーションや新製品などの影響を受けにくいラッキーストライクというブランドにての新製品です。価格というコンテンツは、その壁を越えられるかも気になる次第ですね。

 ビニール外装では、最大の武器ともいえる価格がアピールされていました。

 どちらかと言えば赤色のイメージが強いラッキーストライクで、この深い青色に染め上げられたパッケージデザインは新鮮そのものですね。実際のところ、そこまでスタンダード品のデザインと大きな違いは無いものの、受ける印象は大きく異なるものなのではないでしょうか。

 ただ、ラッキーストライクのデザインは、諸外国では既に「このような感じ」にシフトしているようにも見受けられますね。日本では客層を意識してか古株な銘柄らしく不変的キャラクターを打ち出しているかのようにも思えますが、まぁ、基本的にはラッキーストライクも大衆銘柄ですから。常にブランドの価値観を最新のものにするべきであるのでしょう。

 パッケージ背面も、基本的には正面に倣うデザインとなっています。ブルズアイ手法のマークの下には、エキスパートカットと謳う内容についてアピールされていますね。

 ざっくりと和訳するなら「しっかりとした味わいとスムースな吸い心地のために、煙草葉を精巧にカットしました」といったところで、これらエキスパートカットでは取り分けスムースな吸い心地であることを謳っている印象なのです。オリジナルラインで謳われている「IT'S TOASTED」という文言は、全く使用されていません。

 あと、やはり派生したシリーズということもあってか、オリジナルラインのような「AN AMERICAN ORIGINAL」という文言も全く使用されていませんね。

 パッケージ横っちょには、相変わらずのインディアンが鎮座していました。しかしながら、もう一人いますね。彼は誰なのでしょうか。

 ちなみに、ビニール外装を取り外すと価格がアピールされていた箇所に、ラッキーストライクというブランドが1871年に始まったことを謳う「EST 1871」という表記が現れました。かなり古いブランドですよね。

 まぁ、このラッキーストライクは非常に新しいものですけれど。

 中包装紙はパッケージのアクセントカラーから想像していましたが、やはり金色でした。さりげなく、パッケージと同様に「Luckies」とデザインされているのです。御利益があるかも知れませんね。

 ただ、この中包装紙は非常にペラペラな印象です。引っ張って切り取る際も嫌に歯切れが悪く、ちょっと私的には不満なのです。

 また、シガレットデザインは白色のフィルターチップとなっていました。日本におけるラッキーストライクでは、非常に新鮮な印象ですね。ロゴの配置は相変わらずとなっていますが、コルク柄のチップではないためか金のラインが施されていますね。

 仕様としては、スムース感を得るためなのか、Ta14mgという時代錯誤な高タール仕様ながらチップには小さめの空気穴が控えめに設けられていました。フィルターはオリジナルラインと同様に、チャコールフィルターが充てられているのです。


吸ってみた感想・味・香り

 この煙草は、おおよそラッキーストライクとは異なる印象の煙草となっているのです。

 まず、シガレットの香りですが、あまり強くはなく微香程度という点はラッキーストライクらしさといったところですね。ただし、このエキスパートカットのシガレットの香りは香料が豊かと感じる甘さが強く、毛色はラッキーストライクオリジナルラインとは異なるものであると感じるはずです。

 喫味の方も、おおよそオリジナルのラッキーストライクとは異なる味わいと質感ですね。

 特に、質感の違いは非常に顕著となっています。やはり、精巧な裁断と謳うエキスパートカットによる恩恵なのでしょう。それは、まるで絹のようなと言うか、一流のパティシエが作るメレンゲのように滑らかでキメの細かい質感なのです。

 また、味わいはラッキーストライクらしく淡白気味ですが、どことなく国産煙草らしい傾向の甘さが目立つ味わいは、オリジナルとは異なり個性という点には少し欠く印象ですね。ラッキーストライクらしい乾燥した感じも無く、あまりラッキーストライクらしいキャラクターは感じないでしょう。

 これら質感と味わいの特徴が相まって、まるでTar14mgとは思えないほどの吸いやすさが非常に印象的な煙草となっています。特に、その個性は吸い始めの方で顕著であり、しっかりと煙は体感が出来るものの質感がスムースすぎて違和感すら覚えるほどです。

 この煙草にはオリジナルのラッキーストライクのような、からっとしたアタリも全く無いです。あるのは、極めんと言ったばかりのスムース感ばかり。あまりにスムースすぎる上に、味わいも全体的に淡白気味であり、ボディ感はTar14mgどころかオリジナルのライトバリエーションと同等とすら思てくるほどなのです。

 しかしながら、この煙草は早くも半分を目前にしたあたりから化け始めますね。巻きの3分の1ほどを消費したあたりから、途端に成るほどTar14mgらしいグッと来るボディ感が頭角を現し始めるのです。

 これほどまでにタール数値に反してスムースな煙草も珍しいものですが、一つのシガレットの中で、これほどにキャラクターが様変わりする煙草も珍しいものですね。

 ただし、それでも全体的には非常に上質でスムースな質感を一貫しています。その証拠と言わんばかりに、後味も非常にスッキリとしていますから。

 総じて、滑らかすぎる質感の代償として味わいも少し淡白気味という、面白くないようで何ともピーキーキャラクターな面白い煙草となっています。しかしながら、いくら淡白気味とは言え現代的ニーズを鑑みれば至極十分の範疇ですし、そもそもラッキーストライクそのものが比べれば淡白なキャラクターの部類ですからね。何も不足は覚えないことでしょう。

 とにかく、喫してみれば分かると思います。何故に今の御時世に時代錯誤とも思える、オリジナルよりハイタールなTar14mgをラインナップしたのかということが。

 それは、この煙草の異様な特性の前では屁でもないタール数値であること。それにより、今までには無かった格安でハイタールで上質なシガレットをラッキーストライクにて提供し始めたということ。

 何気に、新ジャンルですね。この煙草は。あまりに出来が良すぎて、つまらないどころか少し怖いくらいの煙草なのでした。

 ちなみに、味わい自体はラッキーストライクというよりもTASTEKの頃のケントに近いかも知れません。ほんのりと癖の無い甘さも感じられますが、ケントに似た酸味も感じられますからね。

 TASTEKのケントを愛飲していた私としては、どこか懐かしいと思える煙草です。それが究極のスムース感を持して、やって来た感覚なのです。

Nutrition Facts
Serving Size: 1 Cigarette
Tar14mg Nicotine1.2mg
Don't smoke until you are 20 years old.lol


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