武蔵伝Ⅱブレイドマスター オリジナル・サウンドトラック

部屋を明るくして離れてみてね


 概要:迷盤CD「武蔵伝Ⅱブレイドマスター オリジナル・サウンドトラック」の紹介レビュー
 


 スクウェアの名作はFFだけではないのです。ゲーム・サウンドトラックCD「武蔵伝Ⅱブレイドマスター オリジナル・サウンドトラック」を紹介してみた。


▼概要


 1998年にスクウェアからリリースされた「ブレイヴフェンサー武蔵伝」の続編として、2005年にスクウェア・エニックスよりリリースされた「武蔵伝Ⅱブレイドマスター」というゲームのサウンドトラックです。

 まぁ、それ以外の何でもないですよね。今の御時世では世代によって古いとも感じるだろうゲームのサントラですが、私的にゲームと音楽と、かなり気に入っている作品なのです。ブレイブフェンサーはさておき、ブレイドマスターな武蔵伝は今でも楽しめる作品ではないでしょうか。

 また、本作のコンポーザーは当時SE社員の浜渦正志さんと仲野順也さんをメインに、当時Wavelink Zeal(現ZEAL★DoQMaL)に所属の岩井由紀さんと岩井隆之さんが一部参加しているようです。何とも豪華。

 それとは別に、オープニングテーマはTHE SURF COASTERSという日本のサーフロックバンドによる書き下ろしとなっているのです。こちらは、豪華というよりもトリッキー。

 あとは、まだまだ当時にしては珍しいと言えるのですが、この作品は打ち込みだけではなく、意外とプレイヤーを起用してのレコーディングナンバーも多めです。


▼収録内容




【Disc:01】
_01.Samurai Struck (Game Edit)
_02.A New Hope
_03.A New Hope (Industrial version)
_04.Mystical Princess
_05.Dark Legacy
_06.Boss Battle Ⅰ
_07.神獣の村
_08.Silent Dialogue
_09.Gaia Serenade
_10.Gorpus' Vendetta
_11.みたされる心
_12.Celestial Encounter
_13.聖なる力
_14.ほっと一息
_15.Soul Stalkers
_16.Miners Woe
_17.Aqua Memory
_18.Secrets of the Deep
_19.Boss Battle Ⅱ
_20.Scarlet Rage
_21.Shopper's Delight
_22.大空の白鯨
_23.Firewalker
_24.Symphony of Fire Ⅰ
_25.Meltdown
_26.Symphony of Fire Ⅱ
_27.Molten Menace
★お気に入りナンバー「A New Hope (Industrial version)」(外部リンク参照:youtube

【Disc:02】
_01.Battle Stasion
_02.Jungle Journey
_03.Aeolic Guardian
_04.勇気
_05.Call of the Wild
_06.What・・・?
_07.Wrath of the Spider Queen
_08.Eternal Sorrow
_09.Mysterious Market
_10.おとぼけ
_11.不安
_12.Temple of the Ancients
_13.Vault Breaker
_14.Vixen Maiden
_15.Resurrection
_16.でたらめリサイタル
_17.Rocker
_18.It's Showtime!
_19.Valiant Dreamer
_20.Fight for Justice
_21.聖戦
_22.緊張
_23.Dark duel
_24.Last Battle
_25.Finale
_26.Mystical Princess (Casual version)
★お気に入りナンバー「Aeolic Guardian」(外部リンク参照:youtube


▼語ってみる




 もうね、このサウンドトラックは、正直なところ「Aeolic Guardian」が聴きたくて買ったようなものです。浜渦正志さんによる作曲の楽曲ですが、ほんと、良い曲なのです。知っている方も多いだろう名曲ではないでしょうか。

 今でこそオーケストラ仕様のイメージが強い同氏ですが、よりピアノの映える小編成アンサンブルこそ氏の真骨頂ではと思わせてくれる楽曲なのです。私的にはスクウェアのコンポーザー陣による曲では、風の憧憬などと並び名曲と思っているのです。

 まぁ、ベタですけれどね、名曲は名曲ですから。

 風の憧憬は、まだミニマルの特色が色濃く感じられる初期の久石譲さんによるスタジオジブリの楽曲が好きならばハマるでしょう。それに対してAeolic Guardianは、劇伴を「楽しむもの」として広く知らしめたイマージュシリーズなどが好きな方などに勧めることが出来ます。
 
 たぶん、武蔵伝Ⅱを未プレイでも聴き入ることの出来る、というかゲームに関心の無い方でも聴き入ることが出来ると思う曲ですよ。バイオリンとチェロとフルートによる旋律と、ピアノとアコースティックギターによる伴奏に、リズムはギロやトライアングルなどといったシンプルなサウンドのアンサンブル。これが何とも素朴ながら情熱的で、素敵な異国情緒を感じさせる楽曲なのです。

 確かゲーム中だと、風の巫女を抱っこして進行するところで流れたりでしたよね。基本BGMのJungle Journeyが流れる中でイベント的にAeolic Guardianが差し込まれているので、セットBGMのような感じといったところです。

 そんな感じで、Jungle Journeyも中々に思い入れの強い楽曲なのです。このCDの中でも、ただの順番とはいえセット感の強い収録となっていますし。

 ただ、肝心の巫女そのものは、私的に風の巫女よりも火の巫女の方が印象には深かったのですけれど。(画像検索:Musashi Samurai Legend Maidens

 その他の曲も、やはりA New Hopeや巫女関係の曲など素敵なものが多いのです。

 ただ、全体的には至ってBGMらしい楽曲が多いという印象なので、ゲームを未プレイだと全体としてはパッとしないものも多いかも知れません。しかしながら、未プレイでもイージーリスニングとして楽しめる曲は多いという印象ですね。

 意外と戦闘系のBGMは汎用的な印象が強いと思えますが、特にフィールド系のBGMが良い感じの雰囲気を漂わせるサントラなのです。

 また、ゲーム版アレンジとはなっているものの、THE SURF COASTERSによるテーマ曲であるSamurai Struckも完全オリジナルで名曲に仕上がっているです。雰囲気としてはゲーム内容との「ミスマッチ」をコンセプトとしているため収録曲の中でも異色の存在ですが、ノリが良くて楽しく聴けますよ。かなり律儀にサーフロック要素を詰め込んだような曲のようにも思えますが、その反面で分かりやすくサーフロックを楽しめると思います。

 ちなみに、ゲームとしては一作目も二作目も「ブレイヴフェンサーシリーズ」というシリーズに属するタイトルですが、あまり二作間での関係性は無く、一作目は関戸剛さんという作曲家がBGMを担当しています。雰囲気も異なりますし、当然ながら往年のスクウェアらしさという点においては一作目の方が強い印象ですね。

 何より、やっぱりAeolic Guardianですよ。ほんと、いい曲。

 ただね、この曲。実際には、わりと気持ち悪い敵がウヨウヨしている蜘蛛の巣だらけのステージで流れるBGMなのです。


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